物流の効率化とは

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SCM

 

1.資源の共同利用

トラック1台を走らせるコストは荷量が満載だろうと、半分しか積んでいなかろうと原則として同じです。であるならば、荷量を満載にして動かしたいものです。物流はボリュームを集めることで効率が向上する特徴があります。現在の物流を見ていると、小刻みに実施される傾向が強く、この特徴を生かし切れていないと感じます。

 

これは私たちが普段の生活の中で交通機関を使うことで実感できているのではないでしょうか。たとえば飛行機に乗っても、半分しかお客さんがいない場合があります。この時も乗務員の数は同じですし、目的地に着くまでの燃料も変わりません。つまりお客さんを一人でも多く乗せれば、その分だけ運行コストは回収できるのです。

 

トラックでもまったく同様で、ドライバーは1人必要ですし、燃料も必要です。もし荷台を満載にできるのであれば、コストの回収はその分だけ容易になるわけです。しかし今の荷主と物流事業者との契約は一対一ですから、トラック1台の荷を満載にすることは簡単ではないわけで、また、満載にする意識も薄い気がします。

 

なぜなら、同じ会社が同じ方面に向けて複数のトラックを走らせている可能性があるからです。A部署で1台、B部署で1台トラックを手配することがあります。このような現象が発生する理由は、部署間連携ができていないことが背景にありそうです。さらにコスト意識が少々欠如していると言わざるを得ません。

 

皆さんご存知の通り、トラックドライバーの高齢化が進んでいます。若者はドライバーという職を敬遠しがちで、ドライバーの数自体は増えていきません。このような状況が進展する中、トラック運送という資源を有効に活用することが求められています。これは今からでも始めるべきだと考えましょう。そこで、物流資源の共同利用が今後重要になってくるわけです。

 

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2.企業間の共同化

物流はボリュームを集めれば集めるほど効率化が進みます。その意味でも複数の部署や会社で共同化するメリットは大きいと考えられます。まずは会社内の物流情報を集めてみましょう。きっと物流ロスが見つかると思います。そこを多少の調整を行ってでも共同化を図ることをお勧めします。

 

ここでいうところの「多少の調整」とは、届け先に向けての出発時刻の調整や納期調整などを指します。これが全くできないということであれば共同化は難しいかもしれませんが、そのようなケースは少ないのではないでしょうか。

 

もし社内で物流情報を統制でき、もうこれ以上共同化の余地がないということになれば、次は他社との共同化を考えましょう。

 

これは少々困難なことに直面するかもしれません。たとえば次のようなことが予想されます。

 

  • どちらの会社が契約している運送会社を使うのか
  • お互い別々に保有している輸送システムはどちらのものを使うのか
  • 荷姿が異なるために積み重ならない問題をどう解決するのか
  • コストダウンメリットが出た際に、どうやって分配するのか

 

共同化の開始前にこういった発生すると思われる課題をまず解消するか、解決策や妥協案を検討しておくと良いでしょう。こういったことを想定せずに活動を先行させてしまうと「やったけど効果がなかった」ということにつながりかねません。

 

共同化というと、まず頭に浮かぶのは輸送だと思います。なぜなら輸送に伴う問題が顕在化しつつあることや、物流コストの中でも最も比率が高いからです。輸送を共同化することを進めることはとても重要です。しかしそれと同時に実行すると効果があると思われるものが荷姿容器の共同化ではないでしょうか。

 

先ほどの課題でも触れましたが、容器が異なると積み重ねができないのです。これを解決することはトラック積載率の向上に大いに寄与するのです。

 

SCM

3.荷姿共通化

企業間物流の共同化の一環として荷姿容器の共通化があげられます。この荷姿容器の共通化は物流効率化に大いに貢献します。同じ容器体系を使うことによって、複数企業が共同輸送を行った際にトラックの荷台の積載率が大幅に向上するからです。

 

同じ業界であれば荷姿容器を同じものにすることは大いにありうるところです。似通った部品や製品を入れることになりますから、容器も当然のことながら共通化が可能となります。だからこそ、この容器の共通化を進めることは大変良いアイテムだと断言できるのです。ぜひ同業他社とも調整し、容器共通化を進めてみてはいかがでしょうか。

 

容器共通化に類似したアイテムとして、パレットの共通化があげられます。日本の標準パレットは1.1系です。しかしこのサイズは必ずしも物流効率を高めているとは言えません。なぜなら、トラックに載せたときに隙間ができてしまうからです。

 

これは10トントラックの場合ですが、そのために独自体系のパレットを使用している会社もあるのです。そこで、業界として一般的に使う輸送モードを基準としたパレット体系を決めることも物...

