見える化で物流作業の効率向上 (その1)

投稿日

1. 見える化で物流作業の急所を端的に示す

SCM
 物流活動の各アクションにつながるように「見える化」を進めることは重要です。アクションにつなげることが目的です。従って、物流現場のSQDCに関して会社として何らかのアクションを求められていることを優先的に取り組んでいきましょう。先日ある物流倉庫を訪問したところ、天井から大きなボードが吊り下げられており、そのボードに3つほど作業の留意点が書かれていました。こういった「留意点の見える化」はアクションにつながりやすいため効果的だと言えそうです。そこで作業する人たちに端的に何をして欲しいかを一言で示すのです。
 
   ・ 出荷時は現品とラベルと出荷伝票の3点照合を行うこと!
 
 上記のようにその工程で必ず守らなければならないことを端的に示してあげるのです。文字をたくさん入れた長文は避けましょう。それは標準作業書の方に任せればよい話なのです。またその倉庫では、標準作業書の抜粋版を倉庫内の柱に大きく拡大して貼り付けていました。このケースではやや文章が長いのですが、時々作業者が「あれ、どうするんだっけ?」というような疑問がわいた時には効果的なやり方だと思います。また随所に作業のポイントがメモで付けられていました。たとえば小物製品のピッキング棚に新製品を見分けるポイントが手書きで書かれ、貼り付けてあったのです。聞いてみるとこのやり方は物流現場のパートさんたちのアイデアだそうです。自分たちがミスをしないためにわかりやすくポイントだけを掲示しているのです。このような「現実的な」やり方で見える化は進めるべきなのです。そのためには現場の人たちの意見を取り入れて進めることがよいと思います。
 

2. 仕事の目標と実績の見える化

 物流現場の見える化の成功のポイントは「3現主義」に基づいて実行していくことです。3現主義についておさらいしておきましょう。3現主義とは「現場」で「現物」を実際に見ながら「現実」的なやり方で実行していこう、ということを指します。百聞は一見にしかずとも言いますが、現場でものを見ずに行動することは的を外してしまうことにつながりかねません。また理想ばかりを追いかけて実現性のないことを定めてしまうことの無いように、現実的に進めることも大切です。もちろん、その際には「固定観念」を捨てて自分の頭の中の常識だけにとらわれることの無いようにすることは言うまでもありません。
 
 前項で紹介した物流倉庫の場合にはパート作業者の方たちが主体になって進めた結果、非常にわかりやすい見える化ができたのです。一方でこれだけの見える化で物流現場管理上十分かと言...

1. 見える化で物流作業の急所を端的に示す

SCM
 物流活動の各アクションにつながるように「見える化」を進めることは重要です。アクションにつなげることが目的です。従って、物流現場のSQDCに関して会社として何らかのアクションを求められていることを優先的に取り組んでいきましょう。先日ある物流倉庫を訪問したところ、天井から大きなボードが吊り下げられており、そのボードに3つほど作業の留意点が書かれていました。こういった「留意点の見える化」はアクションにつながりやすいため効果的だと言えそうです。そこで作業する人たちに端的に何をして欲しいかを一言で示すのです。
 
   ・ 出荷時は現品とラベルと出荷伝票の3点照合を行うこと!
 
 上記のようにその工程で必ず守らなければならないことを端的に示してあげるのです。文字をたくさん入れた長文は避けましょう。それは標準作業書の方に任せればよい話なのです。またその倉庫では、標準作業書の抜粋版を倉庫内の柱に大きく拡大して貼り付けていました。このケースではやや文章が長いのですが、時々作業者が「あれ、どうするんだっけ?」というような疑問がわいた時には効果的なやり方だと思います。また随所に作業のポイントがメモで付けられていました。たとえば小物製品のピッキング棚に新製品を見分けるポイントが手書きで書かれ、貼り付けてあったのです。聞いてみるとこのやり方は物流現場のパートさんたちのアイデアだそうです。自分たちがミスをしないためにわかりやすくポイントだけを掲示しているのです。このような「現実的な」やり方で見える化は進めるべきなのです。そのためには現場の人たちの意見を取り入れて進めることがよいと思います。
 

2. 仕事の目標と実績の見える化

 物流現場の見える化の成功のポイントは「3現主義」に基づいて実行していくことです。3現主義についておさらいしておきましょう。3現主義とは「現場」で「現物」を実際に見ながら「現実」的なやり方で実行していこう、ということを指します。百聞は一見にしかずとも言いますが、現場でものを見ずに行動することは的を外してしまうことにつながりかねません。また理想ばかりを追いかけて実現性のないことを定めてしまうことの無いように、現実的に進めることも大切です。もちろん、その際には「固定観念」を捨てて自分の頭の中の常識だけにとらわれることの無いようにすることは言うまでもありません。
 
 前項で紹介した物流倉庫の場合にはパート作業者の方たちが主体になって進めた結果、非常にわかりやすい見える化ができたのです。一方でこれだけの見える化で物流現場管理上十分かと言えばそうではありません。何よりも大切なことは仕事の目標と実績の見える化なのです。ピッキング作業場を例に挙げて考えてみましょう。前述の倉庫ではピッキング棚に製品表示が付けられているとともに、作業の急所が付けられていました。しかしピッキング作業の計画と実績が表示されていなかったのです。物流倉庫で質問すると毎回どこでも同じような答えが返ってきます。「そのピッキング作業はいつまでに終了する必要がありますか」その同じ答えとは、「今日の5時までにすべてを終わらせればよいことになっています」という回答です。
 
 次回は、物流業務の計画と実績について解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンマネジメントにおけるERP -ソフトウェアの本質的な方向性-

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...

 ERP(エンタープライズ・リソース・プラニング)を直訳すると、経営資源計画システムとなります。しかし日本では、統合業務パッケージと訳された言葉が使われて...


最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その5)

1. S&OPとは    今日の最先端SCMテーマといえば、一番に上げられるのは、S&OP(Sales & Oper...

1. S&OPとは    今日の最先端SCMテーマといえば、一番に上げられるのは、S&OP(Sales & Oper...


スピードこそがサプライチェーンのコア・コンピタンス

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...

 アウトソーシング先である社外をも含む人的・物的経営資源の同期的連動の巧拙が、生産財メーカーにとってのスピードを決めると言って良いでしょう。このとき生産財...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流子会社の市場価値とは メーカーと物流子会社(その1)

  ◆ 物流子会社の役割と市場価値  メーカーは物流子会社を持つ傾向にありました。「ありました」という表現を使わせていただいたのには訳が...

  ◆ 物流子会社の役割と市場価値  メーカーは物流子会社を持つ傾向にありました。「ありました」という表現を使わせていただいたのには訳が...


トラック合わせ生産 SCMの本質(その2)

1.同期生産    前回のその1に続いて解説します。サプライチェーンの全体リードタイムを短縮するために必要となるのが同期生産です。すべての工...

1.同期生産    前回のその1に続いて解説します。サプライチェーンの全体リードタイムを短縮するために必要となるのが同期生産です。すべての工...


購買業務の要点:サプライヤー評価

 前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築...

 前回のその9に続いて解説します。購買業務として欠かせない重要業務があります。それがサプライヤーマネジメントです。取引先であるサプライヤーと厳格な関係を築...