【目次】
第7章 系統図法の使い方←今回
第8章 アロー・ダイヤグラム法の使い方
第7章 系統図法の使い方
7.1 具体的な実施事項を抽出する「系統図法」
前章で、「挑戦管理」の起点である“挑戦計画”立案に先立つ検討を、対象範囲の欠落なしに終えるための「マトリックス図法の使い方」の説明をしました。
本章では、それを受けて、挑戦計画に盛り込む“要実施事項”の欠落防止にふさわしい「系統図法」の使い方の説明に入ります。
ただ、前章の説明で分かる通り、場合によっては「マトリックス図法」の方がふさわしいこともあり得るので、臨機応変な活用姿勢が必要です。
しかし、一般的には、物事を絞り込んだ後、具体的な実施事項を抽出するのには、「系統図法」の方が、より緻密に、漏れなく網羅することができる上、要実施事項の欠落防止機能を念頭に置いた使用により、取り組もうとする対象を、改めて的確に把握できるので、立案する「挑戦計画」のレベルアップも期待できるといった点などは、余法をもって代え難いところです。
7.2 系統図法とは
バリューエンジニアリング(VE:価値工学)の“機能分析”に用いる“機能系統図”の考え方、作り方を問題解決に応用した手法で、「系統図法」としての定義は、N7提唱の書「管理者・スタッフの新QC七つ道具」(P.24)から、下記に紹介します。
「系統図法とは、目的・目標を達成するために必要な手段・方策を、系統的に展開した“系統図”を作成することによって、問題(事象)の全貌に一覧性を与えて、問題の重点を明確にしたり、目的・目標を達成するための最適手段・方策を追求して行く手法です。
系統図法で用いる系統図は、大きく分けて、対象を構成している要素を目的-手段の関係に展開する“構成要素展開型”と、問題を解決したり、目的・目標を果すための手段・方策に展開していく“方策展開型”の2種類があります」
以上が、N7としての定義ですが、この連載で注目する「欠落防止機能」には触れられていません。
しかし、「やさしい 新QC七つ道具」新QC七つ道具研究会編(日科技連出版)のP.18で、系統図法の利点のトップに「事象を系統的に論理展開しやすく、ヌケ、モレが少なくなる」とあるように、系統図法を実際に使ってみると、この「抽出事項の欠落防止機能」がポイントになることが多く、系統図法を使うときには、貴重な効用の一つとして念頭に置いて取り組むべきです。
ただ、この「抽出事項の欠落防止」を主眼とする場合は、「系統図法」として...