リーン製品開発の全体像 – 可視化ワークフロー管理 – バーチャルボード

投稿日

 

 前回の「リーン製品開発の全体像 – ビジュアルプロジェクトボード」に続けて解説します。

 

◆ バーチャルボード

【目次】

1. 可視化ワークフロー管理 – バーチャルボード
  1.1 Visual Workflow Management – Virtual Board
2. マイクロソフト パワーポイント
  2.1 スライドマスターで外枠を作成
  2.2 標準画面で付箋を作成
  2.3 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート
3. Google Jamboard
  3.1 外枠を作成し画像として保存
  3.2 画像を追加
  3.3 付箋を貼り付け
  3.4 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート

 

1. 可視化ワークフロー管理 – バーチャルボード

1.1 Visual Workflow Management – Virtual Board

 同じ場所にいることを、コロケーション (Colocation) といいます。声の届くところにチームメンバーがいると、効率の高いプロジェクト運営が可能となります。しかし、海外チームなどリモートサイトのチームメンバーと共同のプロジェクト運営が必須となる場合もあります。こうしたときに、バーチャル(仮想)ツールが役立ちます。こうしたツールを用意して、リモートサイトと効果的なコミュニケーション環境を整えることは、プロジェクト運営上、非常に大切なことです。

 今回は、可視化ワークフロー管理 (VWM) で用いることができるバーチャルツールをご紹介します。

 

2. マイクロソフト パワーポイント

 多くの企業で使われているツールです。チームメンバーが普段使っているツールであれば、使い始めるためのトレーニングは、必要ありません。また、OneDrive上に、該当ファイルを保存して、チームメンバーと共有すれば、複数の人が、同時にファイルを編集することもできます。すでに、MS OfficeやOneDriveを導入しておれば、追加のコストは不要です。

2.1 スライドマスターで外枠を作成

 <表示>-<スライドマスター>をクリックします。スタンドアップミーティングでアップデートすることが、ほとんどない部分(外枠、メンバー名、日付など)を、スライドマスター上で作成します。図1.参照。

リーン開発

図1.Master title style

 

2.2 標準画面で付箋を作成

 付箋にタスクを記入して貼り付けます。このファイルをOneDrive上で、メンバーと共有します。図2.参照。

リーン

図2. 付箋貼り付け

 

2.3 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート

 ファシリテータが、Web会議を設定します。スタンドアップミーティングの参加者は、ミーティングの開始前に、自分のパソコンやタブレットやスマホで、OneDriveから該当の仮想プロジェクトボードを開いておきます。ファシリテータが、その画面を共有します。プロジェクトメンバーは、自分が発表する番になったら、タスクの進捗状況や障害を説明しながら、付箋を移動したり、加筆、訂正したりします。外枠などアップデートの頻度が少ない部分をスライドマスターにおいておくと、付箋を移動するときなどに、外枠を間違って移動することがありません。図3.参照。

リーン

図3. 完了タスクへの付箋移動

 

3. Google Jamboard

 Googleアプリのひとつで、使い勝手のよいホワイトボードです。Googleのアカウントがあれば、無料で使えます。

3.1 外枠を作成し画像として保存

 Excelやお絵描きソフトを使って、外枠を作成します。それを、ローカルのドライブに保存します。図4.参照。

リーン

図4. 外枠作成

 

3.2 画像を追加

 Jamboardのフレームに画像を追加する。

3.3 付箋を貼り付け

 付箋にタスクを記入して貼り付けます。このファイルをGoogle Drive上で、メンバーと共有します。図5.参照。

リーン

図5. 付箋貼り付け

 

3.4 スタンドアップミー...

 

 前回の「リーン製品開発の全体像 – ビジュアルプロジェクトボード」に続けて解説します。

 

◆ バーチャルボード

【目次】

1. 可視化ワークフロー管理 – バーチャルボード
  1.1 Visual Workflow Management – Virtual Board
2. マイクロソフト パワーポイント
  2.1 スライドマスターで外枠を作成
  2.2 標準画面で付箋を作成
  2.3 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート
3. Google Jamboard
  3.1 外枠を作成し画像として保存
  3.2 画像を追加
  3.3 付箋を貼り付け
  3.4 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート

 

1. 可視化ワークフロー管理 – バーチャルボード

1.1 Visual Workflow Management – Virtual Board

 同じ場所にいることを、コロケーション (Colocation) といいます。声の届くところにチームメンバーがいると、効率の高いプロジェクト運営が可能となります。しかし、海外チームなどリモートサイトのチームメンバーと共同のプロジェクト運営が必須となる場合もあります。こうしたときに、バーチャル(仮想)ツールが役立ちます。こうしたツールを用意して、リモートサイトと効果的なコミュニケーション環境を整えることは、プロジェクト運営上、非常に大切なことです。

 今回は、可視化ワークフロー管理 (VWM) で用いることができるバーチャルツールをご紹介します。

 

2. マイクロソフト パワーポイント

 多くの企業で使われているツールです。チームメンバーが普段使っているツールであれば、使い始めるためのトレーニングは、必要ありません。また、OneDrive上に、該当ファイルを保存して、チームメンバーと共有すれば、複数の人が、同時にファイルを編集することもできます。すでに、MS OfficeやOneDriveを導入しておれば、追加のコストは不要です。

