通販物流と日本の物流実力値 私たちの物流実力値(その1)

投稿日

 
  SCM
 
 筆者はよくセミナーで宅配物流(通販物流)の話をします。今までではほとんどマイナーであった通信販売が当たり前となり、それを支える物流が注目を浴びています。セミナー参加者の方に通販で発注してからどれくらいの時間で届けばよいかを聞いてみると、大半の方が「翌日」に届けば十分だという回答です。
 
 中には2~3日で届けばよいという方も少なくありません。これがユーザーの本音なのでしょう。一方で提供側の考え方はどうでしょう。
 
 当日中の配送を売り物にしている感じがします。たしかに通販はどこで買っても同じものであり、店舗のような対面サービスが無いためなかなか差がつきにくいと思われます。ではユーザーは何で通販会社を選ぶかというと、商品単価と配送料金です。つまり「いくら払えば届くのか」ということが重要なのです。
 
 当日中に届くもしくはもっと短時間で配送されることはユーザーにとってそれほど大きな判断ポイントではなさそうです。一方で指定された時間帯で届くかどうかは重要ポイントです。物流観点からは「定時性」ということになるでしょう。
 
 通販物流は誰もが接点を持つポイントですから、日本の物流の良しあしはある意味通販物流で判断されるのは仕方のないことかもしれません。では満足度はいかがでしょうか。セミナー参加者の方に質問すると、大多数の方が通販物流に関しては満足だと回答されます。
 
 一方仕事で物流管理に携わる方にはいろいろな問題が存在するようです。通販物流は一部に過ぎずもっと広い視点で日本の物流実力値は判断しなければならないでしょう。
 
 日本の物流実力値を知るための有益な資料があります。それ...
 
  SCM
 
 筆者はよくセミナーで宅配物流(通販物流)の話をします。今までではほとんどマイナーであった通信販売が当たり前となり、それを支える物流が注目を浴びています。セミナー参加者の方に通販で発注してからどれくらいの時間で届けばよいかを聞いてみると、大半の方が「翌日」に届けば十分だという回答です。
 
 中には2~3日で届けばよいという方も少なくありません。これがユーザーの本音なのでしょう。一方で提供側の考え方はどうでしょう。
 
 当日中の配送を売り物にしている感じがします。たしかに通販はどこで買っても同じものであり、店舗のような対面サービスが無いためなかなか差がつきにくいと思われます。ではユーザーは何で通販会社を選ぶかというと、商品単価と配送料金です。つまり「いくら払えば届くのか」ということが重要なのです。
 
 当日中に届くもしくはもっと短時間で配送されることはユーザーにとってそれほど大きな判断ポイントではなさそうです。一方で指定された時間帯で届くかどうかは重要ポイントです。物流観点からは「定時性」ということになるでしょう。
 
 通販物流は誰もが接点を持つポイントですから、日本の物流の良しあしはある意味通販物流で判断されるのは仕方のないことかもしれません。では満足度はいかがでしょうか。セミナー参加者の方に質問すると、大多数の方が通販物流に関しては満足だと回答されます。
 
 一方仕事で物流管理に携わる方にはいろいろな問題が存在するようです。通販物流は一部に過ぎずもっと広い視点で日本の物流実力値は判断しなければならないでしょう。
 
 日本の物流実力値を知るための有益な資料があります。それは世界銀行が4年ごとに発行している調査データです。「Logistics Performance Index」です。最近では2016年度版のデータがあります。このデータは世界における調査対象160カ国で主要な物流機能について報告されています。
 
 各機能別の評価値が数字で示されています。では日本のポジションはどのレベルにあるでしょうか。次回も続けて解説します。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
最先端のSCMテーマ、S&OP SCM最前線 (その6)

 前回のその5に続いて解説します。   3. S&OPで実現される業務    現在行われているS&OPではどの...

 前回のその5に続いて解説します。   3. S&OPで実現される業務    現在行われているS&OPではどの...


ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その1)

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...

1.高度成長期は商品力で競争していた    私は1954年生まれの61歳。高度成長から中成長への切替わり時に社会人になりました。私の先輩は高...


レイアウトの考察 物流改善ネタ出し講座 (その9)

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...

  【物流改善ネタ出し講座 連載目次】 1. なぜ物流は宝の山なのか 2. 宝の山の見つけ方 3. フォークリフトを考える 4. 荷姿...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
従業員満足と作業場 物流環境を整えよう(その1)

       1. 物流環境 : ES(従業員満足)の工夫  職場環境は重要です。その良し悪しが物流生産性にも確実に効いてくるのです。というこ...

       1. 物流環境 : ES(従業員満足)の工夫  職場環境は重要です。その良し悪しが物流生産性にも確実に効いてくるのです。というこ...


情報発信で物流改善を進めよう 物流サイドからの情報発信(その3)

 前回のその2:物流に表れる 生産・調達・営業の結果に続いて解説します。 1. 物流部門からの情報発信  物流は往々にして何らかの行動の結果と...

 前回のその2:物流に表れる 生産・調達・営業の結果に続いて解説します。 1. 物流部門からの情報発信  物流は往々にして何らかの行動の結果と...


トラック滞留を改善する 物流側からの情報発信の重要性(その3)

 いつも話題になることですが、朝積み込みに行ったものの、荷主の構内で待たされて出発が夕方になったというとんでもない話があります。皆さん、あるいは皆さんの周...

 いつも話題になることですが、朝積み込みに行ったものの、荷主の構内で待たされて出発が夕方になったというとんでもない話があります。皆さん、あるいは皆さんの周...