「ISO9001」とは、キーワードからわかりやすく解説

 

1. 「ISO9001」とは

ISO9001とは、国際標準化機構が発行している国際規格の「品質マネジメント」のことをいいます。規格については、ISO9001やISO14001など、規格の種類ごとに文書になっていて、規格要求事項が記載されています。規格要求事項とは、それぞれの専門用語の定義をはじめ、組織や企業に対して求めていく項目などのことをいいます。ISO9001の認証を受ける際には、要求事項を満たしている品質管理を行い、尚且つ、品質マネジメントシステムを運用していく必要があります。

 

2.ISO規格の構造

これまでからISOの規格は、PDCAのサイクルに基づくように作成されていましたが、規格(品質・環境・情報セキュリティなど)の文書構成は統一されていませんでした。今回の改訂は、Annex SLによる、上位構造(HLS)の設定によって、すべてのマネジメントシステムの文書構成の統一が図られ、箇条における要求事項、並びに用語の共通化も図られています。
 
規格の内容では、トップマネジメントの関与の強化、リスク及び機会に基づく考え方が取り入れられ、又、パフォーマンス重視の考え方を含め、事業プロセスへの統合が強く求められ、且つ、PDCAのサイクルをより鮮明にした改訂内容になっています。

 

3.他のMS規格との整合化

Annex SLによる上位構造(HLS)によって、文書構成と用語の共通化により、他のマネジメントシステムとの整合が図られ、統合マネジメントシストシステム(例えば、品質と環境との統合)の構築、運用が非常に容易になっています。これは、規格が求める事業プロセスとの統合を進める上でも非常にやり易いと言えます。

 

4.組織の状況とリスク及び機会

組織の状況の理解として、組織の持っている外部及び内部の課題(事業に影響を与える事柄:良い点、悪い点の両面)の特定と利害関係者のニーズ及び期待(法的を含む、要求事項)を決定し、これらに対して、取り組むべきリスク及び機会を決定にすることからの目標の設定など、事業活動と整合した運用が明確にされています。
 
これまでは、ISOのための目標設定がされるような運用が多く、目標の設定に苦慮される組織が多く見受けられました。しかし、今回の改定では、リスク及び機会から組織として取り組むべき事柄が明確にされ、そこから目標が設定される運用になるため、これも事業プロセスに整合した目標設定になると言えます。

 


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