ピッキング作業の生産性とは:倉庫改善の勘所(その2)

投稿日

サプライチェーンマネジメント

 

◆ピッキング作業生産性

ピッキング作業を行う場合に最初に考えなければならないことは「作業生産性」です。ピッキング作業の付加価値作業は「ものを取って置く」ことです。これ以外はムダであるという認識を持たなければなりません。ものを取る場合も、手を伸ばせば取れる、それ以外に余分な動作は発生させてはならないのです。余分な動作とは、製品をくるんでいる緩衝材を外すとか、段ボールの封を開けるなどといった作業のことです。

 

手を伸ばせば取れるという前提では、1m以上の幅とすることは考えづらいのではないでしょうか。決して行ってはいけないことは、「台車の大きさ」ありきで通路幅を設定することです。台車メーカーは顧客の生産性まで考慮していません。というか、台車を見る限りとても作業生産性を考慮しているとは考えられないのです。

 

人の幅の倍以上もある台車が多々あります。それにオーダー端末をつけたり、複数の顧客分を同時にピッキングできるように複数の出荷箱を載せられたりする大きな台車を見かけますが、これで本当に生産性は上がるのでしょうか。やはり通路幅を縮め、歩行を減らし、常にピッキング作業に専念できる環境を作ってあげることです。

 

フォークリフトと人の通る通路を共通化することは望ましくありません。第一に安全上の問題があること。そして第二には通路幅が間延びし、歩行が増えて著しくピッキング生産性を落とすからです。このような状況を避けるためには、在庫エリアとピッキングエリアを分けることです。在庫エリアではフォークリフトを使って段積みしたり、高層ラックに保管したりするのです。ラックを設け、下の段はピッキング品置き場、上の段は在庫保管用とすることは望ましくありません。エリアをはっきりと分ける方がよいと思います。

 

次に保管効率について考えていきましょう。

 

保管効率でも通路はデッドスペースとなり、効率を低下させる要因となります。床の大部分は保管用に使いたいものです。それから倉庫では高さを有効に活用するとよいでしょう。床面積をどれだけ保管に使っているかだけではなく、高さをどこまで有効に活用できているかも見なければなりません。

 

そのため、倉庫内容積に対する荷の容積の比率を取った、「倉庫内充填率」を保管効率のKPIとして使っていくとよいでしょう。

 

次回に続きます。

 


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人...


「サプライチェーンマネジメント」の他のキーワード解説記事

もっと見る
サプライチェーンにおけるリードタイム短縮の方策

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...

1.情報共有とチームワークによる同期化  危機感や目標の共有が、キャッシュの回転スピードを上げます。 サプライチェーンの同期化とは、車の運転でいえば、速...


流れの速さでみる在庫時間とリードタイム

1.生産・出荷スピードと資材・製品在庫  ある電子機械メーカーでは、多品種の生産を機械部品加工、電子部品組み付け、組立て検査と別工場で行っています。検査...

1.生産・出荷スピードと資材・製品在庫  ある電子機械メーカーでは、多品種の生産を機械部品加工、電子部品組み付け、組立て検査と別工場で行っています。検査...


SCMの一環としての輸送とは 儲ける輸送改善 (その3)

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...

  【儲ける輸送改善とは 連載目次】 1.輸送改善はなぜ『おいしい』のか 2.輸送改善のための工場環境整備とは ...


「サプライチェーンマネジメント」の活用事例

もっと見る
日本の物流の向かう道(その1)

1. 国の政策と民間の活動    物流総合施策大綱 2017-2020が閣議決定されました。この大綱こそが日本の物流の進むべき道を示唆してくれているも...

1. 国の政策と民間の活動    物流総合施策大綱 2017-2020が閣議決定されました。この大綱こそが日本の物流の進むべき道を示唆してくれているも...


物流業界と5S活動

  1. 5S:倉庫の状況が瞬時に判断される  物流業界で今一つ浸透しきれていないのが5S活動です。製造業では5Sがすべての基本となっている感があ...

  1. 5S:倉庫の状況が瞬時に判断される  物流業界で今一つ浸透しきれていないのが5S活動です。製造業では5Sがすべての基本となっている感があ...


  物流仕様書とは:物流アウトソースの前にやるべきこと(その2)

  1.RFP(Request for Proposal)の実行 前回お話させていただきました通り、物流業務発注に際してできるだけ細部の...

  1.RFP(Request for Proposal)の実行 前回お話させていただきました通り、物流業務発注に際してできるだけ細部の...