【制御システム 連載目次】
- 1. セキュリティ脅威と歴史
- 2. サイバー攻撃事例、情報システムとの違い
- 3. リスク分析とセキュリティ脅威
- 4. セーフティシステムのセキュリティ対策
- 5. 組織内のセキュリティ問題対策
- 6. 国際規格・業界規格
- 7. セキュリティ認証
- 8. AIとセキュリティ
- 9. 脆弱性
- 10.脅威インテリジェンス
- 11.自動車の制御系セキュリティ
CSIRT(Computer Security Incident Response Team)というのは組織内のセキュリティ問題を専門的に扱う、インシデント対応チームです。自社製品のセキュリティを専門的に扱う組織として、PSIRTというものもあります。今回は、CSIRTについて解説します。
最近、サーバの個人情報が漏洩して大騒ぎになることがあります。これまでは、そうした事件(インシデント)が発生すると、社内は蜂の巣をつついたような騒ぎになって、急遽対策チームが編成され情報把握したり、原因究明をしたりとなるのですがが、どうしても後手に回るということになりがちでした。 CSIRTはそういうインシデントが発生することを見越して、その場合の対応を行う体制をあらかじめ社内に構築するというものです。
それでも、いつ発生するかわからないセキュリィティ攻撃のために、それだけ行う専任者を常時配置しておけるかというと、大企業でもできるところは限られますから、多くの場合は兼任で対処することになるでしょう。PSIRTでは製品に関係するセキュリティですから、そんなことをできる人は製品を設計した人、部門が中心にならないとできないでしょう
次に考えなくてはならないのは、インシデントが発生したら、だれが何をどうするのかということ。セキュリティインシデントはたいていの場合、何かおかしいというのはわかるが、本当におかしいのか、何をみたら判断できるのかが簡単にはわかりません。そこでできるなら、予行練習のようなことをやって訓練しておくということになります。いわば、防災訓練ですね。
しかし、これも真に迫ったシナリオでないと形だけやることになりがちですから、工夫する必要があります。...