中小製造業のあるべき姿とは

更新日

投稿日

事業戦略 
 中小製造業のあるべき姿とは、いったいどのようなものでしょうか。多品種少量生産を強いられる中、生産性向上、費用削減、不良品を出さないなど限られた人員で達成していかなくてはならず、企業にとって、難しいかじ取りが求められます。
  

1. あるべき姿を描く

 
 企業のあるべき姿とは、「会社も、従業員も、お客様も、地域も、関連企業も、みんなが幸せになること」、少なくとも、そのような企業になろうという姿勢を示し、努力するとです。では、みんなが幸せになるために、企業は何をすればいいでしょうか。
 
 中小製造業は大企業と異なり、立派な機械設備、資金力、また優秀な人材にも限りがあります。新しい顧客獲得や新しい市場を開拓しようと思っても競争も激しく非常に困難な事は、中小企業の社員であればだれでも承知していると思います。
 
 一夜にして新市場を開拓し、売り上げを伸ばすことは困難ですが、自社のあるべき姿に向かって正しいステップを踏み、着実に近づけて行く日常の努力が必要になってきます。その内容は、それぞれの企業で異なりますが、共通して言えることをいくつか上げてみたいと思います。
 

2. あるべき姿とは

 
 あるべき姿とは、今関わっているその業界の製品で一位の座を占めることです。それは、加工精度であったり、寿命であったり、価格・納期であったりしますがとにかく中小企業の出来ることは、ニッチの分野、大企業が手を付けない市場で一位を獲得することです。
 
 この事は、トップ層は理解はしていても、いざどのようにしたら一位を獲得できるのか。その方法を実行するのはなかなか難しいのもです。
 

3. あるべき姿に近づけるには

 
 そこで、あるべき姿に近づけるための方策をいくつか列挙してみます。
 

(1) 個人商店経営から脱皮!会社を仕組みで動かす

 
  ・形骸化した組織構成の見直し
  ・組織の役割と責任権限明確化
  ・権限移譲
  ・組織間コミュニケーションのしくみ構築
 

(2) 経営理念、方針の周知徹底の仕組みを作り、運用する

 
  ・経営計画書の作成(市場、売り上げ、利益:中長期計画)
  ・人材育成計画
  ・強みを生かした技術力強化計画
 

(3) ビジネスモデルの明確化

 
  ・加工技術を追求する(痛くない注射針)
  ・アイデア・特許で勝負する(絶対に緩まないねじ)
  ・営業力を高める(顧客ニーズの取り込み) 
  ・開発力で勝負する(工場を持たない) 
 

(4) 他社との連携、公的機関や大学との連携

 
  ・自社にない技術を持った企業と技術提携
  ・大学や研究機関と連携し開発テーマの製造技術を確立する
 

(5) 補助金・助成金の活用

 
  ・国や地方自治体の補助・助成事業に応募する
 
 そのほかにもまだまだ方法はあると思います。あるべき姿は、経...
事業戦略 
 中小製造業のあるべき姿とは、いったいどのようなものでしょうか。多品種少量生産を強いられる中、生産性向上、費用削減、不良品を出さないなど限られた人員で達成していかなくてはならず、企業にとって、難しいかじ取りが求められます。
  

1. あるべき姿を描く

 
 企業のあるべき姿とは、「会社も、従業員も、お客様も、地域も、関連企業も、みんなが幸せになること」、少なくとも、そのような企業になろうという姿勢を示し、努力するとです。では、みんなが幸せになるために、企業は何をすればいいでしょうか。
 
 中小製造業は大企業と異なり、立派な機械設備、資金力、また優秀な人材にも限りがあります。新しい顧客獲得や新しい市場を開拓しようと思っても競争も激しく非常に困難な事は、中小企業の社員であればだれでも承知していると思います。
 
 一夜にして新市場を開拓し、売り上げを伸ばすことは困難ですが、自社のあるべき姿に向かって正しいステップを踏み、着実に近づけて行く日常の努力が必要になってきます。その内容は、それぞれの企業で異なりますが、共通して言えることをいくつか上げてみたいと思います。
 

2. あるべき姿とは

 
 あるべき姿とは、今関わっているその業界の製品で一位の座を占めることです。それは、加工精度であったり、寿命であったり、価格・納期であったりしますがとにかく中小企業の出来ることは、ニッチの分野、大企業が手を付けない市場で一位を獲得することです。
 
