【制御システム 連載目次】
- 1. セキュリティ脅威と歴史
- 2. サイバー攻撃事例、情報システムとの違い
- 3. リスク分析とセキュリティ脅威
- 4. セーフティシステムのセキュリティ対策
- 5. 組織内のセキュリティ問題対策
- 6. 国際規格・業界規格
- 7. セキュリティ認証
- 8. AIとセキュリティ
- 9. 脆弱性
- 10.脅威インテリジェンス
- 11.自動車の制御系セキュリティ
この連載の最初の方で、制御システムは工場やプラントなどのコントロールに使用されており、情報系と違ってHSE+AICの優先度で設計、運用されるということを解説しました。
そうした停止すると困る、安全性が確保されないと大変なことになるようなシステムは、安全系システムあるいは、セーフティシステムと称され、機能安全のコラムにも 書いたような特別な造りをして、外部の認証機関からお墨付きを得る必要があります。
さて、そうした制御コントローラやシステムは安全を担保するために相当な工数・コストをかけなくてはなりません。そうしたシステムにセキュリティの対策を施すとなると、それは事業面では大きなインパクトになります。セキュリティの対策が既存の安全機能に影響を与えることがないようにしなくてはなりません。
またセキュリィティ上どうしても必要な処置であるにもかかわらず、セーフティを優先するがために、セキュリティ対策をバイパスするようでは本末転倒です。そこで、IPAではそうしたセーフティシステムのセキュリティ対策をどのように進めたらいいのかを検討するための制御システムセーフティ・セキュリティ要件検討ガイドがリリースされています。
私もこのガイドの編纂に携わりましたが、手順的には...