総合リサイクル業: 新環境経営 (その52)

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【新環境経営 連載 主要目次】

 

 CSR
 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、その後、省エネ、創エネ、畜エネについて紹介してきました。今回は、解体建設現場で発生する混合廃棄物をすべて再資源化する総合リサイクル業を目指す、石坂産業について紹介します。
 

1. 石坂産業の理念

 
 人々の豊かな生活と引き換えに廃棄物が出る。その処理は誰かが必ずやらなければならない仕事です。私たちはこれを使命ととらえ、産業廃棄物の処理という仕事に誇りを持ち、研究し、周囲の自然環境や近隣に住んでいる方たちを最大限に尊重しながら、目配り、気配り、心配りのおもてなしを心がけ、よりよい社会をつくるため力を尽くしていきます。
 
 前例のないことでもどんどん取り入れ、まず自分たちが変わり、この仕事に携わる社員をはじめとして、利用してくださる方、顧客、近隣に住む方々、偶然に私たちのことを知ってくださった方々の意識に働きかけ、日本をよりよい循環型社会に変えていきます。
 

<ごみにしない技術>

 
 石坂産業は1999年の埼玉県所沢のダイオキシン問題をきっかけに、燃やさない産業廃棄物処理のあり方を研究開発し、2013年、世界最先端の減量化技術で、減量化、リサイクル化率平均95%を達成。さらに新たな産業廃棄物の資源化へ挑戦し続けています。
 
 ごみにしない技術には、大量生産、大量消費、大量廃棄が当たり前だと思う意識や価値観、ライフスタイルを変え、社会を循環型にするという魅力があります。
 

2. 創業の思い(石坂産業 創業者 石坂好男 2014.12.15)

 
 日本の大量生産・大量消費の高度成長期に、現場から発生するすべての廃材をそのまま夢の島への埋め立処分を依頼されました。資源がないこの国で平然と使えるものを捨てる行為に納得がいきませんでした。
 
 そこで1967年に一念発起し、土木解体、廃棄物処理業の法人を設立、古材の選別再利用や有価物の再利用の事業に着手。その間に選別技術の研究開発に取組み、解体建設現場で発生する混合廃棄物をすべて再資源化する総合リサイクル業を目指しました。先進的な減量化・リサイクル技術を開発し、最先端の総合リサイクルプラント施設を建設しました。
 

<これまでの経営で一番苦労したこと>

 
 1999年、テレビ報道のダイオキシン騒動に巻き込まれ、ダイオキシンや環境破壊の張本人のごとくまくし立てられました。ごみを焼却して、縮減する減量化プラントでは業界を先駆けていたにも拘わらず、マスコミ、環境団体や住民団体など長期間の反対運動に巻き込まれ、身に覚えのない誹謗や中傷の連続には、親族まで肩身の狭い思いをさせてしまいました。
 

<これからの処理業に願うこと>

 
 価格競争が横行し「安かろう・悪かろう」が有利な業界では、静脈産業である産業廃棄物処理業の未来はありません。業界全体がリサイクル技術の研究開発に取組み、国が唱える資源循環型社会の実現に向け、ゼロエミッションの推進力としての真価を発揮していくべきです。見せかけのリサイクルやエコではなく、他の業界を牽引し、持続可能な資源...

 

【新環境経営 連載 主要目次】

 

 CSR
 新環境経営への取組みについての話題を提供するに当たり、経済成長に邁進してきた中で発生した公害の歴史、CSRの取組の変遷、環境マネジメントシステム、有害物質管理の現状、エネルギーマネジメント、エコを経営に活かす、その後、省エネ、創エネ、畜エネについて紹介してきました。今回は、解体建設現場で発生する混合廃棄物をすべて再資源化する総合リサイクル業を目指す、石坂産業について紹介します。
 

1. 石坂産業の理念

 
 人々の豊かな生活と引き換えに廃棄物が出る。その処理は誰かが必ずやらなければならない仕事です。私たちはこれを使命ととらえ、産業廃棄物の処理という仕事に誇りを持ち、研究し、周囲の自然環境や近隣に住んでいる方たちを最大限に尊重しながら、目配り、気配り、心配りのおもてなしを心がけ、よりよい社会をつくるため力を尽くしていきます。
 
 前例のないことでもどんどん取り入れ、まず自分たちが変わり、この仕事に携わる社員をはじめとして、利用してくださる方、顧客、近隣に住む方々、偶然に私たちのことを知ってくださった方々の意識に働きかけ、日本をよりよい循環型社会に変えていきます。
 

<ごみにしない技術>

 
 石坂産業は1999年の埼玉県所沢のダイオキシン問題をきっかけに、燃やさない産業廃棄物処理のあり方を研究開発し、2013年、世界最先端の減量化技術で、減量化、リサイクル化率平均95%を達成。さらに新たな産業廃棄物の資源化へ挑戦し続けています。
 
 ごみにしない技術には、大量生産、大量消費、大量廃棄が当たり前だと思う意識や価値観、ライフスタイルを変え、社会を循環型にするという魅力があります。
 

2. 創業の思い(石坂産業 創業者 石坂好男 2014.12.15)

 
 日本の大量生産・大量消費の高度成長期に、現場から発生するすべての廃材をそのまま夢の島への埋め立処分を依頼されました。資源がないこの国で平然と使えるものを捨てる行為に納得がいきませんでした。
 
 そこで1967年に一念発起し、土木解体、廃棄物処理業の法人を設立、古材の選別再利用や有価物の再利用の事業に着手。その間に選別技術の研究開発に取組み、解体建設現場で発生する混合廃棄物をすべて再資源化する総合リサイクル業を目指しました。先進的な減量化・リサイクル技術を開発し、最先端の総合リサイクルプラント施設を建設しました。
 

<これまでの経営で一番苦労したこと>

 
 1999年、テレビ報道のダイオキシン騒動に巻き込まれ、ダイオキシンや環境破壊の張本人のごとくまくし立てられました。ごみを焼却して、縮減する減量化プラントでは業界を先駆けていたにも拘わらず、マスコミ、環境団体や住民団体など長期間の反対運動に巻き込まれ、身に覚えのない誹謗や中傷の連続には、親族まで肩身の狭い思いをさせてしまいました。
 

<これからの処理業に願うこと>

 
 価格競争が横行し「安かろう・悪かろう」が有利な業界では、静脈産業である産業廃棄物処理業の未来はありません。業界全体がリサイクル技術の研究開発に取組み、国が唱える資源循環型社会の実現に向け、ゼロエミッションの推進力としての真価を発揮していくべきです。見せかけのリサイクルやエコではなく、他の業界を牽引し、持続可能な資源を循環する仕組みに向けた環境保全の変革を期待しています。
 

3. 石坂産業の現在

 
 創業者の仕事場で育てられた、先代社長の娘の石坂典子さんは、表情から強い意思を感じる、きりっとしたハンサムウーマンです。テレビでも度々取り上げられており、総合リサイクルプラント施設を一般に公開して、見学者が後を絶たない状況だと言うことです。リサイクル現場は汚いもの、鉄の板で覆って、外側から見えない様にする、従来の常識を覆す取り組みです。
 
 次回は、都市鉱山と呼ばれる、DOWAのリサイクル事業について、紹介します。
 
  

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この記事の著者

石原 和憲

人と地域をつなぐ、交流型イノベーター

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