発想力を考える:ひらめき派と理論派

投稿日

 inf52東京五輪のロゴの模倣問題を発端に担当デザイナーの他の作品にも次々と模倣疑惑が広がりましたが、作品そのものだけでなく、身内に官僚がいるので出来レースだったとかデザインと関係のないところまで面白おかしく書き立てられました。
 
 私はデザインや作曲などの創造性を要求されるような仕事をしている方は素晴らしいひらめき、センスが必要だと思っていました。然しながらデザインを教える学校があるわけですから、デザインに必要な素養や定石的な基礎の部分はある程度体系化されているわけです。
 
 つまりデザインの考え方としてイメージが湧いてくるひらめき型と幾何学的文様や視覚認知などの理論性にもとづいて構築する理論型に大別出来るようです。もちろん実際は両方を依頼に応じて使い分けるのがプロのデザイナーだと思います。オリジナリティあふれるイメージがポンポン湧いてくるのは一部の天才だけでしょう。
 
 理論派はデザインの趣旨を考慮しつつ基本ルールに従い考える性質と考えられるので既存デザインとの類似性が出やすい傾向が強いかもしれません。特に数多くのデザインを要求された場合は必要があれば既存のものを参考にして部分的モディファイを行い完成させることは至極普通に思えます。
 
 一方ひらめき派は常にひらめくための情報を脳内に叩きこむ必要があるでしょう。一流の芸術作品に触れたり、海外の建築物や自然、文化に触れたりとひらめきの土壌を取り入れていかなければ無から有は生まれません。
 
 製品開発の現場でも全くのオリジナルが世に出るのは大きな技術革新がある場合が多く、殆どの製品は既存の機能の組み合わせや改善によるマイナーチェンジです。製品開発にTRIZという手法がありますが、40の発明原理があり、その考えに従い考えることでひらめきに頼らずともアイデアを創出出来ます。
 
 つまり発想とは神ががるようなひらめきだけが必要なわけでは無くて、理論に基づいたやり方でも可能だと言う事です。デザインの類似性と同様のものに楽曲の模倣疑惑があります。メロディーがそっくりだと言う話はデザインの酷似性よりも頻繁に話題に上がるように感じます。
 
 作曲にもある程度法則みたいなものがあるようで、小節毎で過去のパターンを組み替えて曲を作るのも一つの定番みたいなので、模倣というよ...
 inf52東京五輪のロゴの模倣問題を発端に担当デザイナーの他の作品にも次々と模倣疑惑が広がりましたが、作品そのものだけでなく、身内に官僚がいるので出来レースだったとかデザインと関係のないところまで面白おかしく書き立てられました。
 
 私はデザインや作曲などの創造性を要求されるような仕事をしている方は素晴らしいひらめき、センスが必要だと思っていました。然しながらデザインを教える学校があるわけですから、デザインに必要な素養や定石的な基礎の部分はある程度体系化されているわけです。
 
 つまりデザインの考え方としてイメージが湧いてくるひらめき型と幾何学的文様や視覚認知などの理論性にもとづいて構築する理論型に大別出来るようです。もちろん実際は両方を依頼に応じて使い分けるのがプロのデザイナーだと思います。オリジナリティあふれるイメージがポンポン湧いてくるのは一部の天才だけでしょう。
 
 理論派はデザインの趣旨を考慮しつつ基本ルールに従い考える性質と考えられるので既存デザインとの類似性が出やすい傾向が強いかもしれません。特に数多くのデザインを要求された場合は必要があれば既存のものを参考にして部分的モディファイを行い完成させることは至極普通に思えます。
 
 一方ひらめき派は常にひらめくための情報を脳内に叩きこむ必要があるでしょう。一流の芸術作品に触れたり、海外の建築物や自然、文化に触れたりとひらめきの土壌を取り入れていかなければ無から有は生まれません。
 
