クリーン化活動を定着させよう(その1)

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 このテーマは4回に分けて連載致します。毎回、前後の連載記事へリンクを貼りますので、是非、通読して下さい。
 
 クリーン化クリーン化活動はものづくり企業の競争力です。現場の体質強化には欠かせません。企業規模によって差はあるにしても経営に直結すると言われます。しかし、これは言葉だけが伝えられるだけで、中小企業の中では本当に活動に取り組んで実感した、理解したという例は少ないかもしれません。つまり頭で理解しただけなのです。良いと思ったら、その本当の良さを体感するまで継続してやり通してこそ、その活動の価値が実感出来ます。
 
 経営者や管理監督者が体験したり、継続的な活動を通じた中から発せられた言葉には重さがあり、そして現場を見ても綺麗です。活動の結果と言動が一致しているのです。
依頼された現場に入ると、この様な空気、雰囲気から体質の強さを感じ取ることが出来ます。そのような企業からは何度も呼ばれます。行く度に成長を感じるので、私も毎回同じ診断・指導方法ではなく、レベルを上げて行く必要性を感じます。こういう企業は食いついてくるところが多く、相互に真剣勝負、成長する場になります。
 
 逆に上層部の指示で仕方なく専門家を呼んだという場合、現場で不具合を指摘しても管理監督者も腕組みをして遠巻きに見ているなど、反応が薄く熱意が感じられないことが多々あります。これでは具体的な不具合の確認はしてもらえません。そして、次に行っても変化を感じません。私も指導に熱が入らないばかりか、先方からは指導を受けたが成果が出ないと言われてしまうのです。この場合引き続き呼ばれることはありません。そのまま尻切れトンボになって、活動自体も消えて行ってしまいます。このように真剣にやってみることなく言葉から推測しただけのクリーン化活動は、日常的な活動に発展せず定着もしないのです。
 
 これには上記の他、幾つかの理由があると思います。会社や現場ごとに違うので、この場でこれが理由、原因だとは言えませんが、私の経験や、色々な現場で指導しながら感じたことを解説します。
 

1.クリーン化活動が長続きしない理由

 この解説を参考にして頂き、自社はどういう原因や背景があるのか、考えてみること、そして改善のきっかけに繋がることを期待します。活動が長続きしない理由を、大別すると、次の2点の背景が考えられます。
 
   (1)経営者や管理、監督者がその重要さに気づいていないこと
 
   (2)本気で取り組んでいない、故にその価値に気づかないこと
   
 (1)の、経営者や管理、監督者がその重要さに気づいていないとは、どういう事でしょう。一般にクリーン化は歩留まりや品質向上活動だと言われるので、とりあえず取り組みをさせておこうという雰囲気を感じることがあります。口頭指示はしても経営者、管理監督者が自ら汗をかくことはないのです。つまり物真似であって、重要さがわからないので本気にならない。だから、掃除の勘所も掴めないのです。
 
 次に、長く継続させる活動でありながら、何かの当番制のようにクリーン化の担当者をコロコロ変えてしまうという例があります。クリーン化活動の中身に触れることもないまま、次に送っていくことで、表面的な活動になってしまい担当者の思い入れなどは育ちません。
 
 管理監督者が一緒に掃除するというところもあります。本当に一緒になってやっているところは綺麗に管理されています。反面、会議だと言って安易に欠席する。当然認められるだろうと認識し、それが度重なり管理監督者が段々工場には入らなくなる例があります。
 
 こういう上司の背中を見ると、上司がいる時はやるが、不在の時はやらないとか、簡単にやって終わるという風になり、手抜きが常態化します。これらが活動の停滞や消滅の要因になります。これが、(2)の本気で取り組んでいない、故にその価値に気づかない例です。
   
 最近は成果主義に重きを置く会社が多いようです。これは企業経営の中では当然ではありますが、全てがそれに当てはまるわけではないのです。その使い分けができていないのです。成果ばかりを求められるとそればかりを追求し、また成果が出やすいテーマに傾いてしまいます。徹底してやるという思いは醸成されません。地味ですが地道にコツコツやる仕事は敬遠されてしまいます。
 
 松下幸之助の言葉に、『成功する前にやめてしまうので失敗してしまう。成功するまでやり続けることが大切』というのがあります。継続することから成果が生まれることを説いているのです。今の時代、こんな悠長なやり方は認められないのかもしれませんが、やってみるとそうだなという気もします。成果に到達する前にこんなやり方では成果が出ないと見限...
 このテーマは4回に分けて連載致します。毎回、前後の連載記事へリンクを貼りますので、是非、通読して下さい。
 
 クリーン化クリーン化活動はものづくり企業の競争力です。現場の体質強化には欠かせません。企業規模によって差はあるにしても経営に直結すると言われます。しかし、これは言葉だけが伝えられるだけで、中小企業の中では本当に活動に取り組んで実感した、理解したという例は少ないかもしれません。つまり頭で理解しただけなのです。良いと思ったら、その本当の良さを体感するまで継続してやり通してこそ、その活動の価値が実感出来ます。
 
