物流現場管理を導入する 物流人財育成(その5)

更新日

投稿日

 

【物流人財育成 連載目次】

 

1.現場管理の内容

 
 前回のその4に続いて解説します。「現場管理」とは製造業を中心に発達した現場におけるマネジメントツールの一つであり、保有する資源を最大限に活用することでQCDの最適化を図ることを目的としています。それは物流業にもそのままあてはめることができます。そうすることによって規律ある仕事のしくみの定着化と優秀な現場スタッフの育成が可能となるのです。
 
 それでは現場管理の内容について具体的に見ていきましょう。物流現場には現場スタッフを指揮する監督者がいます。彼らが現場管理の主人公であり、以下の役割を果たすことで現場管理の基礎を構築することができるのです。
 
(1)標準作業の設定
    現状やっている作業をそのまま標準にするのではなく、ムダ・ムラ・ムリを排除した正しい作業
   を標準作業とすることが求められます。
 
(2)標準作業の徹底
    部下に標準作業を教え込み、守らせることです。 標準作業以外の方法ではやってはならないこ
   とを職場のルールにすべきです。
 
(3)標準作業の改善
    標準作業は現時点では最良の方法であっても、それは時の流れや条件の変動により変化するもの
   です。常に最良の状態に改善することが大切です。
 
(4)作業や職場を見た瞬間に正常か異常かが判断できるようにすること
    異常が見つかればすぐに対応できる体制にしておくことが求められます。
 
(5)常に良好な職場環境を維持すること
    標準作業を守るために職場環境を良好に保つことは監督者の重要な役割です。
 
 (1)~(5)の役割を監督者が果たすことにより現場管理の基礎を築くことができます。そういった職場では個々の現場スタッフが何をすべきかが明確になります。監督者は現場スタッフが決められたことを守っているかを常に把握する必要がありますが、そのための手法が「作業観察」です。作業観察とは標準作業どおりに作業がされているかを監督者が定期的にチェックし評価することです。その結果を部下にフィードバックし異常の発生を事前に予防するとともに標準作業の改善につなげることが目的です。
 

2.現場管理の重要な機能

 
 現場管理の重要な機能として「技能訓練」があります。そのステップとして、まず職場にどのような仕事があり、それを実施するためにはどういった技能が必要なのかを整理する必要があります。その上で現状調査を行うとともにギャップを把握します。そのギャップを埋めるための訓練計画を作成し定期的に訓練を実施していくのです。どの職場にも多くの作業があります。各スタッフがすべての作業をできるよう多能工化を図ることが望ましいでしょう。一気に全員が全作業をできるようにすることはハードルが高いかもしれません。その場合は次のような目...

 

【物流人財育成 連載目次】

 

1.現場管理の内容

 
 前回のその4に続いて解説します。「現場管理」とは製造業を中心に発達した現場におけるマネジメントツールの一つであり、保有する資源を最大限に活用することでQCDの最適化を図ることを目的としています。それは物流業にもそのままあてはめることができます。そうすることによって規律ある仕事のしくみの定着化と優秀な現場スタッフの育成が可能となるのです。
 
 それでは現場管理の内容について具体的に見ていきましょう。物流現場には現場スタッフを指揮する監督者がいます。彼らが現場管理の主人公であり、以下の役割を果たすことで現場管理の基礎を構築することができるのです。
 
(1)標準作業の設定
    現状やっている作業をそのまま標準にするのではなく、ムダ・ムラ・ムリを排除した正しい作業
   を標準作業とすることが求められます。
 
(2)標準作業の徹底
    部下に標準作業を教え込み、守らせることです。 標準作業以外の方法ではやってはならないこ
   とを職場のルールにすべきです。
 
(3)標準作業の改善
    標準作業は現時点では最良の方法であっても、それは時の流れや条件の変動により変化するもの
   です。常に最良の状態に改善することが大切です。
 
(4)作業や職場を見た瞬間に正常か異常かが判断できるようにすること
    異常が見つかればすぐに対応できる体制にしておくことが求められます。
 
(5)常に良好な職場環境を維持すること
    標準作業を守るために職場環境を良好に保つことは監督者の重要な役割です。
 
 (1)~(5)の役割を監督者が果たすことにより現場管理の基礎を築くことができます。そういった職場では個々の現場スタッフが何をすべきかが明確になります。監督者は現場スタッフが決められたことを守っているかを常に把握する必要がありますが、そのための手法が「作業観察」です。作業観察とは標準作業どおりに作業がされているかを監督者が定期的にチェックし評価することです。その結果を部下にフィードバックし異常の発生を事前に予防するとともに標準作業の改善につなげることが目的です。
 

2.現場管理の重要な機能

 
 現場管理の重要な機能として「技能訓練」があります。そのステップとして、まず職場にどのような仕事があり、それを実施するためにはどういった技能が必要なのかを整理する必要があります。その上で現状調査を行うとともにギャップを把握します。そのギャップを埋めるための訓練計画を作成し定期的に訓練を実施していくのです。どの職場にも多くの作業があります。各スタッフがすべての作業をできるよう多能工化を図ることが望ましいでしょう。一気に全員が全作業をできるようにすることはハードルが高いかもしれません。その場合は次のような目標を作ってみたらどうでしょうか。「一人が3作業できる。一作業を3人ができる。すべての作業を3人ができる。」つまりまずは、この333を達成目標とするのです。
 
 以上、現場管理の主な機能について説明してきました。しかし実際はさらに幅広い機能を持っていることでしょう。今回は現場監督者が職場の環境整備を図るとともに、標準作業を定めてPDCAサイクルを回しながら人財育成を行っていくことを提案しました。
 
 この文書は、『月刊ロジスティクスIT』の記事を筆者により改変したものです。
 
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
“技術文書を書くこと”について考える(その4)

  【この連載の前回:“技術文書を書くこと”について考える(その3)へのリンク】  1.「技術文書を書...

  【この連載の前回:“技術文書を書くこと”について考える(その3)へのリンク】  1.「技術文書を書...


頭の中を整理する 内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その34)

     「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その30)」で「必要なこと」として「伝える内容を明確に理解していること」...

     「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その30)」で「必要なこと」として「伝える内容を明確に理解していること」...


内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その8)

  【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その7)へのリンク】  下図の「内容が明確に伝わる技術文書の書き方第...

  【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その7)へのリンク】  下図の「内容が明確に伝わる技術文書の書き方第...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
職場の活動を人財育成と職場活性化の場にするには

 私が勤務していた会社では、「安全衛生推進パトロール」というものがありました。職場ごと、毎月当番制で、所属する職場を巡回し、安全面や3S、5Sの面でパトロ...

 私が勤務していた会社では、「安全衛生推進パトロール」というものがありました。職場ごと、毎月当番制で、所属する職場を巡回し、安全面や3S、5Sの面でパトロ...


製造業におけるコミュニケーション講座

【目次】 1、製造業におけるコミュニケーション講座 (1) 良好なコミュニケーションをとるための3つのプロセス (2) リアクションの重要性...

【目次】 1、製造業におけるコミュニケーション講座 (1) 良好なコミュニケーションをとるための3つのプロセス (2) リアクションの重要性...


人財教育・人材育成、 理由のないルール、あなたの感情を他人はわからない

  【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関する...

  【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関する...