 この事は、トップ層は理解はしていても、いざどのようにしたら一位を獲得できるのか。その方法を実行するのはなかなか難しいのもです。
 

3. あるべき姿に近づけるには

 
 そこで、あるべき姿に近づけるための方策をいくつか列挙してみます。
 

(1) 個人商店経営から脱皮!会社を仕組みで動かす

 
  ・形骸化した組織構成の見直し
  ・組織の役割と責任権限明確化
  ・権限移譲
  ・組織間コミュニケーションのしくみ構築
 

(2) 経営理念、方針の周知徹底の仕組みを作り、運用する

 
  ・経営計画書の作成(市場、売り上げ、利益:中長期計画)
  ・人材育成計画
  ・強みを生かした技術力強化計画
 

(3) ビジネスモデルの明確化

 
  ・加工技術を追求する(痛くない注射針)
  ・アイデア・特許で勝負する(絶対に緩まないねじ)
  ・営業力を高める(顧客ニーズの取り込み) 
  ・開発力で勝負する(工場を持たない) 
 

(4) 他社との連携、公的機関や大学との連携

 
  ・自社にない技術を持った企業と技術提携
  ・大学や研究機関と連携し開発テーマの製造技術を確立する
 

(5) 補助金・助成金の活用

 
  ・国や地方自治体の補助・助成事業に応募する
 
 そのほかにもまだまだ方法はあると思います。あるべき姿は、経営者が心に思い描く理念に基づいて形作られていくものです。経営者の想いが社員全員に染みわたり、共感し、あるべき姿として形作られるものなのです。
 
 忘れてはいけないのは、現在の経営資源をベースとすることです。人材、設備、技術、顧客、の現状を踏まえ、それをベースとして、どこに注力していくのかを考えるべきです。決して、中に浮いたような一発勝負は行うべきではありません。
 
  

   続きを読むには・・・


この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に...


「事業戦略」の他のキーワード解説記事

もっと見る
普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その10)

    今回は、イノベーションと密接な関係にあるリスクについて、解説します。 ◆関連解説『事業戦略とは』   1. イノ...

    今回は、イノベーションと密接な関係にあるリスクについて、解説します。 ◆関連解説『事業戦略とは』   1. イノ...


100年に一度の変革期にゲームチェンジされないために

 今回は、技術イノベーションを顧客価値で考える例を紹介致します。  自動車業界が挙って、「100年」に一度の変革期だと、未来志向の期待品質の探索に右...

 今回は、技術イノベーションを顧客価値で考える例を紹介致します。  自動車業界が挙って、「100年」に一度の変革期だと、未来志向の期待品質の探索に右...


第七章 事業環境 ものづくり白書を5分で読む。(その7)

  【この連載の前回へのリンク】 全274ページにわたる「ものづくり白書:2022年度版」の各章を5分の内容に要約して解説します。 &...

  【この連載の前回へのリンク】 全274ページにわたる「ものづくり白書:2022年度版」の各章を5分の内容に要約して解説します。 &...


「事業戦略」の活用事例

もっと見る
精密部品、加工企業の経営課題とは

        今回は、国内の精密加工業に焦点を絞って、加工業の置かれた現状、海外とのコスト競争、受注と価格...

        今回は、国内の精密加工業に焦点を絞って、加工業の置かれた現状、海外とのコスト競争、受注と価格...


社風が変わる機会とは

 某企業のトップが社内の悪しき慣習を断ち切り、風通しの良い社風へ生まれ変わろうと奮闘している報道を読みました。巨額な赤字を生み出した原因は経営判断の誤りに...

 某企業のトップが社内の悪しき慣習を断ち切り、風通しの良い社風へ生まれ変わろうと奮闘している報道を読みました。巨額な赤字を生み出した原因は経営判断の誤りに...


M社の事例 ポストコロナSDGsの基盤固め:<地>からのアプローチ(その2)

  1.はじめに 前稿(12/14)で ‟オミクロン株が予断を許さない状況”と書きましたが、遂に第6波が急拡大するに事態にな...

  1.はじめに 前稿(12/14)で ‟オミクロン株が予断を許さない状況”と書きましたが、遂に第6波が急拡大するに事態にな...