1. 見える化とセンター長のマネジメント
物流現場を管理状態に置くことで、今、何をしなければならないかといったアクションにつながります。逆にこれがわかっていないと、異常に対して手を打つことが遅れ、会社に大きな損失をもたらすことにもつながりかねないのです。こういった管理を行っていくことこそが「物流現場監督者」の役割だと言えるのです。時々、現場で実作業を行っているセンター長を見かけますが、これは感心できません。センター長は現場のすべての責任を負う立場にありますから、なぜ自分まで現場作業をしなければならないのかはわかっているはずです。自ら作業を行うことではなく、そうならざるを得ない要因をつぶすことがセンター長の仕事なのです。
センター長のマネジメントの成績が管理ボードに表れるのです。今の物流現場のSQDCの状況が管理ボードでわかりますから、作業者もそれを目にすることで自分達がどういった行動をとらなければならないのかが判断できるのです。経営層にとってみれば、今のその物流現場が「正常な運営ができているのか否か」が管理ボードから読み取ることができます。つまり、このボードは経営層にとってもアクションにつながる情報源だと言えるのです。いちいち管理監督者にヒアリングしなくても状況を把握できるからです。管理ボードの別の活用方法として「従業員のモチベーション向上」が挙げられます。ボードには作業者ごとの「品質の誓い」や「安全の誓い」などを掲示していきましょう。また、良い改善アイテムが出てきたら、その提案者の名前とともに改善内容を掲示するのです。これによってその提案者たる作業者のモチベーション向上が図られるのです。
見える化の観点から、誰がどのようなスキルを持っているかのスキルマップを掲示してもよいでしょう。それとともに教育訓練計画も掲示します。不足しているスキルをどのような方法で向上させていくのかがわかるようにしていきましょう。作業者にとってみると、自分に対する投資を会社が行ってくれていることがわかり、その意味でもモチベーションがアップに繋がります。
2. 物流安全も見える化で管理を
見える化の真の目的は、今の物流現場の管理状態がどうなっているのかが一瞬で判断できることにあります。単なる掲示物のオンパレードではありません。それぞれの掲示には意味があるのです。工場で工具をその形に縁どりしたボードに吊るしているところを見かけることがあります。そこに工具が無ければどの工具が使われているのかが一目でわかります。これと同じ手法で清掃用具を管理することができます。今箒が使われているのか、塵取りが使われているのかが一目でわかる状態を作ることが大切です。こういった物流現場で使う備品類は見える化で管理状態に置くとともに、管理責任者の名前を掲示しておくと良いでしょう。工具や清掃用具とはいえ大切な会社の資産です。これらが安易に紛失されないよう責任者を決めて管理をするのです。
見える化の活動の一環として、仕事を行う際の保護具の状況を示している会社もあります。作業着や軍手、ヘルメットや保護メガネなど、その職場で身に付けなければならない保護具を示す...