1. 起業時した友人からのアドバイス
筆者の友人に、機械装置関連のものづくり企業を約35年間続けている中小企業経営者がいます。過去には、バブル崩壊やリーマンショックなどがありましたが、それを乗り越えて、生き残ってきました。約10年前、起業するに当たり、アドバイスを求められました。彼から返ってきた答えは、「果報は寝て待て!」だったのです。その時は、よく意味がわからず、そういう考えもあるのかで済ましていました。
2. 事前準備と「果報は寝て待て」の語源
その後、その意味をよく調べてみました。どうやら、その語源は、本田宗一郎氏だったようです。本来は「果報は寝て待て」、「ジタバタしなさんな。やるだけのことやったら、じっとしていろ。そしたら、いい報せが届く。」と言うのが本来の意味のようです。しかし、本田宗一郎氏は「それだけでは駄目だ。いつ、どんな報せが来てもすぐに対処できるように、あの手この手と段取りをしておけ」と言われたそうです。つまり、「しっかりと段取りをしておけ。」の言葉が隠されていたようです。
3. マシュマロ・テストとは
ところで、子ども時代の自制心と将来の社会的成果の関連性を調査したマシュマロ・テストがあります。スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェルが1970年前後に実施しています。 4~6歳の子供たちに、10分待てたらマシュマロまたはクッキーをもう一個あげると言い、その反応をまとめたものです。待てる子供と待てない子供を層別し、彼らの行動を約30年間追跡調査したものです。その結果、待てる子供は高収入になる傾向が強いということを証明しています。そして、その特徴も紹介しています。①難しい出来事が発生しても、それに立ち向かい乗り越えられる。②コミュニケーション能力に優れて、自己主張もできる。③自分に自信を持ち、信頼できる誠実さを持っている。
4. 「果報は寝て待て」をどう具現化するか
筆者がマーケティング活動で、2014年から意識的に実践してきた事例をいくつか紹介します。
- 過去の成功例、失敗例を抽象化および体系化し、異分野の業務に応用可能なようにする。
- 仕事のプロセス改革のベンチマーキングを日常化させる。
- お客様の一部の課題が、ホームページ上で解決できるような具体的コンサル事例Q&Aを蓄積させる。
- 友人に頼ら...