顧客価値の理解を深めるには

更新日

投稿日

 顧客価値私は、日ごろ、ものづくり企業のR&D現場をフィールドとしたコンサルティングに取り組んでいます。その中で、価値、とりわけ顧客価値は、R&Dを進化させていくうえで非常に重要なコンセプトであり、概念であることを実感しています。
 
 一方で企業の現場において、「顧客価値」が明確に定義されていない、理解が共有されていることが少ないことも感じています。自社の製品や技術がお客様に提供している価値をはっきり答えられない、あるいは誤解して捉えている場合も多くあります。
 

1.顧客価値とは

 
  例えば、ある会社にて、「あなたの会社の製品が提供している顧客価値は何ですか?」と質問した際、「それは信頼性ですよ。うちの製品は高信頼性で評価されていますから」という答えが返ってきたことがあります。しかし、これは顧客価値を説明してはいません。高信頼性は製品の機能であり、顧客価値ではないのです。顧客価値とは、信頼性という機能をとおして、お客様がどのようなメリットを得ているのか、喜びを感じているのかを具体的に表現したものです。
 
 例えば、製品が生産装置であれば、「メンテナンスの頻度が少なくて済む」「メンテナンスコストが安くなる」「ラインが止まるリスクが少なくなる」などが考えられます。このような機能と価値の混同は、顧客価値に対する誤解の最もよく見えられる例です。
 

2.価値の具体化

 
 価値を具体化するためには、自社の製品から離れて、お客様そのものに視点を移して考えことが必要になります。その際、2つの基本的な問いを行います。
 
(1).購入~使用~廃棄の一連の顧客プロセスのなかで、顧客は自社の製品からどのようなメリットを得
   ているのか、喜びを感じているのか
 
(2).なぜ、顧客は他社の製品ではなく自社の製品を買うのか
 
 この2つの問いに答えるためには、自社のお客様を明確に定義し、その姿を具体的にイメージすることが必要であり、それがお客様への理解を深めることに繋がるのです。
 
 これらの問いに対して、最初は明確に答えられない、あるいはよくわからないこともあると思います。大切なのは、上記の問いをとおして得られる「自分達はお客様のこと...
 顧客価値私は、日ごろ、ものづくり企業のR&D現場をフィールドとしたコンサルティングに取り組んでいます。その中で、価値、とりわけ顧客価値は、R&Dを進化させていくうえで非常に重要なコンセプトであり、概念であることを実感しています。
 
 一方で企業の現場において、「顧客価値」が明確に定義されていない、理解が共有されていることが少ないことも感じています。自社の製品や技術がお客様に提供している価値をはっきり答えられない、あるいは誤解して捉えている場合も多くあります。
 

1.顧客価値とは

 
  例えば、ある会社にて、「あなたの会社の製品が提供している顧客価値は何ですか?」と質問した際、「それは信頼性ですよ。うちの製品は高信頼性で評価されていますから」という答えが返ってきたことがあります。しかし、これは顧客価値を説明してはいません。高信頼性は製品の機能であり、顧客価値ではないのです。顧客価値とは、信頼性という機能をとおして、お客様がどのようなメリットを得ているのか、喜びを感じているのかを具体的に表現したものです。
 
 例えば、製品が生産装置であれば、「メンテナンスの頻度が少なくて済む」「メンテナンスコストが安くなる」「ラインが止まるリスクが少なくなる」などが考えられます。このような機能と価値の混同は、顧客価値に対する誤解の最もよく見えられる例です。
 

2.価値の具体化

 
 価値を具体化するためには、自社の製品から離れて、お客様そのものに視点を移して考えことが必要になります。その際、2つの基本的な問いを行います。
 
(1).購入~使用~廃棄の一連の顧客プロセスのなかで、顧客は自社の製品からどのようなメリットを得
   ているのか、喜びを感じているのか
 
(2).なぜ、顧客は他社の製品ではなく自社の製品を買うのか
 
 この2つの問いに答えるためには、自社のお客様を明確に定義し、その姿を具体的にイメージすることが必要であり、それがお客様への理解を深めることに繋がるのです。
 
 これらの問いに対して、最初は明確に答えられない、あるいはよくわからないこともあると思います。大切なのは、上記の問いをとおして得られる「自分達はお客様のことをよく分かってなかった」という気づきであり、それが顧客価値を起点としたR&Dへ進化するための第1歩になります。
 
 ぜひ、皆さんも自社のお客様を具体的にイメージしながら、上記2つの問いを現場の中で議論してみてください。きっと多くの気づきが得られることと思います。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

平木 肇

『テクノロジストの知恵を新たな価値を生み出す力に変える』社会を変える新たな価値創造へ向けて、技術の進化と人材の開発に挑戦するものづくり企業を全力で支援します。

『テクノロジストの知恵を新たな価値を生み出す力に変える』社会を変える新たな価値創造へ向けて、技術の進化と人材の開発に挑戦するものづくり企業を全力で支援します。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
製品開発とコストダウン(その3)

◆コストダウンのための仕組み作り    コストダウンを容易に検討できる仕組みについて解説します。製品開発のステップをもう一度思い出して下さい...

◆コストダウンのための仕組み作り    コストダウンを容易に検討できる仕組みについて解説します。製品開発のステップをもう一度思い出して下さい...


改革をやりきる秘訣とは~技術企業の高収益化:実践的な技術戦略の立て方(その15)

【目次】 ◆ 両利きの経営に成功する最初で最後の一手 今回は、両利きの経営に成功する最初で最後の一手とはを解説します。 &nbs...

【目次】 ◆ 両利きの経営に成功する最初で最後の一手 今回は、両利きの経営に成功する最初で最後の一手とはを解説します。 &nbs...


製品設計におけるトレードオフのコントロール(その2)

 製品設計におけるトレードオフのコントロールを、前回に続いて解説します。   1.トレードオフ対応フロー  図1はトレードオフへの対応フローの一...

 製品設計におけるトレードオフのコントロールを、前回に続いて解説します。   1.トレードオフ対応フロー  図1はトレードオフへの対応フローの一...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
技術高度化の5戦略

【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...

【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...


擦り合わせ能力を活かすマネジメントとは(その1)

  前回は、「擦り合わせ型開発」と「組み合わせ型開発」のモデルを使って、開発体制について考察しました。擦り合わせ型開発と組み合わせ型開発それぞれ...

  前回は、「擦り合わせ型開発」と「組み合わせ型開発」のモデルを使って、開発体制について考察しました。擦り合わせ型開発と組み合わせ型開発それぞれ...


グループシンクとチームダイナミクスの境界線

1. イノベーション戦略    私は、ものづくり企業のR&Dにおける技術力・価値創造力を向上するための取り組みを「イノベーション戦略...

1. イノベーション戦略    私は、ものづくり企業のR&Dにおける技術力・価値創造力を向上するための取り組みを「イノベーション戦略...