マシニング加工における荒取り加工条件の標準化の重要性

更新日

投稿日

  
 当事務所のコンサルティングにおいては、特に標準化という点を重要視しております。その標準化を行ううえで、特に多いのが、マシニング加工における荒取り加工条件の設定があります。
 
 なぜ、このテーマにおいて、標準化が必要になるかというと、例えば、スローアウェイの工具を使って荒取りを行う際、そこで必要になるS値・F値について、多くの方が使用する工具カタログに記載されている推奨条件をそのまま使用しているという理由があるからです。
 
 しかし、この推奨条件は万能でしょうか。例えば、下図のように、荒取りする前提が異なる場合、それでも、推奨値としてS値・F値は同じでしょうか。
 
 生産マネジメント
 
 実際のところ、変えることはなく毎回同じ設定にしているオペレーターも多いと思います。しかしながら「削り屋」としては、下図のように、少なくとも「送り速度」については、変えたいところです。
 
 生産マネジメント
 
 その目安は何になるのでしょうか。これは、上の2つの図に記載されている面積×工具の進行距離(長さ)、つまり切削する体積になります。具体的には、工具が1回転するときに切削する体積です。
 
 生産マネジメント
 
 この考え方を使って、切削体積から工具の送り速度に換算する条件式に当て...
  
 当事務所のコンサルティングにおいては、特に標準化という点を重要視しております。その標準化を行ううえで、特に多いのが、マシニング加工における荒取り加工条件の設定があります。
 
 なぜ、このテーマにおいて、標準化が必要になるかというと、例えば、スローアウェイの工具を使って荒取りを行う際、そこで必要になるS値・F値について、多くの方が使用する工具カタログに記載されている推奨条件をそのまま使用しているという理由があるからです。
 
 しかし、この推奨条件は万能でしょうか。例えば、下図のように、荒取りする前提が異なる場合、それでも、推奨値としてS値・F値は同じでしょうか。
 
 生産マネジメント
 
 実際のところ、変えることはなく毎回同じ設定にしているオペレーターも多いと思います。しかしながら「削り屋」としては、下図のように、少なくとも「送り速度」については、変えたいところです。
 
 生産マネジメント
 
 その目安は何になるのでしょうか。これは、上の2つの図に記載されている面積×工具の進行距離(長さ)、つまり切削する体積になります。具体的には、工具が1回転するときに切削する体積です。
 
 生産マネジメント
 
 この考え方を使って、切削体積から工具の送り速度に換算する条件式に当てはめるといった標準化を行うと、効率的かつオペレーターごとの個人差がない荒取り加工ができるようになります。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

村上 英樹

金型・部品加工業専門コンサルティングです!販路開拓・生産改善・外注費削減の3つを支援するトライアングル支援パッケージ、技術を起点とする新しい経営コンサルタント

金型・部品加工業専門コンサルティングです!販路開拓・生産改善・外注費削減の3つを支援するトライアングル支援パッケージ、技術を起点とする新しい経営コンサルタント


「生産工学」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ロボット導入に関わる補助金制度・税制の内容とは

   今回は、ロボット導入の設備投資の際、補助金を活用するケースを想定し、国・自治体のロボット導入に関わる補助金制度・税制について解説します。...

   今回は、ロボット導入の設備投資の際、補助金を活用するケースを想定し、国・自治体のロボット導入に関わる補助金制度・税制について解説します。...


ロボットの形式と特徴

   今回は、ロボットの種類、ロボット向けの作業、作業工程に適したロボットの選び方について解説します。 1. ロボットの形式と特徴を知る ...

   今回は、ロボットの種類、ロボット向けの作業、作業工程に適したロボットの選び方について解説します。 1. ロボットの形式と特徴を知る ...


工場内のレイアウト(設備配置)とその手順

  【目次】   1. 設備レイアウトの重要性    工場内には多くの設備が設置されていま...

  【目次】   1. 設備レイアウトの重要性    工場内には多くの設備が設置されていま...


「生産工学」の活用事例

もっと見る
ドリルの適正な加工条件とは

        たいへん便利なCAD/CAMですが、その反面、罠に陥りやすい面もあります。今回は、CAD/C...

        たいへん便利なCAD/CAMですが、その反面、罠に陥りやすい面もあります。今回は、CAD/C...


国際プラスチックフェアー(IPF JAPAN 2017)展示会レポート(その3)

 前回のその2に続いて解説します。   4.発泡成形の2  東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡...

 前回のその2に続いて解説します。   4.発泡成形の2  東洋機械金属は成形機のノズル部分に多孔質金属を用いて、超臨界二酸化炭素を導入して発泡...


動作解析事例「混流生産組み立てラインでの作業改善」

   今回は価値のない作業の排除「ムダとり」の事例を、結果だけではなく取り組み方も含めて紹介します。現場は、自動車メーカー(国内:混流生産組み...

   今回は価値のない作業の排除「ムダとり」の事例を、結果だけではなく取り組み方も含めて紹介します。現場は、自動車メーカー(国内:混流生産組み...