技術文書の品質管理(その7)伝えること、書くことの意識を高めるには

投稿日

技術文書の品質管理(その7)伝えること、書くことの意識を高めるには

 

「仕事で必要な技術文書は書ける」と考えていても内容が明確に伝わらない技術文書を書いてしまうことも多々あります。今回は、伝えること、書くことの意識を会社全体で高めるを解説します。

【目次】

    1. 技術文書を書くことと入社後のこと

    新人のとき、技術文書の書き方を上司や先輩から指導してもらった経験はありませんでした。また、講師を招いての技術文書の書き方に関する社員研修もなかったですし、技術文書の書き方に関するセミナーに出席したこともありませんでした。上司や先輩の書いた技術文書、例えば、業務報告書や会議の資料などを参考にしたり自分で書き方を考えたりして様々な技術文書を書きました。

     

    逆に、部下を持ったときには部下に対して技術文書の書き方を指導したことはありませんでした。

     

    これまで学校などで文書や文章を書いていたので会社としても「仕事で必要な文書(技術文書)は書ける」と思い、社員に対して技術文書の書き方の指導やそのレベルアップの指導をしなかったのだと思います。私自身も同じ考えでした。このようなことは私が在籍していた会社だけのことではなく他の会社でもあることだと思います。

     

    「仕事で必要な文書(技術文書)は書ける」と考えていても内容が明確に伝わらない技術文書を書いてしまうことがあるのが現状です。

     

    2. 「『伝えること』と『書くこと』」の意識を会社全体で高める

    技術者に必要な3つの力(その1)と同(その2)」で「伝える力と書く力」に関する記事を掲載しました。このような内容の記事を掲載したのは技術者にとって「『伝えること』と『書くこと』」が重要だからです。伝える力と書く力は技術者に必要な技術力の一つと考えることもできます。

     

    技術文書はコミュニケーションの手段です注1)。内容が明確に伝わる技術文書を書くことで、会社の人や顧客など様々な関係者との間で技術文書を通した円滑なコミュニケーションが取れます。円滑なコミュニケーションを取ることで仕事も円滑に進みます。

     

    内容が明確に伝わらない技術文書(わかりにくい技術文書)を書くと様々なことが起こります注2)

     

    「『伝えること』と『書くこと』は技術者にとって重要なことである」ということを技術者個人が認識するだけではなく、会社全体でこのことを意識することでクライアントに質の高い技術力が提供できます。

     

    注1)「“技術文書を書くこと”について考える(その1)」を参照

    注2)「内容が明確に伝わらない技術文書&rdqu...

    技術文書の品質管理(その7)伝えること、書くことの意識を高めるには

     

    「仕事で必要な技術文書は書ける」と考えていても内容が明確に伝わらない技術文書を書いてしまうことも多々あります。今回は、伝えること、書くことの意識を会社全体で高めるを解説します。

    【目次】

      1. 技術文書を書くことと入社後のこと

      新人のとき、技術文書の書き方を上司や先輩から指導してもらった経験はありませんでした。また、講師を招いての技術文書の書き方に関する社員研修もなかったですし、技術文書の書き方に関するセミナーに出席したこともありませんでした。上司や先輩の書いた技術文書、例えば、業務報告書や会議の資料などを参考にしたり自分で書き方を考えたりして様々な技術文書を書きました。

       

      逆に、部下を持ったときには部下に対して技術文書の書き方を指導したことはありませんでした。

       

      これまで学校などで文書や文章を書いていたので会社としても「仕事で必要な文書(技術文書)は書ける」と思い、社員に対して技術文書の書き方の指導やそのレベルアップの指導をしなかったのだと思います。私自身も同じ考えでした。このようなことは私が在籍していた会社だけのことではなく他の会社でもあることだと思います。

       

      「仕事で必要な文書(技術文書)は書ける」と考えていても内容が明確に伝わらない技術文書を書いてしまうことがあるのが現状です。

       

      2. 「『伝えること』と『書くこと』」の意識を会社全体で高める

      技術者に必要な3つの力(その1)と同(その2)」で「伝える力と書く力」に関する記事を掲載しました。このような内容の記事を掲載したのは技術者にとって「『伝えること』と『書くこと』」が重要だからです。伝える力と書く力は技術者に必要な技術力の一つと考えることもできます。

       

      技術文書はコミュニケーションの手段です注1)。内容が明確に伝わる技術文書を書くことで、会社の人や顧客など様々な関係者との間で技術文書を通した円滑なコミュニケーションが取れます。円滑なコミュニケーションを取ることで仕事も円滑に進みます。

       

      内容が明確に伝わらない技術文書(わかりにくい技術文書)を書くと様々なことが起こります注2)

       

      「『伝えること』と『書くこと』は技術者にとって重要なことである」ということを技術者個人が認識するだけではなく、会社全体でこのことを意識することでクライアントに質の高い技術力が提供できます。

       

      注1)「“技術文書を書くこと”について考える(その1)」を参照

      注2)「内容が明確に伝わらない技術文書”を書くことで起こる重大なこと」を参照

       

      【関連文献紹介】森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

       

      特集】技術士第二次試験対策:技術士第二次試験に関する記事まとめページはこちら!口頭試験や論文対策などのポイントについての記事を紹介しています。

       

       

         続きを読むには・・・


      この記事の著者

      森谷 仁

      「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

      「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


      「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

      もっと見る
      IS/ISNOT思考法は、問題分析の基本

       多くの場合、問題が起きて原因を推定する際には、何が起きたか、どこで起きたか、いつ起きたか、どの程度起きたかといった事実を頭の中に入れた上で、可能性のある...

       多くの場合、問題が起きて原因を推定する際には、何が起きたか、どこで起きたか、いつ起きたか、どの程度起きたかといった事実を頭の中に入れた上で、可能性のある...


      イノベーション 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その142)

        イノベーションの活動を行うことを妨げる「失敗のコストのマネジメント」の解説をしていますが、今回もこの解説を続けたいと思います。 &n...

        イノベーションの活動を行うことを妨げる「失敗のコストのマネジメント」の解説をしていますが、今回もこの解説を続けたいと思います。 &n...


      新たな時代の「ものづくり」(後編)商品企画と技術力の活かし方

      1.商品企画の要点  前回は、「新たな時代の「ものづくり」(前編) 従来と異なる分野で事業化する」を解説しました。今回は、商品企画と技術力の活かし方です...

      1.商品企画の要点  前回は、「新たな時代の「ものづくり」(前編) 従来と異なる分野で事業化する」を解説しました。今回は、商品企画と技術力の活かし方です...


      「技術マネジメント総合」の活用事例

      もっと見る
      イノベーションに取り組む第1歩はR&D

      【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...

      【ものづくり企業のR&Dと経営機能 記事目次】 管理力より技術力を磨け 技術プラットフォームの重要性 手段としてのオープンイノベーション...


      IoT 時代の製品開発とは - カギとなるデータ指向とシステム設計 -

         今回は、BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応した製品開発にシフトする際のカギとなるデ...

         今回は、BtoB のビジネスをベースにハードウェア開発を中心としていたメーカーが IoT に対応した製品開発にシフトする際のカギとなるデ...


      プリウスの開発事例から学ぶ画期的挑戦

       トヨタ・プリウスが1997年に世界初の量産ハイブリッド車として市場に出た時は大きな衝撃を社会にもたらしました。2009年に20万8876台を売り上げ...

       トヨタ・プリウスが1997年に世界初の量産ハイブリッド車として市場に出た時は大きな衝撃を社会にもたらしました。2009年に20万8876台を売り上げ...