2020年夏、新型コロナウイルス (COVID-19)による経済への影響が懸念され、日々のニュースとして「〇〇社 売上対前年比〇〇%ダウン」と取り上げられることが多くなりました。
2019年から2020年の始めまでを思い出していただくと、東京オリンピックに向け企業におけるデジタル化推進事業がにぎわっていました。結果からすると今回のCOVID-19により、東京オリンピックを凌駕する勢いでオンラインによる働き方改革が求められています。
COVID-19以前では、取り組んでおいた方が良いとは理解しながらも後回しにしていた項目が、今では必須項目として優先度上位へと変わったのです。
このように好む好まざる関係なく、環境の変化に伴い、自社商品の売れ行きや市場ニーズが急激に変化する様を実感することになりました。日々、環境が変化している今、自社商品の売上が悪化している・悪化しそうな気配があれば、新商品アイディアを考える上で覚えておきたい切り口を紹介します。
- 今できること(技術・商品など)で考える
- 既存事業を否定するアイディアを考える
1、今できること(技術・商品など)で考える
1つ目の「今できること(技術・商品)で考える」とは、最短で実現できる商品アイディアを生み出すことです。
長期的な研究開発テーマとは別に、市場が求めている商品サービスを今、持っている技術や実用化技術などを使って開発します。
例えば、震災の年に被災地で使用できるよう充電型プリンター(AC電源コード不要)を開発したことがあります。この時は、商品としてすでに販売しているプリンターに大容量バッテリーを組み合わせることで垂直立ち上げを実現し、現地の捜索活動で活躍し、大変喜ばれたことを記憶しています。
この例からいえることは、社会の変化期において新規性が高い技術よりも、今目の前で困っている人を助けるために何をしたら良いのかというアイデアの切り口です。
2、既存事業を否定するアイデアを考える
2つ目の「既存事業を否定するアイデアを考える」は、そのままストレートに表現すると社内で嫌われるので注意してください。これは、結果的に既存事業を否定するかもしれないが、顧客が望んで商品を考えようということです。
先日、ある航空会社がバーチャルツアー商品を販売したというニュースがありました。旅行がしにくい今、お客様が旅行した気分を満喫できるよう、航空券を売らず観光地や飛行中の映像、観光地のグルメをセットで販売したのです。普通に考えれば、航空会社は飛行機を運行する(航空券を売る)ことが当たり前であり、バーチャルツアーで満足させる世界となってしまうことは、既存事業を潰すアイデアです。
しかし自社都合ではなく「お客様が今、何を不満に感じているのだろう?」ということを追求した結果が、旅する気分を味わう体験を提供するアイデアだったのでしょう。こうした体験を通して、新型コロナが収束した後にはこ...