品質問題の予防策として有効なエラープルーフ化とは

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♦ 機器や手順など人以外の対策を考える

 製造業の品質問題の予防策として有効なエラープルーフ化について考えて見ます。

 エラープルーフとはエラー(ミスによる故障や不具合)が発生しないようにあるいは発生しても通常の機能や安全性を維持できるようにプルーフ(防ぐ)ように、あらかじめ仕組みや手順を設計する概念です。

 重要な事は作業を構成する人以外の要素、すなわち機器や仕組み、手順など「作業方法」を改善することです。ヒューマンエラー対策は、思い付きでバラバラに実施するのではなく、3つの発生防止策と2つの波及防止策に分けて対策を講じます。エラープルーフの構成図を示し、それぞれの項目について解説します。

 

FMEA

図. エラープルーフの構成図

1.発生防止対策

(1)排除

 排除とはエラーの原因を事前に取り除くことです。エラーの原因となる、あるいは発生させる可能性のある業務を不要にすることが基本的な考え方です。

(2)代替化

 代替化の基本的な考え方は、人が行っている作業を機器やシステムなど、ほかに代替させることです。例えば人が計測して行っている作業を、機器を用いて自動化するなどです。

(3)容易化

 容易化の基本的な考え方は、作業をしやすくすることです。身近な例として整理整頓(5S)。分かりずらいものは、色分けする番号を明記することです。

 

2.波及防止対策

(1)異常検出

 異常検出はエラーを可能な限り速やかに検出し、迅速に対応することです。異常が無いと確認できない限り、次の工程には進めない工夫も必要になります。

(2)影響緩和

 エラーが発生しても、その影響が可能な限り小さく、そしてほかに波及することを防ぐことです。

 

3.5つの仕組み・手順の設計

 エラープルーフの本質は人の対策ではなく、人以外の対策を講ずることです。そして、あらかじめ手順や下記のような仕組みを設計することが重要となります。

(1)工程設計

 発生防止は、最上流の工程設計において、QC工程図を作成し、その中で「排除」、「代替え化」、「容易化」を考慮した工程、作業手順を検討することです。また教育訓練の中で「次工程完結能力」、「不確かさ検出能力」、「異常検出能力」を身に付ける必要があります。

(2)4M管理

 「異常」の見える化と早期発見、対処手順を仕組み化して、大きな不具合に発展することを防がなければなりません。

(3)リスクアセスメントの

 不...

 

 

♦ 機器や手順など人以外の対策を考える

 製造業の品質問題の予防策として有効なエラープルーフ化について考えて見ます。

 エラープルーフとはエラー(ミスによる故障や不具合)が発生しないようにあるいは発生しても通常の機能や安全性を維持できるようにプルーフ(防ぐ)ように、あらかじめ仕組みや手順を設計する概念です。

 重要な事は作業を構成する人以外の要素、すなわち機器や仕組み、手順など「作業方法」を改善することです。ヒューマンエラー対策は、思い付きでバラバラに実施するのではなく、3つの発生防止策と2つの波及防止策に分けて対策を講じます。エラープルーフの構成図を示し、それぞれの項目について解説します。

 

FMEA

図. エラープルーフの構成図

1.発生防止対策

(1)排除

 排除とはエラーの原因を事前に取り除くことです。エラーの原因となる、あるいは発生させる可能性のある業務を不要にすることが基本的な考え方です。

(2)代替化

 代替化の基本的な考え方は、人が行っている作業を機器やシステムなど、ほかに代替させることです。例えば人が計測して行っている作業を、機器を用いて自動化するなどです。

(3)容易化

 容易化の基本的な考え方は、作業をしやすくすることです。身近な例として整理整頓(5S)。分かりずらいものは、色分けする番号を明記することです。

 

2.波及防止対策

(1)異常検出

 異常検出はエラーを可能な限り速やかに検出し、迅速に対応することです。異常が無いと確認できない限り、次の工程には進めない工夫も必要になります。

(2)影響緩和

 エラーが発生しても、その影響が可能な限り小さく、そしてほかに波及することを防ぐことです。

 

3.5つの仕組み・手順の設計

 エラープルーフの本質は人の対策ではなく、人以外の対策を講ずることです。そして、あらかじめ手順や下記のような仕組みを設計することが重要となります。

(1)工程設計

 発生防止は、最上流の工程設計において、QC工程図を作成し、その中で「排除」、「代替え化」、「容易化」を考慮した工程、作業手順を検討することです。また教育訓練の中で「次工程完結能力」、「不確かさ検出能力」、「異常検出能力」を身に付ける必要があります。

(2)4M管理

 「異常」の見える化と早期発見、対処手順を仕組み化して、大きな不具合に発展することを防がなければなりません。

(3)リスクアセスメントの

 不具合の大きさ、波及性についてはリスクアセスメントを実施して定量化し、対策を講ずる必要があります。

(4)検査

 検査は付加価値を生まないといわれていますが、必要に応じて検査を実施することも考慮しなければなりません。検査の方法、項目などを決めるための仕組みを構築しておく必要があります。

(5)FMEA

 作業ミス発生が、故障や事故につながらないように、故障モードからすべての不具合を洗い出すFMEAの仕組みを構築しておく必要があります。

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この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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