自社物流の実態とその要因について明確にする 自社物流の実態を知る(その2)

 
 
 
 物流にはいろいろな活動の結果が表れるという特徴があります。たとえば売上予測の精度の悪さが在庫となり、物流エリアを圧迫します。物流部署はものが置けないことに対応するために、工場内や倉庫内で置場を探して動き回ります。最終的にそれでも置ききれなければ外部倉庫を借用するということにもつながるのです。
 
 どちらかというと、物流は受け身の体制ですから営業部門や生産部門、調達部門の依頼を受けて仕事をしがちです。それぞれの部門が何かしらの要因で必要以上の在庫を発生させてしまっても、その保管のために走り回るのが物流です。
 
 在庫過多による保管管理のコストや外部倉庫の支払いなどで発生する物流コストについても責められるのは物流です。しかしここでもう一歩突っ込んで、物流コストにつながった要因について明確にしていくことが望ましいと思われます。
 
 自社物流の実態と共に、その要因について明確にするということです。物流はどちらかというと縁の下の力持ち的な存在のため、現象だけを見られて叱られるという立場にありました。でもせっかくなので現象にとどまらずに、その要因にスポットライトを当てるようにすることが望ましい姿です。
 
 自社物流はこういった事象に対応するためにこのような活動を行ない、結果的にこのようなコストが発生している、というまとめ方をしていくとよいでしょう。
 
 社会問題化しつつある現象として「トラック待機時間」があります。これについてもなぜ待たせているのかについて分析が必要です。まず自社ではどれくらいトラックを待たせているのかについてデータ取りを実施します。それとともに、その発生要因を探ります。そうすることで、先ほどの在...
庫と同様に、待機時間の要因となるものが見つかります。たとえば生産遅れとか、さらにその要因となる設備トラブルなどが明らかになります。
 
 自社物流の実態を知ることは、物流の実力値を把握できるということ以外に、社内の「悪さ」が浮き彫りになるのです。見えてきた問題点を解決して、実行するならば、実態把握は結構大きな効果が期待できると言えます。
 
 次回に続きます。
 

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