ビジネスモデルのデザイン

更新日

投稿日

  
  知的財産
 
 過日、日本デザイン振興会のセミナー「ビジネスデザインの解剖 -グッドデザインラボの成果発表会」へ行ってきました。
 

1. グッドデザインラボの成果発表

 
 近年グッドデザイン賞でも応募数が増えている注目の分野「ビジネスとサービスのデザイン」。2017年度は、この分野のグッドデザイン賞受賞企業4社の皆さまにご参加いただき、日高一樹さん、廣田尚子さんをファシリテーターに迎え、研究会「グッドデザインラボ」を開催してきました。本ラボでは、各々の受賞プロジェクトをケーススタディとして、ビジネスデザインの視点からその評価ポイントを探っています。
 
 今回はこのラボの成果発表を行うとともに、グッドデザイン賞の考えるグッドビジネスについて、考えていきたいと思います。
 
 始めに弁理士の日高さんから、次のようなビジネスモデルを構成する7つの要素の解説がありました。
 
 1)課題抽出 → 2)基本設計 → 3)詳細設計 → 4)決断・意思決定 → 5)人材・組織→ 6)コミュニケーションデザイン → 7)将来性・展開性
 
 次いで、デザインラボ参加企業(下掲)からの発表がありました。
 

【2017年度グッドデザインラボ参加企業】

 

・プラネット・テーブル株式会社

 
   2017年度グッドデザイン金賞受賞「SEND」
   https://www.g-mark.org/award/describe/45970?token=Ug9YTEdBFq
 

・社会医療法人財団董仙会

 
   2017年度グッドデザイン未来づくり賞受賞「ユニバーサル外来」
   http://www.g-mark.org/award/describe/45965
 

・ボッシュ株式会社

 
   2017年度グッドデザイン賞受賞「温室内環境モニタリングサービス プランテクト」
   http://www.g-mark.org/award/describe/45967
 

・朝日ライフ アセットマネジメント株式会社

 
   2017年度グッドデザイン賞受賞「投資信託 社会貢献ファンド あすのはね」
   https://www.g-mark.org/award/describe/45975?token=Ug9YTEdBFq
 
 個別の事例は各自サイトでご覧いただきたいと思います。
 

2. 将来性・展開性

 

(1) 課題抽出

 
 4テーマは全て課題が明確であり、課題を特定するために時間を掛けている。「ユニバーサル外来」の事例では、建物の耐用年数(40年)を見据えて、将来を想定して課題を抽出している。
 

(2) 基本設計・詳細設計

 
 基本設計に時間を掛けることが必要。だが、詳細設計は十年に変更した方がよい。中小企業ならば社長の判断で変更できるが、大企業だと難しいことが多い。基本設計・詳細設計を深掘りすることが「創出価値」の増大につながる。
 

(3) 決断・意思決定

 
 社内...
  
  知的財産
 
 過日、日本デザイン振興会のセミナー「ビジネスデザインの解剖 -グッドデザインラボの成果発表会」へ行ってきました。
 

1. グッドデザインラボの成果発表

 
 近年グッドデザイン賞でも応募数が増えている注目の分野「ビジネスとサービスのデザイン」。2017年度は、この分野のグッドデザイン賞受賞企業4社の皆さまにご参加いただき、日高一樹さん、廣田尚子さんをファシリテーターに迎え、研究会「グッドデザインラボ」を開催してきました。本ラボでは、各々の受賞プロジェクトをケーススタディとして、ビジネスデザインの視点からその評価ポイントを探っています。
 
 今回はこのラボの成果発表を行うとともに、グッドデザイン賞の考えるグッドビジネスについて、考えていきたいと思います。
 
 始めに弁理士の日高さんから、次のようなビジネスモデルを構成する7つの要素の解説がありました。
 
 1)課題抽出 → 2)基本設計 → 3)詳細設計 → 4)決断・意思決定 → 5)人材・組織→ 6)コミュニケーションデザイン → 7)将来性・展開性
 
 次いで、デザインラボ参加企業(下掲)からの発表がありました。
 

【2017年度グッドデザインラボ参加企業】

 

・プラネット・テーブル株式会社

 
   2017年度グッドデザイン金賞受賞「SEND」
   https://www.g-mark.org/award/describe/45970?token=Ug9YTEdBFq
 

