今回は、生産財メーカーの価値創造、商品企画について解説します。生産財メーカーに商品企画の課題を伺うと、多くの企業から商品企画は行っていない。顧客からの請負なので、企画は関係がありませんといわれます。
確かに生産財メーカーに多い請負企業においての最優先事項は商品企画ではなく、請負先からいわれた品質を確実に精度、信頼性、コスト低減を行うことに限られるでしょう。しかし、請負中心の生産財メーカーにおいても、商品企画が必要な事例が全くないわけではありません。
私が経験では、生産財メーカーにおいての商品企画が必要な事例は次の通りです。
・発注先のコンペで負ける。競合と差別化が必要になった。ただ単に請け負っているだけでうまくいかなくなる場合。
・要求品質が複雑になり、その優先順位が分からなくなった。
・主要顧客の要求品質を満たすと、他顧客の要望が満たされなくなった。
・製品の顧客満足度が分からなくなった、下がってきた。
・製品の受注が減ってきた。
また、次期の商品開発となると話が変わってきます。
・請負からの脱却を掲げる。
・生産財の強みから消費財に取り組む。
・社会、環境問題対策。CO2対策、超高齢社会対策など。
事例としては、次のような状況です。
・自動車加工金属メーカーが金属のiPhoneのケースを作った。
・産業用プラスチックメーカーが生活用品、日用雑貨を作った。
・社会的な要請に対する問題。
無論、トップの意思決定、決断が必要ですが製品が満ちあふれ、将来が見通せない混沌としている現代、将来の製品開発は全社が行うべきと危機感を感じます。それは、次の理由によります。
・現製品が売れ続ける保証はありません。
・請負が続くとも限りません。
・次世代へ...