1.身近なリスク
電車から突き落とされ亡くなったり、通り魔に次々襲われたり、やってないのに痴漢あつかいされ拘留されたりするなど、耳を疑いたくなる事件が相次いでいます。タクシー運転手が乗客に殺されている事件も多発しています。生活面では、実質賃金はほとんど上がらないにもかかわらず、消費税が上がり、円安による日常生活用品の相次ぐ値上げで庶民は苦しくなるばかりです。非正規社員で雇用されたとしても、賃金は抑えられ、格差は拡大するばかりです。原発事故による放射能汚染も、一部が海に流れて移染され、解決とは言えないのが実態です。安心して生活できる時代ではないのでしょうか。
2.信用される企業とは
新聞社の世論調査では「信用できない企業・人が多い」が6割を超え、政治家や官僚の信用度はわずか18%でした。一方、信用されているのは、家族97%、天気予報94%、新聞91%の順ということ。企業は利益追求で、従業員のことは、二の次、三の次のケースが多いのかもしれません。例えば、大手ハンバーガー店の店長が、管理職であることからサービス残業をさせられていたことに、判決で原告が勝訴した件も記憶に新しいのではないかと思います。しかし、残業時間規制を設けて厳しく管理したり、直営店からFC店に切り替えたりして、真の狙いは経費節減だったりしています。これこそ、典型的な従業員軽視もいいところだと思います。なぜ、モチベーションを上げるための施策を、実行しようとしないのでしょうか。
3.簡単なリスクマネジメント例
ここで、著者が実施してきたリスクマネジメントの実施例をいくつか紹介したいと思います。電車での突き落とし事件があったから言うわけではありませんが、そのことを想定して、電車の待ち時間は最前列でなるべく待たないようにしています。やむを得ず、人が少なく最前列になるときは、棒立ちではなく足を前後にクロスして、後ろから押されても踏ん張れる姿勢をとるようにしています。また、工事中のビルなどがあれば、反対側の歩道を歩きます。できるだけ、災害が予測できる場面では、避ける対策を採るのが、リスクマネジメントのシンプルな考え方です。
4.リスクマネジメントの本質的考え方
世の中や人生には、想定外なことも多いのも事実です。リスクの評価の基本は、「災害発生確率」×「被害規模」です(図1)。発生確率が高く被害規模が大きい場合には、当然、被害がでないような対策を実行するわけです。しかし、安全問題以外で、そのどちらかが極端に小さい場合には、保険をかけるか災害が起きてから最善の処理を実施すればよいわけです。この考え方が、今回のような状況でも対策を行うかどうかの判断基準になると考えています。この不確実性の時代で、仕事や人生で、高い目標にチャレンジするとき、セイフティネットとして、
リスクマネジメントが必須なのです。みなさんももう一度再点検してみてください。
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