燃料電池自動車開発競争 水素エネルギー社会(その3)

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◆水素エネルギー社会 連載目次

 

1、AZAPAの超小型燃料電池自動車

 元トヨタ自動車の設計者が立ち上げたスタートアップ、AZAPA(アザパ、名古屋市)で小型の燃料電池自動車:FCVを開発しています。「高速道路は走れない」という割り切りながら、二人乗り、100km走行が可能で100万円以下というのは魅力的なターゲットです。近距離移動や観光地での利用を考えているようです。

 設計データの販売というビジネスモデルが日本では新鮮です。自社ブランドでも委託生産をするようですが。

 半導体と同様に、クルマも企画設計会社と委託製造会社に分離していくものと思われます。電動化で参入壁は確実に低くなりました。

 

 さて、AZAPAのウェブサイトを見ると、しっかりとした会社です。ポリシーがしっかりしています。CSRの視点での社会貢献も明確にコミットされています。こども育成支援や平和的活動として記載されてます。

 下図に愛知県内の水素ステーションMAPを掲載します。AZAPAの航続距離100km以下を考えると、今の数では全然足りません。

 

 AZAPA

 図. 愛知県内の水素ステーションマップ(2020/7/9現在):愛知県HPより引用


2、ホンダとGMの連携

 ホンダとGMは連携分野を拡大すると報道されています。従来より近い関係にあり、例えば燃料電池自動車は2013年から共同開発しており、その後、共同での製造会社も設立しています。

 それを大幅に広げて、おおむね全面的に協業を深めるのではないでしょうか。両社合わせての台数は年間1300万台と、現在TOPのVWの1000万台をはるかに凌(しの)ぐので、効率的な分業体制が確立できれば、自動車業界に大きなインパクトを与えます。

 次世代車で出遅れていたGMは、このところ急激にEVシフトを進めています。LG科学と共同で巨大なリチウムイオン電池工場の建設を始めたり、EVトラック会社の株を購入するなど、2025年には100万台のEV販売を目標としています。

 一方のホンダですが、本来であれば、東京オリンピックに燃料電池自動車を提供する予定でしたが延期となりました。2013年開始時点ではGMとの燃料電池自動車共同開発のターゲット時期が2020年頃としていたので、東京オリンピックでのお披露目を狙っていたのかもしれません。

 燃料電池自動車は、このホンダ・GM連合、MIRAIのトヨタ自動車が有名なところです。

 

 日本にいるとあまり情報が入ってきま...

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◆水素エネルギー社会 連載目次

 

1、AZAPAの超小型燃料電池自動車

 元トヨタ自動車の設計者が立ち上げたスタートアップ、AZAPA(アザパ、名古屋市)で小型の燃料電池自動車:FCVを開発しています。「高速道路は走れない」という割り切りながら、二人乗り、100km走行が可能で100万円以下というのは魅力的なターゲットです。近距離移動や観光地での利用を考えているようです。

 設計データの販売というビジネスモデルが日本では新鮮です。自社ブランドでも委託生産をするようですが。

 半導体と同様に、クルマも企画設計会社と委託製造会社に分離していくものと思われます。電動化で参入壁は確実に低くなりました。

 

 さて、AZAPAのウェブサイトを見ると、しっかりとした会社です。ポリシーがしっかりしています。CSRの視点での社会貢献も明確にコミットされています。こども育成支援や平和的活動として記載されてます。

 下図に愛知県内の水素ステーションMAPを掲載します。AZAPAの航続距離100km以下を考えると、今の数では全然足りません。

 

 AZAPA

 図. 愛知県内の水素ステーションマップ(2020/7/9現在):愛知県HPより引用


2、ホンダとGMの連携

 ホンダとGMは連携分野を拡大すると報道されています。従来より近い関係にあり、例えば燃料電池自動車は2013年から共同開発しており、その後、共同での製造会社も設立しています。

 それを大幅に広げて、おおむね全面的に協業を深めるのではないでしょうか。両社合わせての台数は年間1300万台と、現在TOPのVWの1000万台をはるかに凌(しの)ぐので、効率的な分業体制が確立できれば、自動車業界に大きなインパクトを与えます。

 次世代車で出遅れていたGMは、このところ急激にEVシフトを進めています。LG科学と共同で巨大なリチウムイオン電池工場の建設を始めたり、EVトラック会社の株を購入するなど、2025年には100万台のEV販売を目標としています。

 一方のホンダですが、本来であれば、東京オリンピックに燃料電池自動車を提供する予定でしたが延期となりました。2013年開始時点ではGMとの燃料電池自動車共同開発のターゲット時期が2020年頃としていたので、東京オリンピックでのお披露目を狙っていたのかもしれません。

 燃料電池自動車は、このホンダ・GM連合、MIRAIのトヨタ自動車が有名なところです。

 

 日本にいるとあまり情報が入ってきませんが、この2社を凌駕(りょうが)する品質と勢いなのが、ヒュンダイです。欧州での燃料電池自動車開発は、ダイムラーやBMWがメインのはずですが、最近あまり情報が入ってきません。EVシフトで開発力をそちらに振り向けたのではと推定しています。ただ、時々欧州の部品メーカから高圧水素タンクの情報が出てきますので、それなりに進行もしていることは確かなようです。燃料電池自動車開発から目が離せない昨今です。

 水素エネルギー社会、次回は東レ FCV用CF増産、航空機からシフトに続きます。

 

 【出典】技術オフィスTech-T HPより、筆者のご承諾により編集して掲載

◆関連解説『環境マネジメント』

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この記事の著者

高原 忠良

トヨタ式の ” ち密さ ” をサムスン流の ” スピード ” で! 自動車業界 × 樹脂部品を中心に開発から製造までのコンサルティング

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