1. 物流効率化に影響を与えていること
ものがある限り物流は発生しますので、物流は無くならないと考えるべきでしょう。この物流をいかに効率的に行っていくかが物流当事者にとって重要になってくるということです。この世の中ほとんどの産業に物流は付きものです。最近では個人間での取引も発生しており、そこにも物流が付いて回ります。つまり物流を提供する側、物流サービスを受ける側のどちらにも多くの人が関わっているということになります。
この当事者間のコミュニケーションが物流効率化に影響を与えていることはご存知でしょうか。倉庫で入出庫業務を委託している側と受託している側とのコミュニケーションを例にとって考えてみましょう。
当事者は委託業務を始める前に契約を締結します。その時にどのような業務が対象なのか、その業務をいくらの対価で実施するのかなど細かい条件を詰めていきます。業務をスタートした後、委託側が追加業務を頼んだとします。これは受託側にとって新たなコストが発生しますから慎重に検討し、新たに対価を決めて契約書を書き直すことが必要です。
しかし往々にして現場の担当者が自らの判断で安請け合いしてしまうことがあります。これは顧客から頼まれたから断れないとか簡単な仕事なので契約書を変更するまでもないと考えてのことかもしれません。
お互いのコミュニケーションがうまく取れていればこのようなミスコミュニケーションは発生しないのではないでしょうか。当事者間の取引については窓口担当者を決め、その間で常にコミュニケーションが取れていることが望ましい姿です。
物流事業者が荷主会社に仕事を取りに行く時もコミュニケーションが重要になってきます。何度も荷主会社を訪問しいろいろな情報を得るためにはどうしても必要なのです。人によっては顧客訪問や会話が苦手だという人もいるでしょう。しかしビジネス取引は人と人の間で行われますからコミュニケーションはどうしても必要になります。そこで相手から重要な情報を引き出すためのコミュニケーションテクニックも身につけておきたいものです。
2. 営業と物流のコミュニケーション
物流事業者の方は荷主の物流現場を見せていただきどこにどのような問題があるのかを掴んでおくとよいでしょう。恥ずかしがらずに、また遠慮することなく荷主には物流現場を見せてもらうように働きかけましょう。なぜならばターゲット荷主とコミュニケーションをとり、受注につながるような情報を入手することが重要だからです。
荷主とコミュニケーションをとる場合には相手から「不」のつく言葉を引き出すと良いのではないでしょうか。このような物流オペレーションが「不満」だ。今やっている倉庫作業のこういったところが「不自由」だ。今の輸送管理のこの点が「不合理」だ。
こういった満足していない点を相手から引き出すことです。満足できていないところにビジネスチャンスがあると考えるべきではないでしょうか。工場の中では生産工程と物流グループが物流当事者になると思います。この時も同じような手法を取ることでコミュニケーションが深まっていくと思います。
今の調達荷姿のこの部分が「不満足」だ。ライン供給作業のこういった点が「不満」だ。今の生産量に対して材料在庫量が「不合理」だ。工場の中でこのように感じられている部分は多々あるのではないでしょうか。今の物流のあり方を敢えて肯定せずによりよくしていくためにどうするのか、これは物流当事者間のコミュニケーションで明らかになっていくはずです。
営業と物流担当の間でもコミュニケーションが重要になってきます。営業は仕事を受注したいがために物流コストを十分に把握していないケースがあります。本来一回で納入できるものを四分割することで納入サービス度を高めようとすることがあります。もちろんそれは否定しませんが、それによってかかるプラスアルファの物流コストを営業担当者も認識していなければなりません。
これにつきましても普段から営業担当者と物流担当者がコミュニケーションを取っていればトラブルは回避できるはずです。営業担当者も物流担当者に対してこのような物流サービスを顧客に提供したらどれくらいコストアップになるか、気軽に聞けるようにしておきたいものです。
3. ドライバーを通した情報
お客様の求めている物流を提供することこそが私たちの使命です。従ってコミュニケーションで大変重要となってくるのがお客様とのコミュニケーションです。当然のことながら私たちはお客様が欲しているものを知る努力が必要になります。そこでコミュニケーションが必要になってくるわけです。
物流事業者であればお客様のニーズを把握しやすい立場にあるポジションがあります。それはドライバーです。ドライバーはお客様の敷地内に堂々と入っていくことができます。このポジションを有効に活用しお客様の声を拾っていくことが重要です。
一般的に物流事業者の営業担当者がお客様の所に出向いて行って話をする中で情報を集めようとします。これはこれで重要です。しかしこの時には相手も構えていますから、どこまで本音を話してくれるかどうかはわかりません。そこでドライバーがお客様の現場担当者と親しくなって本音で語り合えるような関係づくりを行っていくとよいと思...