トレンド技術は課題ありきで取り入れる 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その15)
2018-07-25
今回は自社の商品や生産性の効率化などにトレンド技術を取り入れる前に注意したいことを解説します。
昨今のトレンド技術といえば、第4次産業革命(=インダストリー4.0)が頭に思い浮かぶかと思います。AIやIoT、ロボット…また社会的にも「働き方改革」など、人手を省く社会へと移り変わり、みなさまの会社もこの変化に対応しようとすでに手を打たれているのではないでしょうか。
さて、社会や産業の変化に伴い、自社における次の一手を検討する前に考えていただきたいことがあります。
それは、「 課題から考える 」ことです。
私がなぜこのテーマをお伝えしようと考えたかと言うと、AIのような昨今のトレンド技術をどうしても自社に取り入れたい、取り入れられなければこの先、会社の存続に関わるのでは、と半ば追い詰められたような経営者や組織リーダーにお会いする機会が何度もあったからです。
この先10年でなくなる職業など、個人のみならず会社の存続を問う情報が日々否応なしに入ってくるため、不安になるお気持ちは十分理解できます。
ただ、AIやIoT、ロボットなどトレンド技術に関わった事業をすれば経営は安定するということはないはずです。誤解のないようにお伝えすると超短期であれば別ですが、長期的にはないと思います。
なぜなら「事業は課題を解決するから成り立つ」からです。
今回の記事では、トレンド技術を取り入れる前に取り組んでいただきたいことを3つのステップにまとめました。
この場合のありたい姿は、新商品でも働き方改革など社内の生産性向上であっても構いません。
現状の自社のレベルとありたい姿のギャップを客観的にとらえ、課題として整理します。
ここで初めてトレンド技術が課題解決の手法として現れます。3つ以上の解決策をあげる意味は思考の偏りを減らし、選択した解決策が途中でNGとなった場合の保険を持ってくためです。
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以上から分かるように、前提に課題があり、その課題を解決するための一つの手段としてトレンド技術が出てきます。そして、複数ある課題解決の手法の中から自社・組織の長期的な戦略にとって最適な手法を選択することを進めてください。
選択した手法がトレンド技術であれば、ご自身も...
会社・組織も株主などのステークホルダーも納得がいく事業戦略になるのではないでしょうか?
何はともあれ、第一に課題を見つめてください。
次回は、新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その16) AIを活用する前に決めておくべきこととはを解説します。