・社会医療法人財団董仙会

 
   2017年度グッドデザイン未来づくり賞受賞「ユニバーサル外来」
   http://www.g-mark.org/award/describe/45965
 

・ボッシュ株式会社

 
   2017年度グッドデザイン賞受賞「温室内環境モニタリングサービス プランテクト」
   http://www.g-mark.org/award/describe/45967
 

・朝日ライフ アセットマネジメント株式会社

 
   2017年度グッドデザイン賞受賞「投資信託 社会貢献ファンド あすのはね」
   https://www.g-mark.org/award/describe/45975?token=Ug9YTEdBFq
 
 個別の事例は各自サイトでご覧いただきたいと思います。
 

2. 将来性・展開性

 

(1) 課題抽出

 
 4テーマは全て課題が明確であり、課題を特定するために時間を掛けている。「ユニバーサル外来」の事例では、建物の耐用年数(40年)を見据えて、将来を想定して課題を抽出している。
 

(2) 基本設計・詳細設計

 
 基本設計に時間を掛けることが必要。だが、詳細設計は十年に変更した方がよい。中小企業ならば社長の判断で変更できるが、大企業だと難しいことが多い。基本設計・詳細設計を深掘りすることが「創出価値」の増大につながる。
 

(3) 決断・意思決定

 
 社内の説得が大変。だがやらなければ進まない。嫌われても仕方がない、という気持ちで進める。
 

(4) 将来性・展開性

 
 規模・利益を追うと「課題」「基本設計」からずれる恐れがある。経営者が変わってもぶれないようにする仕組みを作る必要がある。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

峯 唯夫

「知的財産の町医者」として、あらゆるジャンルの相談に応じ、必要により特定分野の専門家を紹介します。

「知的財産の町医者」として、あらゆるジャンルの相談に応じ、必要により特定分野の専門家を紹介します。


「知的財産マネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
「意匠」の保護とは

  日本の100年に及ぶ意匠保護制度ですが、その創世記は、平面に施される「模様」の保護、布地の模様の保護から始まっています。日本の産業が繊維産業...

  日本の100年に及ぶ意匠保護制度ですが、その創世記は、平面に施される「模様」の保護、布地の模様の保護から始まっています。日本の産業が繊維産業...


技術企業の高収益化: エンジニアの働き方改革とは

◆ 収入を増やしつつ定時で帰る、これがイマドキの発想だ  エンジニアの働き方改革はどうあるべきか。政府を中心に議論されている「働き方改革」が、毎日の...

◆ 収入を増やしつつ定時で帰る、これがイマドキの発想だ  エンジニアの働き方改革はどうあるべきか。政府を中心に議論されている「働き方改革」が、毎日の...


専門家の利用 知財経営の実践(その2)

       1. 知財経営:協同研究による知財活用    知財経営の実践については、その重要...

       1. 知財経営:協同研究による知財活用    知財経営の実践については、その重要...


「知的財産マネジメント」の活用事例

もっと見る
デザインによる知的資産経営:「ブランドづくり」(その2)

 前回のその1に続いて解説します。   (2)商標登録  右記の商標出願は1982年10月、第1792034号として1985年に商標登録され、現...

 前回のその1に続いて解説します。   (2)商標登録  右記の商標出願は1982年10月、第1792034号として1985年に商標登録され、現...


IP(Intellectual Property=知的財産)ランドスケープとは

  1. 膨大な特許情報  我が国の2016年における特許出願数(国際特許出願件数含む)は約32万件、世界の特許出願件数は約312万件※1で、この...

  1. 膨大な特許情報  我が国の2016年における特許出願数(国際特許出願件数含む)は約32万件、世界の特許出願件数は約312万件※1で、この...


特許侵害訴訟のリスク事例(サトウの切り餅) 前編

1.はじめに  特許訴訟は、アップルとサムスンのような超巨大企業の間のみで起こるように思われがちですが、実際にはすべての企業が巻き込まれるおそれがありま...

1.はじめに  特許訴訟は、アップルとサムスンのような超巨大企業の間のみで起こるように思われがちですが、実際にはすべての企業が巻き込まれるおそれがありま...