トライボロジーの基礎や学術的内容から、プラスチック材料におけるトライボロジーに関する基礎的な問題及びプラスチック材料の摩耗をどのように低減するのかについて様々な事例を整理してながら紹介させて頂きます。
セミナー趣旨
プラスチック材料は軽量・安価・成形性などに優れ、多くの工業部品で使用されています。また、低摩擦を示す材料が多いことから摩擦面への適用が進んでいます。しかし、金属材料と比較すると機械的強度や耐熱性に劣るため、これを改良することで使用範囲を広げることが期待されます。本講座は摩擦が関連するシーンでプラスチックを扱っている、もしくはこれから扱う方で、トライボロジーのことはよく分からないという方を対象にしています。
初心者の方にも手短にトライボロジーの概略を理解していただけることを目標にしています。講座の前半ではトライボロジーの基礎や学術をひととおり学び、後半ではプラスチック材料におけるトライボロジーに関する基礎的な問題、また、プラスチック材料の摩耗をどのように低減するのか、様々な事例を整理して紹介します。
受講対象・レベル
・ 仕事で摩擦や摩耗に関わるようになったが、何から手を付けていいか分からない方
・ トライボロジーの基本的な考え方を整理したい方
・ プラスチックを摩擦や摩耗の観点で扱うことになった方
必要な予備知識
高校卒業レベルの物理・化学の知識
習得できる知識
・ トライボロジーの基礎知識
・ トライボロジーの分野から見た高分子材料の基礎知識
・ 高分子材料の摩耗を低減するための様々な手法と特徴
・ 摩擦試験を実施する上で大切な観点
セミナープログラム
1. トライボロジーの基礎
1.1 トライボロジーの色々
・身の回りのトライボロジー問題
・トライボロジーの歴史 ほか
1.2 トライボロジーにおける固体表面
・化学的性質
・表面粗さ
・硬度 ほか
1.3 摩擦抵抗がなぜ生じるのか(凝着説)
・ヘルツの接触理論
・真実接触面積
・凝着説 ほか
1.4 摩耗について
・摩耗の分類
・摩耗理論 ほか
1.5 様々な潤滑状態
・流体潤滑
・境界潤滑
・ストライベック線図 ほか
1.6 摩擦・摩耗の評価と悩ましい問題
・摩擦試験の形態
・摩擦試験で留意すべき観点 ほか
2. 高分子材料のトライボロジー
2.1 様々な固体潤滑
2.2 高分子材料の基礎
・プラスチックの分類
・ガラス転移点・融点 ほか
2.3 トライボマテリアルとしての高分子材料(代表的な樹脂材料と特徴)
2.4 フィラーによる耐摩耗性向上
・フィラーの種類
・フィラーの役割 ほか
2.5 耐摩耗性向上に関する研究
・PTFEを事例とした様々な研究成果
・熱硬化性樹脂の研究事例 ほか
3. トライボロジーにおける各種分析観察手法(簡単な紹介)
■講演中のキーワード
摩擦、摩耗、摩擦試験、固体潤滑、プラスチック、耐摩耗性、複合材
セミナー講師
豊橋技術科学大学 機械工学系 准教授 竹市 嘉紀 氏
■ご略歴
名古屋工業大学生産システム工学専攻にて、表面分析に関わるテーマで博士号取得。
修了後、豊橋技術科学大学に着任し、表面分析を積極的に応用した固体潤滑に関わる研究に取り組んでいる。
■ご専門および得意な分野・ご研究
トライボロジー、表面分析
■本テーマ関連学協会でのご活動
第58-59および68-69期 日本トライボロジー学会理事、同学会校閲委員会委員長etc.
セミナー受講料
【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】:1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円
【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】:1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。
受講について
- 配布資料は、印刷物を郵送で1部送付致します。お申込の際はお受け取り可能な住所をご記入ください。
お申込みは4営業日前までを推奨します。
それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、
テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。 - 資料未達の場合などを除き、資料の再配布はご対応できかねますのでご了承ください。
- 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
- Zoomを使用したオンラインセミナーです
→環境の確認についてこちらからご確認ください - 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
→こちらをご確認ください
受講料
47,300円(税込)/人
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