物流量を減らすには:これからの輸送改善のコツ(その2)

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サプライチェーンマネジメント

 

◆ 物流量を減らす

 前回の輸送コスト式を見てみましょう。

   ・輸送コスト = 距離 × 物流量 × 輸送単価

 輸送距離をゼロに近づけることで輸送コストが大幅に下がることはおわかりいただけたかと思います。このあたりは十分に分かってはいるものの、輸送が発生してしまったものは仕方がないと半ばあきらめている方もいらっしゃるかもしれません。しかし運送会社との契約を個建て契約とするとともに荷物を一つでも二つでも「運ばない」状態に移行していくことで輸送コスト削減は可能です。

 その方法は自社工場内でサプライヤーさんに生産してもらう部品を増やしていくことで実現することができるのです。自工場内のラインに直結すれば「運搬ゼロ」、近接化すれば「運搬ミニマム」を実現することができるのです。あきらめることなく取り組んでいただきたいと思います。

 

 次に考えたいアイテムが右辺の「物流量」を減らすアイテムです。運ぶ量を縮めるという改善に取り組んでいきましょう。真っ先に思い浮かぶアイテムは「荷姿改善」だと思います。一つの箱に収納する数量を増やす改善が一番取り組みやすいでしょう。

 あと一つ入れられないか、と考えるのです。「プラスワン活動」とでも称して社内でゲーム感覚で取り組むこともあり、ではないでしょうか。運ぶものによってはいかにも輸送効率を低下させるようなものがあります。ちょっとした突起が出ていることで箱の中の入数が大幅に落ちてしまう例が挙げられます。

 このような「運びづらいもの」についてはその「突起」を輸送した後に取り付けるといった改善も考えられます。さらにこのような「運びやすさ」を追求していくといずれ「製品設計」につながっていきます。つまり設計段階から物流効率を織り込んで製品を検討していくということです。すでに物流に対する意識の高い会社ではこのような取組が行われていますが、これは非常に良い活動だと思います。

 そのためには物流KPIをきちんと決定し設計を変えれば何がどれくらい良くなるのかを測定できるようにしていくべきでしょう。なぜならこの数値評価が設計担当者の動機づけにもなるからです。設計者はできるだけ制約を外して仕事をしたいと思うかもしれません。しかし会社は利益を追求する集団ですから物流コストを認識することも設計の仕事の一部だと捉えるべきだと思います。

 

 次回に続きます。

 


この記事の著者

仙石 惠一

物流改革請負人の仙石惠一です。日本屈指の自動車サプライチェーン構築に長年に亘って携わって参りました。サプライチェーン効率化、物流管理技術導入、生産・物流人材育成ならばお任せ下さい!

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