SCM

 

1.資源の共同利用

トラック1台を走らせるコストは荷量が満載だろうと、半分しか積んでいなかろうと原則として同じです。であるならば、荷量を満載にして動かしたいものです。物流はボリュームを集めることで効率が向上する特徴があります。現在の物流を見ていると、小刻みに実施される傾向が強く、この特徴を生かし切れていないと感じます。

 

これは私たちが普段の生活の中で交通機関を使うことで実感できているのではないでしょうか。たとえば飛行機に乗っても、半分しかお客さんがいない場合があります。この時も乗務員の数は同じですし、目的地に着くまでの燃料も変わりません。つまりお客さんを一人でも多く乗せれば、その分だけ運行コストは回収できるのです。

 

トラックでもまったく同様で、ドライバーは1人必要ですし、燃料も必要です。もし荷台を満載にできるのであれば、コストの回収はその分だけ容易になるわけです。しかし今の荷主と物流事業者との契約は一対一ですから、トラック1台の荷を満載にすることは簡単ではないわけで、また、満載にする意識も薄い気がします。

 

なぜなら、同じ会社が同じ方面に向けて複数のトラックを走らせている可能性があるからです。A部署で1台、B部署で1台トラックを手配することがあります。このような現象が発生する理由は、部署間連携ができていないことが背景にありそうです。さらにコスト意識が少々欠如していると言わざるを得ません。

 

皆さんご存知の通り、トラックドライバーの高齢化が進んでいます。若者はドライバーという職を敬遠しがちで、ドライバーの数自体は増えていきません。このような状況が進展する中、トラック運送という資源を有効に活用することが求められています。これは今からでも始めるべきだと考えましょう。そこで、物流資源の共同利用が今後重要になってくるわけです。

 

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2.企業間の共同化

物流はボリュームを集めれば集めるほど効率化が進みます。その意味でも複数の部署や会社で共同化するメリットは大きいと考えられます。まずは会社内の物流情報を集めてみましょう。きっと物流ロスが見つかると思います。そこを多少の調整を行ってでも共同化を図ることをお勧めします。

 

ここでいうところの「多少の調整」とは、届け先に向けての出発時刻の調整や納期調整などを指します。これが全くできないということであれば共同化は難しいかもしれませんが、そのようなケースは少ないのではないでしょうか。

 

もし社内で物流情報を統制でき、もうこれ以上共同化の余地がないということになれば、次は他社との共同化を考えましょう。

 

これは少々困難なことに直面するかもしれません。たとえば次のようなことが予想されます。

 

  • どちらの会社が契約している運送会社を使うのか
  • お互い別々に保有している輸送システムはどちらのものを使うのか
  • 荷姿が異なるために積み重ならない問題をどう解決するのか
  • コストダウンメリットが出た際に、どうやって分配するのか

 

共同化の開始前にこういった発生すると思われる課題をまず解消するか、解決策や妥協案を検討しておくと良いでしょう。こういったことを想定せずに活動を先行させてしまうと「やったけど効果がなかった」ということにつながりかねません。

 

共同化というと、まず頭に浮かぶのは輸送だと思います。なぜなら輸送に伴う問題が顕在化しつつあることや、物流コストの中でも最も比率が高いからです。輸送を共同化することを進めることはとても重要です。しかしそれと同時に実行すると効果があると思われるものが荷姿容器の共同化ではないでしょうか。

 

先ほどの課題でも触れましたが、容器が異なると積み重ねができないのです。これを解決することはトラック積載率の向上に大いに寄与するのです。

 

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3.荷姿共通化

企業間物流の共同化の一環として荷姿容器の共通化があげられます。この荷姿容器の共通化は物流効率化に大いに貢献します。同じ容器体系を使うことによって、複数企業が共同輸送を行った際にトラックの荷台の積載率が大幅に向上するからです。

 

同じ業界であれば荷姿容器を同じものにすることは大いにありうるところです。似通った部品や製品を入れることになりますから、容器も当然のことながら共通化が可能となります。だからこそ、この容器の共通化を進めることは大変良いアイテムだと断言できるのです。ぜひ同業他社とも調整し、容器共通化を進めてみてはいかがでしょうか。

 

容器共通化に類似したアイテムとして、パレットの共通化があげられます。日本の標準パレットは1.1系です。しかしこのサイズは必ずしも物流効率を高めているとは言えません。なぜなら、トラックに載せたときに隙間ができてしまうからです。

 

これは10トントラックの場合ですが、そのために独自体系のパレットを使用している会社もあるのです。そこで、業界として一般的に使う輸送モードを基準としたパレット体系を決めることも物流効率化に寄与する良い改善策だと思います。すでにビール業界ではパレットの共通化に着手しています。従いまして、他業界でも十分に検討の余地もあれば、実現の可能性も高いと思われます。

 

そしてこの物流共同化にあたり、とても大切なことがあります。それは業界内での人材交流です。物流という共通の目標を持った者同士でぜひ意見交換していくと良いと思います。企業間は競争だ、という考え方が根強く、意見交換をすることさえはばかられる雰囲気な無いわけではありません。

 

たしかに製品では競争することは当然でしょう。しかし物流では共同化した方がメリットは大きいと考えられます。業界内で物流研究会などを設けて、いろいろな課題を抽出し、一緒に改善していく取り組みは必要です。ぜひ物流という共通の社会インフラを効率的に使えるよう、考えていただきたいものです。

 

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この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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