トレードオフの関係にある要求特性を両立させるコーティングのために!応用・活用に向けた各種樹脂の合成および機能設計の考え方とその詳細について解説!
セミナー趣旨
コーティング膜の特性の70%以上は使用される樹脂によって決定すると言われている。
無機高分子と有機高分子とを比較すると一般論ではあるが、硬さ、耐熱性、衝撃性、密度、耐候性、柔軟性、耐酸化性、合成の容易さなどを比較すると、真逆の位置にある。 塗料を設計する際、この真逆の要素を要求されるケースが少なくない。
例えば、硬質で高可撓性、架橋密度と柔軟性、耐熱性と熱成型性、低温特性と高温物性。即ち、無機特性と有機特性を1つの系中に存在させることができれば、当該相反するパラドックスを少しでも緩和することができるのである。
以上の観点から、無機高分子と有機高分子という相反する特性を有する樹脂をカップリング剤という相溶化剤(相反応化剤)を駆使して、共有結合型のハイブリッド樹脂とすることにより、種々の要求性能に対応するコーティングとすることができるのである。
今回は、総論としてハイブリッドの基礎から、ハイブリッド樹脂合成、ハイブリッド型ハードコートの設計及び各論として種々のハイブリッド樹脂の詳細、最後にその応用展開を通して、無機-有機ハイブリッドの開発・活用における機能設計の考え方を紹介していく。
受講対象・レベル
・コーテイング用樹脂材料の合成・開発に従事する方
・現在ご使用のコーティング用樹脂材料の性能向上・改良等をお考えの方
習得できる知識
・コーティング用無機-有機ハイブリッド樹脂の合成・設計等の基礎知識
・ハイブリッド化技術によるコーティング用樹脂への機能性付与手法
(様々なハイブリッド樹脂の特徴および、要求性能に対応する樹脂設計の考え方)
・ハイブリッド型ハードコートの各種用途・応用展開
など
セミナープログラム
1. 無機-有機ハイブリッドの基礎知識
1-1 コーティング用樹脂の歴史
1-2 無機ポリマーとは
1-3 ハイブリッドの考え方
1-4 ゾルゲル法とハイブリッド樹脂設計
1-4-1 ゾルゲル法
1-4-2 無機-有機ハイブリッド樹脂の合成方法
1-4-3 粒子ハイブリッド
2.ハイブリッド型ハードコートの設計
2-1 ハードコートとは
2-2 ハードコートの変遷
2-3 物質の表面硬度とは
2-4 表面硬度と耐擦傷性
2-5 ハイブリッドとブレンド
2-6 自己治癒型とハードコート
2-7 粒子ハイブリッドハードコート
2-8 疎水性ゾルゲル法と親水性ゾルゲル法
2-9 見える傷と見えない傷
2-10 もっと硬く、さらに硬くNr理論
3.無機-有機ハイブリッド樹脂各論―様々な樹脂および架橋剤など―
3-1 アクリルシリコーン複合架橋型
3-1-1 さまざまな側鎖架橋型アクリル樹脂(酸化硬化、メラミン架橋、ウレタン架橋、その他)
3-1-2 マイケル付加反応型アクリル樹脂
3-1-3 無機-有機複合架橋型アクリル樹脂
3-2 アクリルテンプレート高分子量ポリシロキサン樹脂
3-2-1 ゾルゲルポリマーの高分子量化
3-2-2 新規なハイブリッド型ポリシロキサン樹脂の開発
3-3 ハイブリッドゾルゲルシリケート
3-3-1 常温硬化型ハイブリッドシリケート樹脂
3-3-2 熱硬化型ハイブリッドシリケートハードコート
3-3-3 さまざまな機能性ハードコート
3-4 水性シリカ-シラン-ウレタンハイブリッド樹脂
3-4-1 水性無機-有機ハイブリッドの考え方
3-4-2 水性シリカ-シラン-ウレタン(SSU)ハイブリッドシステム
3-4-3 SSU塗膜のキャラクタリゼーション
3-5 無機-有機ハイブリッド型水性架橋剤(HCL)
3-5-1 HCLの開発コンセプト
3-5-2 シランカップリング剤法HCL
3-5-3 ユニットウレア型HCLの合成
3-5-4 HCL塗膜のキャラクタリゼーション
3-6 無機-有機ハイブリッド型エポキシ硬化剤
3-7 無機-有機ハイブリッド型紫外線吸収剤
3-8 UV硬化型無機-有機ハイブリッドハードコート
3-8-1 ハイブリッドUV硬化システム
3-8-2 無機-有機複合UV架橋システム
4.UV硬化型機能性ハードコートの機能設計とその応用
4-1 ハイブリッドUVハードコートの設計
4-2 ハードコートの高機能化
4-2-1 デュアルキュアー型ハードコート
4-2-2 防汚型ハードコート
4-2-3 UV吸収性ハードコート
4-2-4 熱線遮蔽性ハードコート
4-2-5 低熱膨張型ハードコート
4-3 フィルム成型用ハードコート
4-3-1 3次元フィルム成型加工方法
4-3-2 金型内フィルム加飾成型システム
4-3-3 アフターキュア型無機-有機ハイブリッドハードコートの設計
5.無機-有機ハイブリッド材料の考え方とまとめ
<質疑応答>
※途中、お昼休みと小休憩を挟みます。
セミナー講師
元 アトミクス(株) 佐熊 憲和 氏
セミナー受講料
1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 感染拡大防止対策にご協力下さい。
- セミナー会場での現金支払いを休止しております。
- 新型コロナウイルスの感染防止の一環として当面の間、昼食の提供サービスは中止させて頂きます。
- 配布資料は、当日セミナー会場でのお渡しとなります。
- 希望者は講師との名刺交換が可能です。
- 録音・録画行為は固くお断り致します。
- 講義中の携帯電話の使用はご遠慮下さい。
- 講義中のパソコン使用は、講義の支障や他の方の迷惑となる場合がありますので、極力お控え下さい。
場合により、使用をお断りすることがございますので、予めご了承下さい。(*PC実習講座を除きます。)
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