
セミナー趣旨
近年、熱流体工学は、「スマートフォン」、「ゲーム」、「家電」など、様々な小型電子機器の設計に必須となっている。しかし、これらの機器の設計者の多くは、熱流体工学の知識が不足しており、結果として「熱の暴走」「発火」などの事故やトラブルを引き起こしている。
また、原子炉や航空機でも流体起因振動で破損などの事故が頻繁に起きている。
これらの事故やトラブルを引き起こす原因は、機器設計者が熱流体工学を正しく学び、熱流体工学に基づいた設計ができていないからである。しかし、最近は、製品分野が広くなり、機械工学を専攻しなかった人も製品開発に携わるようになってきた。ただ、熱流体工学は難解な偏微分方程式から学習していく必要があるため、機器設計者にとって習得しにくいものである。
そこで、当センターでは、機器設計で注意すべき点に絞り込んで、熱流体工学の基礎をやさしく学習するセミナーを開講する。流体力学の専門家である講師が、大学の講義のようなスタイルではなく、演習や動画鑑賞も含めて、設計実務に活用できる実践的な講義を行う。また、設計時の注意点を体感できる演習を行うので、単なる知識だけでなく実務的なノウハウを身につけることができる。
習得できる知識
- 流体力学の基礎を理解できる
- 流体に関わる問題と対策を理解できる
- 伝熱に関わる問題と対策を理解できる
- シミュレーションを初めて使用する際の注意事項を知ることができる
セミナープログラム
- 流体力学の基礎【演習付き】
- 流体について
- 流体の性質
- 物体周りの流れ
- 管内の流れ
- 噴流の流れ
- 等エントロピーの流れ
- 流体に関する問題と対応策
- フラッター
- 境界層制御
- コアンダ効果
- 伝熱に関する問題と対応策
- 伝熱の基礎
- 装置内の通風冷却
- 煙突効果
- ファンの設置と騒音
- 熱流体現象の把握
- 計測方法
- CFDの導入
セミナー講師
池川 正人 氏
1976年東京大学工学系研究科航空学修士課程修了、同年(株)日立製作所機械研究所入社、1983年~1984年米国カリフォルニア大学バークレー校機械工学科&ローレンス・バークレー国立研究所客員研究員、1990年東京大学で博士号取得、2016年から(株)古賀総研、産業技術総合研究所で技術コンサルタント、現在に至る。
空調用・空気用スクロール圧縮機、半導体素子成膜製造、半導体用CVD装置、半導体用プラズマエッチング装置、有機ELディスプレイ、単結晶引き上げ装置、磁気ディスク装置、産業用インクジェットプリンター等、機器の熱流体シミュレーションで製品開発に取り組む。
日本機械学会、日本流体力学会、ASME等に所属。埼玉大学非常勤講師、日本機械学会フェロー・理事・名誉員、日本流体力学会フェロー・理事・名誉員等を歴任。
セミナー受講料
43,000円(消費税込)※テキスト代を含みます。
受講料
43,000円(税込)/人
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