RFIの実施:物流購買の勘所(その6)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆RFI(Request for Information)の実施

有名な会社だから発注する、といった短絡的なソーシングはやっていないと思いますが、有名な会社、大きな会社だからしっかりとした仕事をやってもらえるとは限りません。一方で小さな会社、無名な会社でも優秀な会社であることも多々あります。また、発注側との相性もあります。今回は、物流サプライヤーに業務を発注する際のステップについて確認していきましょう。最初に実施すべきことはその会社の情報を集めることです。

 

そこでまずRFI(Request for Information)を実施していきましょう。情報提供依頼が目的です。そこで質問状には自社が知りたいことを列記して、物流サプライヤーに投げればよいと思います。いつも申し上げているとおり、SQDCM、つまり安全、物流品質、納期管理、物流コスト、マネジメントの各項目を網羅できるように質問を作りましょう。

 

質問状への回答は原則として書面で受け付けます。一方的な回答となるため、物流サプライヤー側としましては実力以上を記してくることが考えられます。そこでそれぞれの項目を裏付ける資料を提出してもらうことを考えてもよいでしょう。最初が肝心です。相手のことをよく知るためには、多少お互い手間をかけてでもやっておいた方がよいこともあります。

 

RFIは今後発注する可能性のある候補会社を選定するためのプロセスです。「紙」でのやり取りとともに、実際にその会社を訪問することも必要です。効果的な方法は、RFIの回答をもらった後に、それが実際にその通りかどうか、その会社の物流現場で確認するやり方です。それとともに、「物流現場診断シート」を使って評価を行いましょう。5Sができていない、フォークリフトが傷だらけ、床にはフォークリフトのスリップ跡、こういった会社は当然取引対象外となります。

 

次にRFP(Request for Proposal)のステップへと移行します。このステップ...

サプライチェーンマネジメント

 

◆RFI(Request for Information)の実施

有名な会社だから発注する、といった短絡的なソーシングはやっていないと思いますが、有名な会社、大きな会社だからしっかりとした仕事をやってもらえるとは限りません。一方で小さな会社、無名な会社でも優秀な会社であることも多々あります。また、発注側との相性もあります。今回は、物流サプライヤーに業務を発注する際のステップについて確認していきましょう。最初に実施すべきことはその会社の情報を集めることです。

 

そこでまずRFI(Request for Information)を実施していきましょう。情報提供依頼が目的です。そこで質問状には自社が知りたいことを列記して、物流サプライヤーに投げればよいと思います。いつも申し上げているとおり、SQDCM、つまり安全、物流品質、納期管理、物流コスト、マネジメントの各項目を網羅できるように質問を作りましょう。

 

質問状への回答は原則として書面で受け付けます。一方的な回答となるため、物流サプライヤー側としましては実力以上を記してくることが考えられます。そこでそれぞれの項目を裏付ける資料を提出してもらうことを考えてもよいでしょう。最初が肝心です。相手のことをよく知るためには、多少お互い手間をかけてでもやっておいた方がよいこともあります。

 

RFIは今後発注する可能性のある候補会社を選定するためのプロセスです。「紙」でのやり取りとともに、実際にその会社を訪問することも必要です。効果的な方法は、RFIの回答をもらった後に、それが実際にその通りかどうか、その会社の物流現場で確認するやり方です。それとともに、「物流現場診断シート」を使って評価を行いましょう。5Sができていない、フォークリフトが傷だらけ、床にはフォークリフトのスリップ跡、こういった会社は当然取引対象外となります。

 

次にRFP(Request for Proposal)のステップへと移行します。このステップでは自社に対してどのように物流サービスを提供できるかを確認します。これは重要です。相手先の提案能力を把握できるからです。多くの物流サプライヤーがユーザーに対して提案できずにいます。そこで時間を取ってサプライヤーにプレゼンテーションする場を提供します。そこでどれだけ魅力のある話をしてもらえるかがポイントになるわけです。

 

次回に続きます。

 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
ギリギリまで作らない、運ばない、仕入れない (その11)

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...

1.予測できない売行き    前回のその10に続いて解説します。何がいつからどのくらい売れるのか、だれも予測できません。だから欠品になるので...


輸送改善のための工場環境整備とは 儲ける輸送改善 (その2)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


バリューチェーンとは

   企業活動は製造業であれ、流通サービス業であれ、物の流れであるサプライチェーンを経ながら付加価値が加わっていき、このことをバリューチェ...

   企業活動は製造業であれ、流通サービス業であれ、物の流れであるサプライチェーンを経ながら付加価値が加わっていき、このことをバリューチェ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
コンプライアンス意識を持とう:ビジネス環境と法律

  ◆ 法令違反は取引対象外  企業にとって重要なアイテムとしてコンプライアンスがあります。コンプライアンス(法令順守)は当然のことで、...

  ◆ 法令違反は取引対象外  企業にとって重要なアイテムとしてコンプライアンスがあります。コンプライアンス(法令順守)は当然のことで、...


生産管理 物流マンの視野を広げる(その4)

  ◆ 生産管理を勉強する  物流マンがサプライチェーン全体を俯瞰(ふかん)した際、サプライチェーンのオーナーであるメーカーの協力会社が...

  ◆ 生産管理を勉強する  物流マンがサプライチェーン全体を俯瞰(ふかん)した際、サプライチェーンのオーナーであるメーカーの協力会社が...


サプライチェーンの本質とは サプライチェーンを俯瞰する(その1)

  ◆ リードタイム短縮という使命  サプライチェーン(SC)とは物の調達から加工、保管、輸送、販売に至るまでの連鎖のことを指します。こ...

  ◆ リードタイム短縮という使命  サプライチェーン(SC)とは物の調達から加工、保管、輸送、販売に至るまでの連鎖のことを指します。こ...