アウトプット量を増やす効果とは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その73)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

 2020年は新コロナ騒動で、例年以上に何かと閉塞感を感じます。日常当たり前であった出張会議はほぼゼロへ、会議はオンラインへ移行し、これがニューノーマル(新しい生活様式)として定着しつつあります。今回はニューノーマルに対応する過程で発生しやすい閉塞感・孤独感を打破するためのマネジメントとして「アウトプット量を増やす」をテーマに解説します。

 

 アウトプット量を増やすことで、3つの効果を得ることができます。

  • 個人が閉塞感や孤独感を感じることなく、前向きに研究開発に取り組むことができる
  • 個人の能力開発が手軽にできる
  • 組織・チームのプレゼンテーション力が向上する

 現在のような対面を極力しない研究開発の現場では、担当業務に対する目的意識が感じられない、何が困りごとなのか・どんな課題を抱えているかが分かりにくい、他メンバーの活動が気になる・オンラインにより監視されている気がして集中できない等々、実に数多くの相談をいただきます。

 今まで隣に座っていた仲間が近くにいない環境で、今まで以上のアウトプットを求められることで完全にやる気を失ってしまった方もいらっしゃいました。

 もし、あなたの組織でも同じような状況に陥っている部下がいたら「アウトプット量を増やす」施策を打つことを推奨します。アウトプット量を増やすことで、先に記した3つの効果を得ることができるでしょう。

 自分の持っている知識やスキル・アイディアを他人に伝える・教えることがアウトプットですが、他人が理解できるように伝えるために、対象についての整理(言語化や図表化)が必要となります。

 その過程で、理解が不十分であった内容に気づき、伝えるために学習するはずです。この学習が個人の能力開発につながり、言語化と図表化によりプレゼンテーション力が向上するのです。さらに他人に伝える・教えるという活動は、アウトプットの場そのものが意欲につながり、閉塞感や孤独感を打破する効果が見込めます。

 

 例えば、あなたがギターを習っているとすれば、何のために習い始めたのかを思い出してみましょう。お気に入りの曲を弾くためでしょうか?曲を弾くことができたら、その先は?どこかで発表したくなりませんか?何も大きなコンサートホールに限らず、知人と一緒にお店でセッションしたいと願うことであっても、成果を披露したい(アウトプットしたい)となることでしょう。

 すべての方がアウトプットを望んではいないかもしれません、しかしアウトプットの場をなんとか実行することで、達成感を得ることはできます。達成感を一度でも経験すると再びその体験を望むようになり、やがて日々の研究開発業務への積極的姿勢につながります。

 具体的なアウトプットとして、以...

技術マネジメント

 

 2020年は新コロナ騒動で、例年以上に何かと閉塞感を感じます。日常当たり前であった出張会議はほぼゼロへ、会議はオンラインへ移行し、これがニューノーマル(新しい生活様式)として定着しつつあります。今回はニューノーマルに対応する過程で発生しやすい閉塞感・孤独感を打破するためのマネジメントとして「アウトプット量を増やす」をテーマに解説します。

 

 アウトプット量を増やすことで、3つの効果を得ることができます。

  • 個人が閉塞感や孤独感を感じることなく、前向きに研究開発に取り組むことができる
  • 個人の能力開発が手軽にできる
  • 組織・チームのプレゼンテーション力が向上する

 現在のような対面を極力しない研究開発の現場では、担当業務に対する目的意識が感じられない、何が困りごとなのか・どんな課題を抱えているかが分かりにくい、他メンバーの活動が気になる・オンラインにより監視されている気がして集中できない等々、実に数多くの相談をいただきます。

 今まで隣に座っていた仲間が近くにいない環境で、今まで以上のアウトプットを求められることで完全にやる気を失ってしまった方もいらっしゃいました。

 もし、あなたの組織でも同じような状況に陥っている部下がいたら「アウトプット量を増やす」施策を打つことを推奨します。アウトプット量を増やすことで、先に記した3つの効果を得ることができるでしょう。

