ここまでのFMEA簡易法実施手順で、設計の考え方を根本から転換する必要性について解説しました。また、問題点の検討が漏れやすい変更点・新規点の記録を、設計過程で残すべきとの見解を述べました。前回は故障モードに注目した設計を行うためのツール「故障モードリスト」と「故障モード抽出表」についてお話しました。今回は、セルフFMEAについて解説します。
セルフFMEAとは、設計時に採用した新規点・変更点を対象に心配点を挙げ、製品に影響が出ないようにボトムアップ解析を行いながら、設計を進めていくことを指しています。
前回のFMEA簡易法実施手順 (その3)で説明した新規点・変更点リストにより対策が必要となった項目を「セルフFMEA評価シート」にまとめます(FMEAレビューのインプット情報)。
はじめに新規点・変更点リストを作成し、次にセルフFMEA評価シートを作成する手順とします。その理由は、新規点・変更点を設計検討の過程でその都度、一覧表に記録し、履歴を残すことで漏れを防ぐためです。また、実験確認などにより、問題発生がないかどうか確認した結果をセルフFMEA評価シートにまとめ、この後実施するFMEAレビューのインプット情報とします。
対策欄は対策項目と、その効果を定量的に示すこと、また確認実験が必要な場合は、実施後の結果を記入することとし、試作評価で確認することは避け、あくまでも設計図面作成前に検証を済ませておくことが重要となります。
表. セルフFMEA評価シート
FMEA簡易法実施手順(その2)で解説した...