★不可欠な単位操作であり、製造コストに占める比率も大きい精製工程の効率化のポイントを解説!
~開発実例をもとにコスト削減/効率化のコツと今後の開発動向を探る~
※本セミナーはZOOMを使ったLIVE配信セミナーです。会場での参加はございません。
セミナー趣旨
抗体医薬品を始めとするバイオ医薬品(生物学的製剤)は、化学合成医薬品と多くの点で異なる。なかでも、生物を利用して生産されることと、不安定な巨大高分子で複雑な構造であることの2点は本質的な違いである。バイオ医薬品の製造と品質管理に関しては、化学合成医薬品とは全く異なる専門的な知識と先進的な技術が不可欠であり、別次元の環境と体制の整備を製造業者に強いている現況がある。これらは、まさに上記の二つの本質的相違に因るものである。バイオ医薬品の製造と品質管理を正しく理解することは、その業務を担当する者はもちろん、直接携わらない者にとっても大変重要である。
本セミナーでは、まず、バイオ医薬品の精製技術、特に抗体医薬品のプロテインAアフィニティークロマトグラフィーについて、その基本的事項を概説する。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーをはじめとする各種の精製技術は、バイオ医薬品製造における不可欠な単位操作であり、製造コストに占める比率も大きいことから、その理解はバイオ医薬品製造の生産性向上あるいは経営的改善に有益である。デファクトスタンダートリガンドであるプロテインAの代替リガンドの開発動向について、筆者らの試みも含めて紹介する。
続いて、品質分析に関して解説する。治療用モノクローナル抗体は、その効用と安全性を保証する必要があることから、厳格な品質管理が行われている。その中心は、多角的な理化学分析試験の実施である。分子構造、物理化学的性質、生物学的性質、不純物などの項目に関して、最新の科学的知見に照らし妥当であり、高い信頼性の結果を与える分析方法を用いて、あらかじめ定めた規格に合致していることを確認することが求められている。本セミナーでは、バイオ医薬品の品質分析に関する現状を概説するとともに、今後の課題と最新の技術開発状況に関して紹介する。
セミナープログラム
1.バイオ医薬品のアップストリーム工程の概要
1-1. バイオ医薬品の定義と特徴
1-2. バイオ医薬品の製造工程の全体像
1-2-1. 製造施設のイメージ
1-3. アップストリーム工程の流れ
1-3-1. 遺伝子導入
1-3-2. 生産株樹立
1-3-3. セルバンク
1-3-4. 拡大培養、本培養
1-3-5. シングルユース
1-4. バイオ医薬品製造の留意点
2.バイオ医薬品のダウンストリーム工程
2-1. 精製プロセスの目的
2-2. バイオ医薬品を構成する成分の基本概念
2-2-1. 不純物のタイプ
2-3. 精製プロセスの単位操作
2-3-1. 細胞分離
2-3-2. 濃縮
2-3-3. 最終精製
2-3-4. 溶媒交換
2-3-5. 濾過滅菌
2-3-6. ウイルス対応
2-4. バイオ医薬品製剤のながれ
2-4-1. 製剤プロセスの目的
2-5. 製剤プロセスの単位操作
2-5-1. 凍結乾燥
2-6. プロセスの最適化
3.抗体医薬品のクロマトグラフィー精製
3-1. 抗体医薬品の特徴
3-1-1. 抗体の生産法
3-1-2. 抗体医薬品Remicade®の精製ステップ
3-2. プロセスクロマトグラフィーの要件
3-3. 精製プラットホーム
3-3-1. 各種クロマトグラフィーの特徴
3-4. 抗体医薬品のクロマトグラフィー関連市場
4.アフィニティリガンドの科学と開発
4-1. アフィニティリガンドとは何か
4-2. プロテインAと抗体のタンパク質科学
4-2-1. 配列、構造、種依存性、バイオインフォマティクス
4-2-2. 相互作用の制御と溶出メカニズム
4-3. プロテインAアフィニティークロマトグラフィーのプロセス開発
4-3-1. 操作サイクル、結合容量、スループット、溶出条件
4-3-2. リガンド漏出、耐久性・寿命
4-4. プロテインAアフィニティ担体
4-4-1. 主なブランド、性能、問題
4-4-2. コストシミュレーション
5.バイオ医薬品の品質分析試験
5-1. 品質分析の目的と原則
5-2. 品質分析のガイドライン
5-3. バイオ医薬品を構成する成分
5-4. 品質分析と医薬品開発
5-5. 申請前の品質分析、認可後の品質分析
5-6. 品質分析試験項目の設定
5-7. 品質分析の留意点
6.原薬不均一性評価技術の開発
6-1. バイオ医薬品は均一ではない
6-1-1. 分子不均一性の品質管理
6-2. 分子不均一性とバイオシミラー
6-3. FDAの見解
6-4. 品質分析のフロンティア
6-4-1. 翻訳後修飾に伴う不均一性の評価
6-4-2. 凝集化に伴う不均一性の評価
6-4-3. 立体構造変化に伴う不均一性の評価
6-5. 不均一性評価技術の開発状況分子不均一性の影響
キーワード:
バイオ,抗体,精製,セミナー,研修,WEB,LIVE
セミナー講師
(国研)産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門 副研究部門長
東京大学大学院新領域創成科学研究科 客員教授 博士(理学) 本田真也 氏
【ご専門】タンパク質科学、生物物理化学、分析化学
セミナー受講料
49,500円(税込、資料付)
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2名同時申込の場合計49,500円(2人目無料:1名あたり24,750円)で受講できます。
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