◆水素エネルギー社会 連載目次
- 1. 燃料電池自動車開発
- 2. 船舶の次世代エネルギー源
- 3. 燃料電池自動車開発競争
- 4. 東レ ~ FCV用CF増産、航空機からシフト
- 5. 炭素繊維の地域ごとにおける消費用途の差
- 6. 水素協議会
- 7. JR東日本、水素燃料車両の開発・試験
- 8. ドイツの燃料電池鉄道車両とは
- 9. 低炭素社会とは
- 10. 水素の安全性 1
- 11. 水素の安全性 2
- 12. 水素社会への潮流
♦ 水素エネルギー社会はアジアの時代!?
今回の水素エネルギー社会に関するお話は、国際組織の「水素協議会」についてです。この協議会は2017年、ダボスで開催された世界経済フォーラムで発足し、この会合には様々な製造業・エネルギー企業のCEOならび、会長ら13人が参加しました。
経済産業省のウエブサイトにも掲載があります。サマリー的な理解にちょうどいい内容です。トヨタ自動車のプレスリリースでも何度か取り上げられています。例えば、発足から1年で参加企業が4倍になったことなどを伝えています。
さて、この組織体がユニークな点をまとめます。
まずはウエブサイトの言語です。国連関連のウエブサイトは、英語・フランス語・スペイン語・中国語が一般的です。しかしこの協議会は、英語・日本語・中国語・韓国語で言語対応しています。これからはアジアの時代という意味ではないでしょうが、この協議会のターゲット地域と構成メンバーを象徴していると感じてます。実は、この辺りにも、中国がFCV普及拡大と共に、水素エネルギーの方向に向かう伏線がみえていました。
表は、2019年9月時点での参画企業を私なりに整理したものです。
ステアリングメンバーを私の着眼視点で色分けしました。赤字に示した企業は第一に注目すべき企業です。欧州の主要な重工業企業のエアバス、アルストム、テッセンクルップあるいはドイツのボッシュ、アジアではヒュンダイ自動車と中国の石油企業・シノペックの参加が目につきました。
カーメーカーではヒュンダイやトヨタのほか、以前から燃料電池自動車・FCVを共同開発しているホンダとGM両社、ドイツのAudi、BMW、ダイムラーが参加しています。一方、日産をはじめとするフランス系やイタリア系は1社も参画していません。ディーゼル不正からの巻き返しをEVで計っているVWも参加していません。
水色は水素エネルギーで拡大を狙う企業、石油からの転換を図る企業となっています。
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