前回のその2に続いて解説します。今後、取引をするサプライヤー候補会社は自社が付き合っていく可能性の高い会社になりますので社内で公式に候補会社として登録しましょう。候補会社の登録簿のことをサプライヤーパネルと呼びます。この候補会社はきちんとパネルコミッティを開催しその会議で承認するといった透明なプロセスを踏むようにするとよいでしょう。
このパネルは3年程度の間隔で定期的に見直していくとよいと思います。なぜなら今の候補会社よりももっと優秀な会社が出てくるかもしれません。一方で3年の間にSQDC水準が低下している会社もあるかもしれません。その場合にはいったんパネルから外すことも考えなければならないでしょう。
そして候補会社が決まれば各社からプレゼンを受け、自社に対してどのような貢献をしていただけるか、説明を聞きます。これが、RFPプロセスです。RFPとは Request for proposal です。「提案要請」ということになります。
このプレゼンの場にはエンジニアや品質保証の担当者にも入ってもらいましょう。さまざまな技術的な視点で質問することで候補会社の実力もよく見えてくることでしょう。そして、候補会社から見積価格をいただくことになります。そのための事前準備をしっかりと実施する必要があります。
図面や品質基準などを相手会社に示しながら説明会を実施することになります。できれば候補会社に一堂に会してもらい同じ声で話をすることで公平を期すことも考えておきたいものです。
見積書は抜け漏れが発生しないように、こちらからフォームを定めてそれに記入して戻してもらうようにしましょう。このフォームの統一は見積金額を回収した後に、比較検討する際にも役立ちます。このフォームが異なると各社異なる用語を使うかもしれませんので、それを合わせるだけでも結構骨が折れます。
購入品の原価構成がクリアになることは大切です。部品を購入する場合、その部品を構成する資材費や設備費、労務費などの原価は明確になっていても「物流費」がどんぶりになっている可能性があります。物流費は大切な要素ですので、輸送費や荷...