◆水素エネルギー社会 連載目次
- 1. 燃料電池自動車開発
- 2. 船舶の次世代エネルギー源
- 3. 燃料電池自動車開発競争
- 4. 東レ ~ FCV用CF増産、航空機からシフト
- 5. 炭素繊維の地域ごとにおける消費用途の差
- 6. 水素協議会
- 7. JR東日本、水素燃料車両の開発・試験
- 8. ドイツの燃料電池鉄道車両とは
- 9. 低炭素社会とは
- 10. 水素の安全性 1
- 11. 水素の安全性 2
- 12. 水素社会への潮流
1、AZAPAの超小型燃料電池自動車
元トヨタ自動車の設計者が立ち上げたスタートアップ、AZAPA(アザパ、名古屋市)で小型の燃料電池自動車:FCVを開発しています。「高速道路は走れない」という割り切りながら、二人乗り、100km走行が可能で100万円以下というのは魅力的なターゲットです。近距離移動や観光地での利用を考えているようです。
設計データの販売というビジネスモデルが日本では新鮮です。自社ブランドでも委託生産をするようですが。
半導体と同様に、クルマも企画設計会社と委託製造会社に分離していくものと思われます。電動化で参入壁は確実に低くなりました。
さて、AZAPAのウェブサイトを見ると、しっかりとした会社です。ポリシーがしっかりしています。CSRの視点での社会貢献も明確にコミットされています。こども育成支援や平和的活動として記載されてます。
下図に愛知県内の水素ステーションMAPを掲載します。AZAPAの航続距離100km以下を考えると、今の数では全然足りません。
図. 愛知県内の水素ステーションマップ(2020/7/9現在):愛知県HPより引用
2、ホンダとGMの連携
ホンダとGMは連携分野を拡大すると報道されています。従来より近い関係にあり、例えば燃料電池自動車は2013年から共同開発しており、その後、共同での製造会社も設立しています。
それを大幅に広げて、おおむね全面的に協業を深めるのではないでしょうか。両社合わせての台数は年間1300万台と、現在TOPのVWの1000万台をはるかに凌(しの)ぐので、効率的な分業体制が確立できれば、自動車業界に大きなインパクトを与えます。
次世代車で出遅れていたGMは、このところ急激にEVシフトを進めています。LG科学と共同で巨大なリチウムイオン電池工場の建設を始めたり、EVトラック会社の株を購入するなど、2025年には100万台のEV販売を目標としています。
一方のホンダですが、本来であれば、東京オリンピックに燃料電池自動車を提供する予定でしたが延期となりました。2013年開始時点ではGMとの燃料電池自動車共同開発のターゲット時期が2020年頃としていたので、東京オリンピックでのお披露目を狙っていたのかもしれません。
燃料電池自動車は、このホンダ・GM連合、MIRAIのトヨタ自動車が有名なところです。
日本にいるとあまり情報が入ってきま...