前回のその1に続いて解説します。
2. 徳性、特性、才能
徳性に似た概念に特性と才能があります。この3つは、個人差があること、ある程度の安定性があること、測定可能であることなどの共通の特徴を持っているため普段はあまり区別されませんが、徳性の特徴をより明確にするためにこれらの違いについて解説しておきたいと思います。
「特性」は、パーソナリティともよばれている概念です。人が持っている性質のことで、よくある性格診断やパーソナリティ診断で知ることができるのはこの特性だといえます。特性には道徳的な良し悪しがないことが特徴的です。
特性で有名なものが「ビッグ・ファイブ パーソナリティ」(性格特性論)です。人間のパーソナリティ(性格)は「経験への開放性」「勤勉性」「外向性」「協調性」「情緒不安定性」の5つの組み合わせで決まるというものです。これらの5因子には道徳性や価値のあるなしは関係ありません。
「才能」は、価値があり、より多く持っているのが良いことだというのは徳性と同じですが、言動に出ていない潜在的な状態であってもよいところが徳性とは違うところです。また、才能も特性と同様に道徳的な良し悪しには関係しません。
「徳性」は「特性」や「才能」とは違い、道徳的によいこと、言動にあらわれていること、それ自体が手段ではなく目的であることなどの特徴があります。徳性を知ることが、自分の人としての強みを知ることになるのは明らかですね。
3. 自分の徳性を知る
この6つの美徳と24の徳性はVIAとよばれ、心理学の重要な研究分野のひとつとなっており、ペンシルベニア大学がVIAアセスメントとよばれるテストを公開しています。先ほど、自分の強みとしての徳性を5つ選んでみてくださいといいましたが、このアセスメントをやってみると客観的に自分の徳性を知ることができるので、比較してみると面白いでしょう。
このVIAアセスメントは、世界190カ国、260万人以上の人に使用されているインターネットの診断ツールで、無料で自分の徳性を診断することができます。興味がある方はペンシルベニア大学の Authentic Happiness のウェブページにアクセスしてみてください。簡単な質問に答えるだけで良いのですが、アカウント作成が必要だったり、質問が240問もあるのでちょっと面倒ですが、自分の強みとしての徳性を知る良い機会になると思います。
以上、成果を出すための徳性という考え方を紹介しましたが、いかがだったでし...