2.1 スライドマスターで外枠を作成

 <表示>-<スライドマスター>をクリックします。スタンドアップミーティングでアップデートすることが、ほとんどない部分(外枠、メンバー名、日付など)を、スライドマスター上で作成します。図1.参照。

リーン開発

図1.Master title style

 

2.2 標準画面で付箋を作成

 付箋にタスクを記入して貼り付けます。このファイルをOneDrive上で、メンバーと共有します。図2.参照。

リーン

図2. 付箋貼り付け

 

2.3 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート

 ファシリテータが、Web会議を設定します。スタンドアップミーティングの参加者は、ミーティングの開始前に、自分のパソコンやタブレットやスマホで、OneDriveから該当の仮想プロジェクトボードを開いておきます。ファシリテータが、その画面を共有します。プロジェクトメンバーは、自分が発表する番になったら、タスクの進捗状況や障害を説明しながら、付箋を移動したり、加筆、訂正したりします。外枠などアップデートの頻度が少ない部分をスライドマスターにおいておくと、付箋を移動するときなどに、外枠を間違って移動することがありません。図3.参照。

リーン

図3. 完了タスクへの付箋移動

 

3. Google Jamboard

 Googleアプリのひとつで、使い勝手のよいホワイトボードです。Googleのアカウントがあれば、無料で使えます。

3.1 外枠を作成し画像として保存

 Excelやお絵描きソフトを使って、外枠を作成します。それを、ローカルのドライブに保存します。図4.参照。

リーン

図4. 外枠作成

 

3.2 画像を追加

 Jamboardのフレームに画像を追加する。

3.3 付箋を貼り付け

 付箋にタスクを記入して貼り付けます。このファイルをGoogle Drive上で、メンバーと共有します。図5.参照。

リーン

図5. 付箋貼り付け

 

3.4 スタンドアップミーティングで、タスクをアップデート

 ファシリテータが、Web会議を設定します。スタンドアップミーティングの参加者は、ミーティングの開始前に、自分のパソコンやタブレットやスマホで、Google Driveから該当の仮想プロジェクトボードを開いておきます。ファシリテータが、その画面を共有します。プロジェクトメンバーは、自分が発表する番になったら、タスクの進捗状況や障害を説明しながら、付箋を移動したり、加筆、訂正したりします。図6.参照。

リーン

図6. 付箋移動

 

 

 次回に続きます。

 【出典】ピディアック株式会社 HPより、筆者のご承諾により編集して掲載
 【用語解説】リーン開発:製造業を中心に行われているリーン生産方式の考え方(リーン思考)を、開発に応用した手法。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

西村 裕司

開発チームトレーナー。リーン製品開発、アジャイル・スクラムの手法をトレーニングすると、新製品開発の納期を守ることができるようになる。20人の開発プロジェクトで、年間1億円の利益創出の機会を提供する。

開発チームトレーナー。リーン製品開発、アジャイル・スクラムの手法をトレーニングすると、新製品開発の納期を守ることができるようになる。20人の開発プロジェク...


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
イノベーションの創出 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その130)

  【この連載の前回へのリンク】 現在「切り取った知識の重要部分を発想するフレームワークを使って、イノベーションを発想する」にむけて、日...

  【この連載の前回へのリンク】 現在「切り取った知識の重要部分を発想するフレームワークを使って、イノベーションを発想する」にむけて、日...


試作から量産に向けての課題解決

   新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...

   新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のよう...


技術文書の品質管理(その2)技術文書を確認する人の視点から

  【目次】 今回は、自分以外の人が技術文書の品質管理をする場合(自分が書いた技術文書を自分以外の人が確認する)に関する解説...

  【目次】 今回は、自分以外の人が技術文書の品質管理をする場合(自分が書いた技術文書を自分以外の人が確認する)に関する解説...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
作業要素の進捗分析1 プロジェクト管理の仕組み (その18)

 連載で、進捗管理に利用する基本メトリクスセット(図41)について解説を続けています。前回はソフトウェア開発における成果物メトリクスについて解説しました。...

 連載で、進捗管理に利用する基本メトリクスセット(図41)について解説を続けています。前回はソフトウェア開発における成果物メトリクスについて解説しました。...


進捗の見える化:第1回 プロジェクト管理の仕組み (その10)

 この数回はプロジェクト管理の仕組みについて解説していますが、表面的な仕組みではなく、本質的な課題に対応したより進化・深化した仕組みにするための考え方を解...

 この数回はプロジェクト管理の仕組みについて解説していますが、表面的な仕組みではなく、本質的な課題に対応したより進化・深化した仕組みにするための考え方を解...


R&Dの価値創造力を高めるシンプルツール、iMapとは、

 技術経営とは、「企業の経営資源である技術を経営戦略の中核に位置づけ、顧客価値の創造へ向けて、その獲得・強化・活用を戦略的に行うことにより、継続的な企業の...

 技術経営とは、「企業の経営資源である技術を経営戦略の中核に位置づけ、顧客価値の創造へ向けて、その獲得・強化・活用を戦略的に行うことにより、継続的な企業の...