高分子結晶および結晶化プロセス入門~物性・機能制御に向けた基礎知識と評価法~

●低分子や金属と対比しながら、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説!
●分子構造の規則性、温度条件、配向条件などを取り上げ、最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介させていただきます。

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    セミナー趣旨

      結晶性高分子材料の物性は、結晶が織りなすナノからミクロンスケールの階層的な構造に大きく左右される。こうした結晶構造のコントロールは、より優れた物性の発現や、更なる高機能化を図る為に必須である。従って、様々なスケールで結晶の構造を解析すると共に、そうした構造が形成される機構を正しく理解する必要がある。
      本講演では先ず、低分子や金属と対比しながら、高分子結晶の構造と結晶化プロセスの特徴について解説する。さらに、物性との関わりが深い項目として、分子構造の規則性、温度条件、配向条件などを取り上げ、最終的にどのような構造形成につながるか、実例を交えながら紹介する。
      引き続き、高分子結晶の階層的な構造を解析する手法として、顕微鏡法、および、回折・散乱による解析法について解説する。

    受講対象・レベル

    ・新しく高分子結晶を取り扱うエンジニア
    ・高分子結晶の構造解析に新しく携わるエンジニア
    ・高分子結晶の関係する測定データの解釈にお困りの方
    ・高分子結晶の解析方法にお困りの方

    必要な予備知識

    ・高分子に関する基礎知識
    ・高校レベルの数学の知識

    習得できる知識

    ・高分子結晶に関する考え方
    ・顕微鏡観察に関する基礎知識
    ・回折・散乱の解釈に関する基礎知識

    セミナープログラム

    1.高分子の結晶の基礎
      1-1.「結晶」とは何か
        1-1-1.「結晶」の定義
        1-1-2.結晶はなぜ生成するか
      1-2.高分子結晶の構造的特徴
        1-2-1.低分子結晶との対比
        1-2-2.線状高分子の凝集構造
        1-2-3.  高分子結晶特有の高次構造(ラメラ晶、球晶、繊維構造)
      1-3.高分子結晶の生成
        1-3-1.結晶核の形成
        1-3-2.二次核生成→生長
        1-3-3.結晶化速度
        1-3-4.  結晶化温度と融点
      1-4.物性との関わりと評価法
        1-4-1.結晶化度
        1-4-2.融点
        1-4-3.分子構造の規則性(融点への影響、結晶成長への影響)
        1-4-4.配向
      1-5.高分子結晶化の特性を活用した加工技術の例
          1-5-1.ゲル紡糸
          1-5-2.ナノ配向結晶体(NOC)
    2.構造解析法
      2-1.顕微鏡法と回折・散乱法について
        2-1-1.手法の特徴と使い分け
        2-1-2.波長と観察スケール
        2-1-3.コントラスト
      2-2.透過型電子顕微鏡
        2-2-1.試料調製
        2-2-2.観察モード(明視野像観察、電子回折、暗視野観察)
      2-3.回折・散乱の基礎
        2-3-1.散乱とフーリエ変換
        2-3-2.ブラッグ回折
        2-3-3.逆空間
      2-4.結晶の回折
        2-4-1.逆格子(回折反射の指数、エヴァルト球、限界球)
        2-4-2.多結晶体の回折(粉末図形、繊維図形)
        2-4-3.微結晶サイズの評価(シェラーの式)
        2-4-4.測定とデータ処理の流れ
        2-4-5.電子回折
      2-5.小角散乱による積層ラメラの解析
      2-6.放射光を用いた解析の実例
        2-6-1.高速時分割測定
        2-6-2.マッピング


    ※途中、お昼休みと小休憩を挟みます。


    ■講演中のキーワード
    ラメラ晶、平衡融点、顕微鏡、X線回折、散乱

    セミナー講師

     京都大学 化学研究所 准教授   登阪 雅聡 氏

    ■ご略歴
    平成元年より旭化成工業(株)(当時)にて光学製品の開発に従事。
    平成7年、京都大学化学研究所に助手として着任。
    平成22年より、京都大学化学研究所准教授。高分子結晶の高分解能電子顕微鏡観察技術の確立に貢献する他、
    高分子結晶の局所構造解析、ゴムの伸長結晶化に関する精密解析等を手がけ、現在に至る。
    繊維学会 平成26年度繊維学会賞 受賞
    日本接着学会 平成27年度(第37回)進歩賞 受賞
    日本ゴム協会 第21回CERI最優秀発表論文賞 受賞
    繊維学会 平成30年度繊維学会論文賞 受賞
    日本接着学会 令和6年度(第46回)学会賞
    ■ご専門および得意な分野・ご研究
    高分子結晶の高次構造解析、高分子結晶化
    ■本テーマ関連学協会でのご活動
    繊維学会(Journal of Fiber Science and Technology編集委員)
    日本ゴム協会(編集委員)
    日本接着学会(評議員、関西支部幹事)
    <著書>
    高分子の結晶化、延伸による高性能化 分担執筆
    (登阪雅聡、第10章「架橋ゴムの伸長による結晶化―高強度化への布石―」、pp. 95-103 担当)
    シーエムシー出版 (2024)

    セミナー受講料

    【オンラインセミナー(見逃し視聴なし)】1名47,300円(税込(消費税10%)、資料付)
     *1社2名以上同時申込の場合、1名につき36,300円

    【オンラインセミナー(見逃し視聴あり)】1名52,800円(税込(消費税10%)、資料付)
     *1社2名以上同時申込の場合、1名につき41,800円

    *学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。

    受講について

    • 配布資料は、印刷物を郵送で送付致します。お申込の際はお受け取り可能な住所をご記入ください。
      お申込みは4営業日前までを推奨します。
      それ以降でもお申込みはお受けしておりますが(開催1営業日前の12:00まで)、テキスト到着がセミナー後になる可能性がございます。
    • 受講にあたってこちらをご確認の上、お申し込みください。
    • Zoomを使用したオンラインセミナーです
      →環境の確認についてこちらからご確認ください
    • 申込み時に(見逃し視聴有り)を選択された方は、見逃し視聴が可能です
      →こちらをご確認ください

     

    受講料

    47,300円(税込)/人

    ※セミナーに申し込むにはものづくりドットコム会員登録が必要です

    開催日時


    10:30

    受講料

    47,300円(税込)/人

    ※本文中に提示された主催者の割引は申込後に適用されます

    ※銀行振込、コンビニ払い

    開催場所

    全国

    主催者

    キーワード

    化学反応・プロセス   高分子・樹脂材料   分析・環境化学

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