【新環境経営 連載 主要目次】
新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、その後、省エネ、創エネ、畜エネについて紹介してきました。これまでは、環境経営の視点で、過去に積み上げられてきた知恵を整理してきましたが、これからは、それら知恵の基盤の上に、ICTの支援を受けて、更に効率よく、同じ間違いを繰り返さないことを実現する時代に入りました。今回からスマートXXXXを取り上げます。初回はスマートハウスです。
1. スマートXXXX
スマートは「賢い」を意味します。賢いはクレバーですが、「ずる賢い」という意味があるとのことで、最近はsmart(スマート)が、賢い、カッコイイの意味で使われています。最近はやりのスマートXXXXは、これまでは人間系で管理していたものを、ICTを活用して、設備やインフラをスマートに管理する意味で使われることが多くなりました。現在、スマートハウス、スマートグリッド、スマートコミニュニティー等々、スマートXXXXが流行っているが、スマートXXXXの言い方が社会に根付き、浸透して、普通に使われるようになるのはまだ時間が掛かるのでしょうか。
2. スマートハウス
スマートハウスとは、「太陽光発電」などがつくる電力や、電力会社からの電力、蓄電池に貯めた電力など、家の電気エネルギーを“賢く(スマート)”に使う住宅のことを言います。賢く使うためにホーム・エネルギー・マネジメント・システム(HEMS)を利用するのが特徴です。HEMSで電気の使用状態を見える化して、人間系で制御して省エネを進めることから始まり、遠隔操作で家電機器を入り切りしたり、予め決めておいた順番で、優先度の低い機器から切り離す制御を行い電力使用のピークを抑えるなど、白物家電などがネットに繋がることで、多くのことが実現できるようになります。HEMSで電力使用のピークを抑えることは、電気の基本契約料金の削減になり、地域レベルでの発電設備容量の適正化や過剰設備投資を抑えることにもつながります。
又、最近、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)を謳う広告がありますが、それは1年間の消費エネルギーに対して、住宅で創ったエネルギーの方が多いまたは同等の住宅であり、電気エネルギーの自給自足です。現在、住宅で創るエネルギーは太陽光発電が中心ですが、今後は、燃料電池や他の創エネ手段も組み合わさる方向だ。ZEHの先には、電気エネルギーを電力会社に依存しないで、電力会社と切り離された形態(オフ・グリッド)があり、先進的な意識の家庭で取り組みが始まっています。オフ・グリッドについては、別途、スマートグリッドのところで紹介します。
3. HEMS
日本では2000年頃に、全ての家電をネットに繋いで、指定された時間に自動的に入...