荷姿のサイズがポイント ものづくりと物流の同期化(その3)

更新日

投稿日

サプライチェーン

◆ 調達物流とものづくりの同期化

 工場がものを調達する行為も使うタイミングに合わせて行うことがサプライチェーン全体の効率化に寄与します。生産が10時から開始されるのであれば9時までに必要な資材や部品を買っておけば良いことになります。これがものづくりと調達物流の同期化です。

 必要な数を調達することは、余分な在庫を持たないために必要なことです。この必要数は生産数プラスアルファということになりますが、プラスアルファとは不良品を作ってしまう数量分ということになります。つまりそれは限りなくゼロに近いことが望ましいのです。これにつきましては、常日頃から取り組んでいる品質向上活動で目標に近づけていくことになります。

 もう一つ、早めに調達し過ぎることの無いようにしたい、ということが挙げられます。先ほどの例では生産開始の1時間前に調達することになっていますが、生産変更やトラックの遅延などを考慮し、調達時刻を前倒しにすることがあります。

 これをあまり前にしすぎると工場内で使われずに滞留している時間が増え、場所を占有してしまい工場の効率を落とすことになります。調達物流で納入された資材や部品を生産ラインに届ける時も、生産が開始される直前に届けることが望ましいでしょう。

 理屈は調達物流と同様です。早めに持っていくとラインサイドで不要部品が滞留してしまうことになります。使うギリギリ前に届けることがポイントです。これが構内物流とものづくりの同期化ということになります。

 このように調達物流や構内物流とものづくりを同期化する時は、荷姿のサイズがポイントになります。あまり大きすぎる荷姿では資材や部品が必要数以上に入っていることになりますので、あくまでも一回に使う数量をベースに荷姿を設定しましょう。先に容器を決めて入数を決める方法は良くあ...

サプライチェーン

◆ 調達物流とものづくりの同期化

 工場がものを調達する行為も使うタイミングに合わせて行うことがサプライチェーン全体の効率化に寄与します。生産が10時から開始されるのであれば9時までに必要な資材や部品を買っておけば良いことになります。これがものづくりと調達物流の同期化です。

 必要な数を調達することは、余分な在庫を持たないために必要なことです。この必要数は生産数プラスアルファということになりますが、プラスアルファとは不良品を作ってしまう数量分ということになります。つまりそれは限りなくゼロに近いことが望ましいのです。これにつきましては、常日頃から取り組んでいる品質向上活動で目標に近づけていくことになります。

 もう一つ、早めに調達し過ぎることの無いようにしたい、ということが挙げられます。先ほどの例では生産開始の1時間前に調達することになっていますが、生産変更やトラックの遅延などを考慮し、調達時刻を前倒しにすることがあります。

 これをあまり前にしすぎると工場内で使われずに滞留している時間が増え、場所を占有してしまい工場の効率を落とすことになります。調達物流で納入された資材や部品を生産ラインに届ける時も、生産が開始される直前に届けることが望ましいでしょう。

 理屈は調達物流と同様です。早めに持っていくとラインサイドで不要部品が滞留してしまうことになります。使うギリギリ前に届けることがポイントです。これが構内物流とものづくりの同期化ということになります。

 このように調達物流や構内物流とものづくりを同期化する時は、荷姿のサイズがポイントになります。あまり大きすぎる荷姿では資材や部品が必要数以上に入っていることになりますので、あくまでも一回に使う数量をベースに荷姿を設定しましょう。先に容器を決めて入数を決める方法は良くありません。

・・・・・・・・・・・・・・・

 いかがでしょうか。トラックに合わせてものづくりを行うこと、これはお客様が要求するタイミングから逆算して出荷やものづくりを行っていくことです。また、ものづくりに合わせた調達物流や構内物流も、ムダな在庫を抱えずにサプライチェーンをスリムに効率化するためには有効な手段です。ぜひものづくりと物流を同期化し、理想的なサプライチェーンを構築していきましょう。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
物流品質について考えよう 物流品質の向上 (その1)

1.工場における物流品質とは  工場の生産運営を物流が支えていることを考えれば、物流品質は常に高いレベルにあることが求められるのは当然と言えるでしょ...

1.工場における物流品質とは  工場の生産運営を物流が支えていることを考えれば、物流品質は常に高いレベルにあることが求められるのは当然と言えるでしょ...


海外工場支援者のための「物流指導7つ道具」(その4)

第4回 道具4「物流会社選定ツール」(上)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.今の物流会社に満足していますか &n...

第4回 道具4「物流会社選定ツール」(上)   ◆関連解説『サプライチェーンマネジメントとは』 1.今の物流会社に満足していますか &n...


コア・コンピタンスを再定義する

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...

 大手企業・完成品セットメーカーのコア・コンピタンスは、量産立ち上げの早い生産技術かも知れないし、熟練した開発設計技師の開発スピードや会社のハイテク技術製...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
同業他社とのベンチマーク:ベンチマークで実力把握(その1)

  ◆同業他社とのベンチマーク ベンチマーク活動というものがあります。物流でいえばたとえば自社の物流コストが業界の中で競争力があるのかど...

  ◆同業他社とのベンチマーク ベンチマーク活動というものがあります。物流でいえばたとえば自社の物流コストが業界の中で競争力があるのかど...


物流アウトソースにあたっての留意点 (その1)

1. 物流アウトソースのメリットとデメリット  皆さんの会社では何かしらの物流業務のアウトソース(外注化)を行っているのではないでしょうか。この物流...

1. 物流アウトソースのメリットとデメリット  皆さんの会社では何かしらの物流業務のアウトソース(外注化)を行っているのではないでしょうか。この物流...


  東南アジアの会社指導:購買業務の要点(その15)

  ◆ 東南アジアの会社指導 サプライヤーさんにとって私たち購買サイドが無ければビジネスがやっていけないわけですが、私たちのビジネスも協...

  ◆ 東南アジアの会社指導 サプライヤーさんにとって私たち購買サイドが無ければビジネスがやっていけないわけですが、私たちのビジネスも協...