運送約款の変更を利用せよ 物流会社の交渉術(その1)

投稿日

 
  SCM
 
 最近人材不足の波が産業全体を飲み込もうとしています。特に人気のない業種はこの時期大変です。物流業はその典型といえるかもしれません。
 
 常に有効求人倍率が2倍を超えている自動車運転者という職種は、人不足でサプライチェーンに与える影響は少なくありません。この状況を放置しておけばいずれ日本の経済にも影響を与えかねません。国としても徐々に手を打ち始めました。
 
 標準貨物自動車運送約款を改定し、運送業者が顧客から料金を取りやすい環境を整えつつあるのです。今まで一本で表記されていた「運賃」を、運送の対価である「運賃」とそれ以外の役務の提供の対価である「料金」に分けることにしました。
 
 運送会社は荷主に対して積み込み料や荷降ろし料を「料金」として明記することになったのです。さらに顧客の構内で待機させられた場合、その待機が顧客の要因である場合、「待機料」として明記し、それを収受できる環境を整えました。
 
 この約款の変更は、働き方改革に起因します。トラックドライバーの労働時間は他の職種に比べて長く、これが事故にもつながっていると考えられます。
 
 労働時間が長い割に給与は安いため、なかなか人が集まりにくい構造になっています。これを変えていかない限り、本当にサプライチェーンの寸断はあり得るのです。物流事業者としても顧客としてもこの状況は何としても避けなければなりません。
 
 そこで物流会社は顧客と連携してこの危機を乗り切らなければなりません。その一環として何としても人材を確保する必要があります。一方で人材を確保するためには原資が必要になります。やはり今のような給与の状態でドライバーを集めることは困難です。かといって会社の経営状況...
 
  SCM
 
 最近人材不足の波が産業全体を飲み込もうとしています。特に人気のない業種はこの時期大変です。物流業はその典型といえるかもしれません。
 
 常に有効求人倍率が2倍を超えている自動車運転者という職種は、人不足でサプライチェーンに与える影響は少なくありません。この状況を放置しておけばいずれ日本の経済にも影響を与えかねません。国としても徐々に手を打ち始めました。
 
 標準貨物自動車運送約款を改定し、運送業者が顧客から料金を取りやすい環境を整えつつあるのです。今まで一本で表記されていた「運賃」を、運送の対価である「運賃」とそれ以外の役務の提供の対価である「料金」に分けることにしました。
 
 運送会社は荷主に対して積み込み料や荷降ろし料を「料金」として明記することになったのです。さらに顧客の構内で待機させられた場合、その待機が顧客の要因である場合、「待機料」として明記し、それを収受できる環境を整えました。
 
 この約款の変更は、働き方改革に起因します。トラックドライバーの労働時間は他の職種に比べて長く、これが事故にもつながっていると考えられます。
 
 労働時間が長い割に給与は安いため、なかなか人が集まりにくい構造になっています。これを変えていかない限り、本当にサプライチェーンの寸断はあり得るのです。物流事業者としても顧客としてもこの状況は何としても避けなければなりません。
 
 そこで物流会社は顧客と連携してこの危機を乗り切らなければなりません。その一環として何としても人材を確保する必要があります。一方で人材を確保するためには原資が必要になります。やはり今のような給与の状態でドライバーを集めることは困難です。かといって会社の経営状況から給与を上げることになるとコストアップとなり、利益を圧迫してしまうことになります。
 
 この状況下、どうしても必要になってくるのが顧客との交渉です。今の価格を上げることで、人件費コスト上昇の一部を顧客に負担してもらうのです。物流会社には武器があります。それが運送約款の変更です。これをきっかけに顧客に交渉に行くのです。今がチャンスなのです。
 
 次回に続きます。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
調達物流 儲ける輸送改善 (その5)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


サプライチェーンのリードタイム別ビジネスモデル

 モノの流れを扱うサプライチェーンにおいて、鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セッ...

 モノの流れを扱うサプライチェーンにおいて、鉄鋼業のような付加価値の高い素材型産業、自動車のような総合組立型機械産業、複写機やコンピュータのような電器セッ...


物流人財育成【連載記事紹介】

  物流人財育成の記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流課題を解決できる人財育成 「物流は極めて重要な戦略的課題であ...

  物流人財育成の記事が無料でお読みいただけます!   ◆物流課題を解決できる人財育成 「物流は極めて重要な戦略的課題であ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
物流サプライヤーの要望とは:物流購買の勘所(その11)

  ◆物流サプライヤーの要望 物流サプライヤーへの委託業務の場合、共同改善すべき分野は購買側の効率化だけとは限りません。「共同改善」です...

  ◆物流サプライヤーの要望 物流サプライヤーへの委託業務の場合、共同改善すべき分野は購買側の効率化だけとは限りません。「共同改善」です...


魅力を向上させるしかけ:物流業務の魅力向上(その3)

  ◆物流担当取締役(CLO)を設置する 日本では物流部門がない会社も多く、物流担当取締役はあまり多くいません。しかしサプライチェーン効...

  ◆物流担当取締役(CLO)を設置する 日本では物流部門がない会社も多く、物流担当取締役はあまり多くいません。しかしサプライチェーン効...


サプライチェーンマネジメントという観点 物流人財育成の勘所(その1)

        1. 物流コスト上昇リスク  物流事業者に関わらず、物流に精通した人を育てなければならないことに多くの会社が気づき始めました。...

        1. 物流コスト上昇リスク  物流事業者に関わらず、物流に精通した人を育てなければならないことに多くの会社が気づき始めました。...