研究開発部門による3つの重要要素に基づいた「良い事業戦略」の構築と策定
~「適正な市場セグメンテーション」「市場ニーズの四象限での把握」「Key Success Factorsの明確化」の3つの重要概念をベースとした事業戦略の全体像~
研究開発部門が事業化を強く意識して研究開発をすすめ、 加えて早期から自らが主体的に事業戦略の構築に深く関わり、またその実行に積極的に関与する 「事業戦略とは何を決めることなのか」「その策定のプロセスはどのようなものなのか」を明確にし、収益の創出を確実にするには研究・技術開発部門ならではの「良い事業戦略」を描き、実行しよう
日時
【Live配信】2024年5月23日(木) 10:30~16:30
【アーカイブの視聴期間】2024年5月24日(金)~5月30日(木)まで
受講可能な形式【Live配信(アーカイブ配信付)】のみ
セミナー趣旨
本セミナーにおいては、研究開発部門を主語に置き、事業戦略策定法について議論するものです。特に、事業戦略を策定する上で、キーとなる重要な3つの概念、すなわち適正な市場セグメンテーション、市場ニーズの四象限での把握、KSFの明確化をベースとした事業戦略の構築法について学んでいただきます。また、この3つの重要な概念を丁寧に議論した上で、本概念を包含するかたちで、事業戦略の全体像を説明いたします。以上より「良い事業戦略」を構築する方法を学ぶことができます。
受講対象・レベル
研究開発部門、研究企画、技術企画、新事業開発部門、経営企画、商品企画などの部門の方々で、、
-事業戦略を策定することを求められている方、
-事業戦略構築に関心のある方
など
習得できる知識
「良い事業戦略」を構築する方法
セミナープログラム
-研究開発部門の役割の大きな変化
(三菱ケミカル、富士フイルム、旭化成、日立の例)
-収益を実現するにはValue Creation(価値創出)とValue Capture(事業化・ 商業化)の機能が必要
-Value Creation とValue Captureにおける研究開発部門の役割と問題
-研究開発部門に求められる新しい役割
2.研究者の事業戦略の策定を阻む要因とその対処の方向性
-研究者の事業戦略の策定を阻む3つの要因
・要因1:事業戦略策定は責任範囲外という認識
・要因2:事業戦略策定の知識の不在
・要因3:不確実性の存在
-3つの要因への対処法
3.なぜ事業戦略なのか?
-新規事業の目的:事業 vs. 製品
-ビジネスを継続的に成長させるための2つの前提
・ビジネスを継続的に成長させるには複数の製品が必要
・複数の製品(製品群)を効率良く展開するには「範囲の経済性」の実現が必要
-「事業」とは
・ビジネスを継続的に成長させるには複数の製品が必要
・新規事業の目的は魅力的事業を構想すること
-事業の失敗事例:花王のフロッピーディスク
4.事業戦略とは?
-事業戦略策定項目(大項目/小項目)
5.骨太の事業戦略策定とは?
-良くある悪い事業戦略の例
-「悪い事業戦略」への対処としての3つの「重要要素」に基づく骨太の事業戦略
5.1 重要要素1:適正な市場セグメンテーションとターゲティング
-市場セグメンテーションの目的
-市場セグメンテーションの切り口
・教科書的には・・・、しかし・・・・(シャープと鴻海の例)
・評価には市場セグメントの「戦略的重要度」を 追加する
-自社にとって魅力的な市場セグメントの3つの要件に基づき戦略的に考える
5.2 重要要素2:市場ニーズの四象限で広く把握
-ドリルメーカーは何を売っているか?
-市場ニーズとは?
-中核ニーズと周辺ニーズ
-周辺ニーズ充足は大きな収益と差別化を生み出す
-機能的ニーズと意味的ニーズ
-顧客価値拡大モデル(VACES)
-中核ニーズ/中核価値
・ミルクシェイクの中核価値は何か?
-中核ニーズ・機能的ニーズ・意味的ニーズの関係
-市場ニーズの四象限での把握の重要性
-中核ニーズと自社の対象市場セグメントの関係
-市場ニーズ抽出上の重要な点
・曖昧な表現での市場ニーズではなく、具体的な真のニーズを捉える
5.3 重要要素3: KSF(Key Success Factors)の明確化
-事業戦略の中でのKSFの位置づけ
-KSFの例(自動車部品メーカー)
-KSFとは
-KSFを事業戦略策定の中で活用する3つの項目
-KSFを考えずつまずいた事例:三菱重工のMSJ
-これまでKSFが活用されてこなかった理由
-KSFの定義
-KSFの4つの特徴
-KSF抽出のプロセス(7つのステップ)
-KSFをどう事業戦略構築の中で利用するか
6.事業戦略策定項目
6.1 事業の定義
6.2 事業の魅力度
-市場魅力度
-自社適合度
-リスクと対応策
6.3 事業の実現法
-20XX年までに目指す姿(KSF分析に基づく)
-技術展開策
-他社特許対処施策
-具体的施策・計画
6.4 収益計画
7.事業戦略策定の方法とタイミング
-良くある問題の多い事業戦略策定プロセス
-良い事業戦略策定プロセス:仮説構築→検証/進化
-隣接可能性を活用する
-初期にはQuick(早く) and Dirty(完璧でなくて良い)な案策定を重視する
-事業戦略策定のタイミング
8.最後に
-まとめ
-事業化推進のための仮説→検証/進化のサイクルを迅速に回す
□質疑応答□
セミナー講師
略歴
大手電機メーカー、アーサー・D・リトル(ジャパン)(株)、(株)フュージョンアンドイノベーション等を経て、現在ベクター・コンサルティング(株) 代表取締役社長 経営及び技術マネジメントに関するコンサルティングにおいて20年以上の経験を有す。元日本工業大学大学院技術経営研究科(MOT)教授。北海道大学工学部、米国コーネル大学経営学大学院(MBA)卒
著書・訳書に「プロフィット・ピラミッド超高収益を実現する14のシンプルな法則」(著書) ダイヤモンド社(韓国語及び中国語でも出版)、「エマソン 妥協なき経営」(訳書)ダイヤモンド社、その他共著・共訳、雑誌への寄稿多数近著(翻訳):「ステージゲート法 製造業のイノベーションマネジメント」(原著「Winning at New Products」ロバート・クーパー著) 英治出版 2013年
専門
テクノロジーマネジメント、新規事業戦略、マーケティング
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浪江 一公
なみえ かずきみ / 東京都 / ベクター・コンサルティング株式会社
ベクター・コンサルティングは、Bridging technologies and markets toward creating innovationsを目指し、クライエント企業様に技術と市場との間の橋渡しによりイノベーションの...続きを読む