【中小規模組織でのプロジェクト管理システムの課題 連載目次】
1. プロジェクト管理のシステム環境
(1) レベル1:オフィスツール利用
【特徴】
・使い慣れた Excel を使ってガントチャート・スタイルのスケジュールを作成する。
・Excel をお絵かきツールのようにして使うことが多い。
・Excel のマクロ作成を行ってメンバーの負荷分析などを行うなど、高度な使い方をしているケースもある。
【課題】
・わかりやすいように表現を工夫すればするほど修正や更新に手間がかかることになり、オーバーヘッドが増えていく。
・便利なマクロでもマクロ作成者がいなくなると保守ができなくなり、安心して使うことができなくなる。
・個人ファイル扱いとなっているため、関係者間での共有はトラブルが起きやすい。
・作業(タスク)は絵として表現されているだけなので、負荷分析やタスク分析などは別途手作業で行う必要がある。
(2) レベル2:Project スタンダード導入
【特徴】
・関連した作業(タスク)の日程変更などの修正が容易。
・プロジェクトの計画と進捗の管理に関する情報がプロジェクトファイルに一元化される。
・様々な見方(ビュー)で計画や進捗を見ることが可能。
・リソースの負荷分析やタスクのクリティカルパス分析などが可能。
【課題】
・複数プロジェクトの進捗をまとめて見たいときなどプロジェクトを統合するのが難しい。
・組織全体で見たときに誰が過負荷になるかなどのプロジェクト横断的な分析が難しい。
・マトリクス体制の場合の進捗分析が困難。
(3) レベル3:Project エンタープライズ導入
【特徴】
・組織全体のメンバーなどのリソースを一括して管理できる。
・組織全体でプロジェクトのポートフォリオ分析などが可能。
【課題】
・組織にあった運用のためにはカスタマイズが必要になることが多く、コストが増大する。
・サーバーやネットワークなどのシステム管理が必要になる。
・プロジェクト管理のノウハウを組織的に蓄積するのが困難。
・進捗の分析方法などの運用を徐々に高度化する(進化させる)のが困難。