【TRIZ・USIT活用法 連載目次】
前回のその1に続いて解説します。
2. 「矛盾」とは
矛盾とは、目の前にある問題を解決しようとすると、そのシステムの別の部分で不都合が生じてしまい、あちらを立てればこちらが立たないという状況におちいることです。
例えば、電気掃除機でゴミを強力に取るために吸引力を強くしたいが、床面や絨毯に吸い付いてしまい掃除機の操作がしにくくなってしまうので、操作しにくいようにならずに吸引力を上げてゴミが取れるようにしたい、というような状況があるとします。
矛盾を捉えるには、良くしたいことつまり何がしたいのか、を明確にすることが必要です。先の掃除機の例では「吸引力を強くしてゴミを吸い取る」です。この特性を強くしようとすると別の面での不都合面「床面や絨毯に吸い付いてしまい、掃除機の操作がしにくくなってしまうこと」が生じてしまい、「吸引力を強くすること」と「操作しやすさ」とが矛盾していることになります。
TRIZの創始者G.Altshullerによって、このような矛盾の解決には改良したい特性、又はその際に悪化する特性は39のパラメーターとして、またその解決には
40の発明原理を用い、そのうちのどれを使ったらよいのかがマトリックス(Altshuller版矛盾マトリックス)として用意されています。発明原理とは解決策を考えるための指標です。
表2. 新矛盾マトリックス(機能)
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表3. 新矛盾マトリックス(設計)
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また、D.Mannらは特許分析を更に進めた結果、改良したい、又は悪化するパラメーターは48に細分化され、48x48のマトリックス(Matrix2003)から発明原理を選択するようにしています。
Altshuller版矛盾マトリックスやMatrix2003を用...