 製品開発の現場でも全くのオリジナルが世に出るのは大きな技術革新がある場合が多く、殆どの製品は既存の機能の組み合わせや改善によるマイナーチェンジです。製品開発にTRIZという手法がありますが、40の発明原理があり、その考えに従い考えることでひらめきに頼らずともアイデアを創出出来ます。
 
 つまり発想とは神ががるようなひらめきだけが必要なわけでは無くて、理論に基づいたやり方でも可能だと言う事です。デザインの類似性と同様のものに楽曲の模倣疑惑があります。メロディーがそっくりだと言う話はデザインの酷似性よりも頻繁に話題に上がるように感じます。
 
 作曲にもある程度法則みたいなものがあるようで、小節毎で過去のパターンを組み替えて曲を作るのも一つの定番みたいなので、模倣というより一般的類似性として許容の範囲として捉えるべきなのかもしれません。
 
 個人的にはデザインは何をイメージしたいか、見る人にどのように感じて欲しいか、記憶に残るか等が満足出来る水準に達しているかが重要と思います。ですので独自性はさほど気にしませんが、オリジナリティという要素を切り離しにくいのもまたデザインという仕事の難しさなのかもしれません。
 
 TRIZという手法、40の発明原理など、発想力を考える上では理論派には強い味方になりますので、この記事のリンクから詳細をご覧下さい。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

眞名子 和義

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します

ムダ・ムラ・ムリの「3ムの撤廃が企業収益向上に繋がる」を信条とし、お客様の"視座"に立ったご提案を致します


「アイデア発想法一般」の他のキーワード解説記事

もっと見る
商品開発のための発想法とは【連載記事紹介】

  商品開発のための発想法が、無料でお読みいただけます!   ◆こんな方におすすめ!=商品開発のための発想法を知りたい!= ...

  商品開発のための発想法が、無料でお読みいただけます!   ◆こんな方におすすめ!=商品開発のための発想法を知りたい!= ...


プレゼンは「さしすせそ」!

 アイデア発表に限りませんが、プレゼンの仕方で聞く人にとっての印象は大きく変わり、アイデアの評価を左右します。ここではプレゼンにあたって注意すべきことを掲...

 アイデア発表に限りませんが、プレゼンの仕方で聞く人にとっての印象は大きく変わり、アイデアの評価を左右します。ここではプレゼンにあたって注意すべきことを掲...


阻害条件を排除して、創造性を伸ばすには

 創造性を伸ばすためには、その条件を満たすと同時に、邪魔する条件を何とか取り除くことが大切です。右下のリストは、主に個人としての阻害条件をあげたものです。...

 創造性を伸ばすためには、その条件を満たすと同時に、邪魔する条件を何とか取り除くことが大切です。右下のリストは、主に個人としての阻害条件をあげたものです。...


「アイデア発想法一般」の活用事例

もっと見る
-活字印刷、合成ゴム- 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その1)

【ひらめきの法則 連載目次】 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その1) -活字印刷、合成ゴム 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その2) -ナイロン...

【ひらめきの法則 連載目次】 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その1) -活字印刷、合成ゴム 失敗の繰り返しが発明を生んだ (その2) -ナイロン...


-列車のブレーキ‐ 偶然を生かしたセレンディピティのひらめき (その2)

 列車事故に偶然遭遇し、圧縮空気の機械を利用してブレーキに応用した、アメリカの発明家 ジョージ・ウェスティングハウス                  ...

 列車事故に偶然遭遇し、圧縮空気の機械を利用してブレーキに応用した、アメリカの発明家 ジョージ・ウェスティングハウス                  ...


しつこく繰り返して、発見や発明を生んだ事例1-噴射式復水器、蓄音機-

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット    産業革命を推進する原動力となった蒸気機関...

1.蒸気の性質を科学的に調べ続け、実用に耐える蒸気機関を完成させた、イギリスの科学者ジェームズ・ワット    産業革命を推進する原動力となった蒸気機関...