 自分の持っている知識やスキル・アイディアを他人に伝える・教えることがアウトプットですが、他人が理解できるように伝えるために、対象についての整理(言語化や図表化)が必要となります。

 その過程で、理解が不十分であった内容に気づき、伝えるために学習するはずです。この学習が個人の能力開発につながり、言語化と図表化によりプレゼンテーション力が向上するのです。さらに他人に伝える・教えるという活動は、アウトプットの場そのものが意欲につながり、閉塞感や孤独感を打破する効果が見込めます。

 

 例えば、あなたがギターを習っているとすれば、何のために習い始めたのかを思い出してみましょう。お気に入りの曲を弾くためでしょうか?曲を弾くことができたら、その先は?どこかで発表したくなりませんか?何も大きなコンサートホールに限らず、知人と一緒にお店でセッションしたいと願うことであっても、成果を披露したい(アウトプットしたい)となることでしょう。

 すべての方がアウトプットを望んではいないかもしれません、しかしアウトプットの場をなんとか実行することで、達成感を得ることはできます。達成感を一度でも経験すると再びその体験を望むようになり、やがて日々の研究開発業務への積極的姿勢につながります。

 具体的なアウトプットとして、以下に示す内容について取り組むとよいでしょう。

  • トレンド技術調査
  • 研究開発成果(中間・月一)
  • ニュースの感想
  • 新しい規格や標準、法規制の調査結果
  • 最近購入した商品の良いところ・悪いところ

 今回は、ニューノーマルに対応する過程で発生しやすい閉塞感・孤独感を打破するためのマネジメント方法「アウトプット量を増やす」について記しました。マネジメント層は、苦労が絶えない環境を模索しながら組織マネジメントを進めているとお察しします。このような環境だからこそ、アウトプット量を増やす施策を組み込み、組織力を向上させましょう!

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
テーマ選択時の実践項目 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その90)

  ◆ 重要な決定を選択時に注意したい認知バイアスとは  今回は「戦略や開発テーマなど重要な決定では、認知バイアスに注意し、多角的な分析...

  ◆ 重要な決定を選択時に注意したい認知バイアスとは  今回は「戦略や開発テーマなど重要な決定では、認知バイアスに注意し、多角的な分析...


リーダー層の技術者倫理教育とは、組織の未来を築く誠実な判断力

【目次】  ▼さらに深く学ぶなら!「技術者倫理」に関するオンデマンドセミナーはこちら! 1. はじめに 前回の「新入社...

【目次】  ▼さらに深く学ぶなら!「技術者倫理」に関するオンデマンドセミナーはこちら! 1. はじめに 前回の「新入社...


影響を当える関係とは 普通の組織をイノベーティブにする処方箋(その93)

   現在、KETICモデルの中の「知識・経験を関係性で整理する」を解説しています。今回は、下記の「関係性の種類」の中の「(3)包含」につ...

   現在、KETICモデルの中の「知識・経験を関係性で整理する」を解説しています。今回は、下記の「関係性の種類」の中の「(3)包含」につ...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
開発工数メトリクス2 プロジェクト管理の仕組み (その22)

 今回は、進捗管理に直接関係する分析例を見てみましょう。   図56. アクティビティ重心推移    図56は「アクティビ...

 今回は、進捗管理に直接関係する分析例を見てみましょう。   図56. アクティビティ重心推移    図56は「アクティビ...


ソフトウェア開発スケジュールと結合テスト プロジェクト管理の仕組み (その7)

 前回のその6:進捗管理可能なソフト開発計画に続いて解説します。    ソフトウェア開発スケジュールでは次のような問題を抱えています。 &...

 前回のその6:進捗管理可能なソフト開発計画に続いて解説します。    ソフトウェア開発スケジュールでは次のような問題を抱えています。 &...


成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その2)

◆ 解決策    成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その1:現状の課題)では、スマートフォンで起きていることを例にして、従来の組み込みソ...

◆ 解決策    成功体験が重荷となる製品開発プロセス(その1:現状の課題)では、スマートフォンで起きていることを例にして、従来の組み込みソ...