 経営者や管理監督者が体験したり、継続的な活動を通じた中から発せられた言葉には重さがあり、そして現場を見ても綺麗です。活動の結果と言動が一致しているのです。
依頼された現場に入ると、この様な空気、雰囲気から体質の強さを感じ取ることが出来ます。そのような企業からは何度も呼ばれます。行く度に成長を感じるので、私も毎回同じ診断・指導方法ではなく、レベルを上げて行く必要性を感じます。こういう企業は食いついてくるところが多く、相互に真剣勝負、成長する場になります。
 
 逆に上層部の指示で仕方なく専門家を呼んだという場合、現場で不具合を指摘しても管理監督者も腕組みをして遠巻きに見ているなど、反応が薄く熱意が感じられないことが多々あります。これでは具体的な不具合の確認はしてもらえません。そして、次に行っても変化を感じません。私も指導に熱が入らないばかりか、先方からは指導を受けたが成果が出ないと言われてしまうのです。この場合引き続き呼ばれることはありません。そのまま尻切れトンボになって、活動自体も消えて行ってしまいます。このように真剣にやってみることなく言葉から推測しただけのクリーン化活動は、日常的な活動に発展せず定着もしないのです。
 
 これには上記の他、幾つかの理由があると思います。会社や現場ごとに違うので、この場でこれが理由、原因だとは言えませんが、私の経験や、色々な現場で指導しながら感じたことを解説します。
 

1.クリーン化活動が長続きしない理由

 この解説を参考にして頂き、自社はどういう原因や背景があるのか、考えてみること、そして改善のきっかけに繋がることを期待します。活動が長続きしない理由を、大別すると、次の2点の背景が考えられます。
 
   (1)経営者や管理、監督者がその重要さに気づいていないこと
 
   (2)本気で取り組んでいない、故にその価値に気づかないこと
   
 (1)の、経営者や管理、監督者がその重要さに気づいていないとは、どういう事でしょう。一般にクリーン化は歩留まりや品質向上活動だと言われるので、とりあえず取り組みをさせておこうという雰囲気を感じることがあります。口頭指示はしても経営者、管理監督者が自ら汗をかくことはないのです。つまり物真似であって、重要さがわからないので本気にならない。だから、掃除の勘所も掴めないのです。
 
 次に、長く継続させる活動でありながら、何かの当番制のようにクリーン化の担当者をコロコロ変えてしまうという例があります。クリーン化活動の中身に触れることもないまま、次に送っていくことで、表面的な活動になってしまい担当者の思い入れなどは育ちません。
 
 管理監督者が一緒に掃除するというところもあります。本当に一緒になってやっているところは綺麗に管理されています。反面、会議だと言って安易に欠席する。当然認められるだろうと認識し、それが度重なり管理監督者が段々工場には入らなくなる例があります。
 
 こういう上司の背中を見ると、上司がいる時はやるが、不在の時はやらないとか、簡単にやって終わるという風になり、手抜きが常態化します。これらが活動の停滞や消滅の要因になります。これが、(2)の本気で取り組んでいない、故にその価値に気づかない例です。
   
 最近は成果主義に重きを置く会社が多いようです。これは企業経営の中では当然ではありますが、全てがそれに当てはまるわけではないのです。その使い分けができていないのです。成果ばかりを求められるとそればかりを追求し、また成果が出やすいテーマに傾いてしまいます。徹底してやるという思いは醸成されません。地味ですが地道にコツコツやる仕事は敬遠されてしまいます。
 
 松下幸之助の言葉に、『成功する前にやめてしまうので失敗してしまう。成功するまでやり続けることが大切』というのがあります。継続することから成果が生まれることを説いているのです。今の時代、こんな悠長なやり方は認められないのかもしれませんが、やってみるとそうだなという気もします。成果に到達する前にこんなやり方では成果が出ないと見限って、違うやり方に変えてしまったり、やめてしまうのです。これを繰り返すから、一貫性のない活動になってしまいます。清掃一つとっても、平凡なことですが、やり続けることで価値を見い出すことが出来ると思います。そのことに気づくまでやり続けましょう。
 
 こんな話を聞きました。新潟県のものづくり企業を指導していた時のことです。その会社は社長から始まり、全ての人が一生懸命工場を磨き、びっくりするほど綺麗な会社です。その会社の課長が「会社に入ってから掃除をするようになった。だけど、なぜこんなにきれいにするのか、毎日続けるのかを理解するのに10年かかった」というのです。このことを理解する前にも、若い人たちには清掃の大切さを説いていたが、自分が理解していない指導は本当の指導ではなかったと言うんです。やり続けることで、現場が綺麗になるだけでなく、心も変化するのです。
 
 次回も、(2)本気で取り組んでいない、故にその価値に気づかないを掘り下げます。
 

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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