3D-CAD設計手法(S流)概論(その1)

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1.はじめに:ものづくりにおける3D-CAD利用について

 ものづくりに3D-CADが普及して数十年経ちましたが、今では必要不可欠なツールとなっています。また設計において作成したCADデータは製造、マーケットなど幅広く、後工程のプロセスにも利用され、作業の効率化にもなくてはならないものとなりました。

 そのためCADデータの作り方、設計の仕方は自分達の作業に留まらず、プロジェクト全体に影響を及ぼすため非常に大事なもとのとなっています。

 ここでは、3D-CADを用いた設計手法の一つを整理、提案していきたいと思います。

2.3D-CAD設計手法(S流)~計算、仕様、調整

 3D-CAD設計手法(S流=鈴木流)とは、下記で定義しようと思います。

 部品を設計する、機器を設計する場合にCADを使えれば設計できると考えてしまうと、いざ設計しようと思った時、初めのうちは「何から手をつければいいのだろう」と悩んでしまうことが多々あります。

 そこでここでは「3D-CAD設計手法」として設計に対して、CADモデリングとその他の大事な作業、検討を踏まえた設計手法であることを説明します。

 その他大事な作業は計算、仕様、調整と定義しています。

2.1:計算

 計算とは、例えば材料力学を用いた強度計算、公差バラツキを踏まえた公差計算、CAEを使った妥当性シミュレーションをまとめています。これらの内容を元に設計しCADで表現することとします。

2.2:仕様

 仕様とは、その部品や機器における規格やスペックとします。規格をどう実現し、スペックを満足するためどのような形状にするかといった内容をCADで表現することです。

2.3:調整

 調整とは、作成した3D-CADを用いて製造メーカーに部品を作製してもらう調整、他の部署にデータを受け渡し、その製品に関わるOUTPUT(例えば取り扱い説明書など)を作成してもらうことを調整とします。

 設計というプロセスにおいてデータを作成し、それで終わりではなく「ものを作り上げる」、「作り上げるプロセスを構築する」といったその全てを3Dデータとそれに付随するOUTPUTで表現していく必要があります。その1手法としてこの“3D-CAD設計手法“が参考になればと思います。

設計図1

  • 3Dデータを作るだけに及ばずCADを使った設計方法:計算、仕様
  • 後工程を意識した3D-CADデータの作成方法:モデリング
  • データの運用方法:調整

図1.3D-CAD設計手法(S流)イメージ

3.今後の3D-CAD設計の解説内容

 今後の設計手法の説明を表1.設計手法概覧に示します。

 表1に示す内容別もしくは合併解説として、今後設計手法について述べていこうと考えています。

 モデリングにおけるCADデータの考え方や製造性や工程別に必要となってくる内容を踏まえてCADデータの作り方、修正の仕方を学ぶことで後工程での時間効率化やスムーズなデータの受け渡しを可能にしていけます。

 CADデータの作成方法は無限であり、言い換えればどのように作っても最終的な形状が出来ていればものづくりは可能であると思います。ただし、そのデータを流用しようと考えた違う担当者がそのデータを見た時に、間違った解釈で設計した場合、その部品は本当に問題がないデータになっているでしょうか?何か危険を思い浮かべてしまう人もいるかもしれません。そのようなことを軽減していけるような解説を進め、各社の共通認識を...

1.はじめに:ものづくりにおける3D-CAD利用について

 ものづくりに3D-CADが普及して数十年経ちましたが、今では必要不可欠なツールとなっています。また設計において作成したCADデータは製造、マーケットなど幅広く、後工程のプロセスにも利用され、作業の効率化にもなくてはならないものとなりました。

 そのためCADデータの作り方、設計の仕方は自分達の作業に留まらず、プロジェクト全体に影響を及ぼすため非常に大事なもとのとなっています。

 ここでは、3D-CADを用いた設計手法の一つを整理、提案していきたいと思います。

2.3D-CAD設計手法(S流)~計算、仕様、調整

 3D-CAD設計手法(S流=鈴木流)とは、下記で定義しようと思います。

 部品を設計する、機器を設計する場合にCADを使えれば設計できると考えてしまうと、いざ設計しようと思った時、初めのうちは「何から手をつければいいのだろう」と悩んでしまうことが多々あります。

 そこでここでは「3D-CAD設計手法」として設計に対して、CADモデリングとその他の大事な作業、検討を踏まえた設計手法であることを説明します。

 その他大事な作業は計算、仕様、調整と定義しています。

2.1:計算

 計算とは、例えば材料力学を用いた強度計算、公差バラツキを踏まえた公差計算、CAEを使った妥当性シミュレーションをまとめています。これらの内容を元に設計しCADで表現することとします。

2.2:仕様

 仕様とは、その部品や機器における規格やスペックとします。規格をどう実現し、スペックを満足するためどのような形状にするかといった内容をCADで表現することです。

2.3:調整

 調整とは、作成した3D-CADを用いて製造メーカーに部品を作製してもらう調整、他の部署にデータを受け渡し、その製品に関わるOUTPUT(例えば取り扱い説明書など)を作成してもらうことを調整とします。

 設計というプロセスにおいてデータを作成し、それで終わりではなく「ものを作り上げる」、「作り上げるプロセスを構築する」といったその全てを3Dデータとそれに付随するOUTPUTで表現していく必要があります。その1手法としてこの“3D-CAD設計手法“が参考になればと思います。

設計図1

  • 3Dデータを作るだけに及ばずCADを使った設計方法:計算、仕様
  • 後工程を意識した3D-CADデータの作成方法:モデリング
  • データの運用方法:調整

図1.3D-CAD設計手法(S流)イメージ

3.今後の3D-CAD設計の解説内容

 今後の設計手法の説明を表1.設計手法概覧に示します。

 表1に示す内容別もしくは合併解説として、今後設計手法について述べていこうと考えています。

 モデリングにおけるCADデータの考え方や製造性や工程別に必要となってくる内容を踏まえてCADデータの作り方、修正の仕方を学ぶことで後工程での時間効率化やスムーズなデータの受け渡しを可能にしていけます。

 CADデータの作成方法は無限であり、言い換えればどのように作っても最終的な形状が出来ていればものづくりは可能であると思います。ただし、そのデータを流用しようと考えた違う担当者がそのデータを見た時に、間違った解釈で設計した場合、その部品は本当に問題がないデータになっているでしょうか?何か危険を思い浮かべてしまう人もいるかもしれません。そのようなことを軽減していけるような解説を進め、各社の共通認識を高められるようなものにできればと考えています。

表1.設計手法概覧

 

4.大事なこと:3D-CAD有効活用について

 ここでは設計とモデリング=3D-CADの操作は切り分けて解説していきます。

 ここで目指すのは、上手な3D-CADデータを作ることで設計意図がしっかりとし、かつ相手に設計が伝わるOUTPUT(データ、図面)とすることです。勿論(もちろん)モデリングすることから設計意図を表現するので3Dデータをどう活用していくかが大事な論点になります。

 設計意図がしっかりとしたデータはその会社のノウハウであり遺産となります。そのデータをまた他の設計者が流用していき、会社としての文化を育むことに繋がっていきます。ぜひ、会社の文化を育てる一助としてこの手法を参考にしていってもらえればと思います。

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この記事の著者

鈴木 崇司

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~

IoT機構設計コンサルタント ~一気通貫:企画から設計・開発、そして品質管理、製造まで一貫した開発を~


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