試作から量産に向けての課題解決

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 新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のようです。
 
1. 工場の選定はどのように行えば良いのか・・・チェック項目や注意点などを知りたい。
2. 試作の方法はどのようなものがあるのか・・・サンプルを作る場合、金型はどうすればいいのか
3. 量産開始前の準備は何が必要か・・・ドキュメント類や設備類はどうやって準備すればいいか
4. 量産後の生産管理、品質管理はどのように行うのか・・体制やツールなどどのように整えるのか
5. 立上げの体制はどのように整えたらいいのか
 垂直立ち上げ

1. 工場選定

 
 協力工場を選定するには、当然QCDの要求を満足しなければなりません。生産設備の生産能力の余力、精度管理、生産管理、品質管理、資材管理など直接部門だけでなく間接部門を含む工場システム全般を確認し、自社の製品の生産に適しているかどうかを見極めます。更に類似の製品を製造した実績があるかどうかが大事な選定ポイントになります。それには、あらかじめ工場監査チェックシートを作成し漏れなく確認を行います。必要に応じ、財務状況やトラブルの有無なども調査を行います。生産可能と判断した段階で、取引基本契約、品質保証契約、ライセンス契約など必要な契約を取り交わします。
 

2. 試作方法

 
 生産する製品の規模にもよりますが、一般に受注、資材調達、部品加工、組立・試験、検査、最後に出荷という工程が必要と思われます。すべて協力工場へ委託するのか、あるいは、一部を協力工場へ委託し、組立試験、検査工程を含むメインの工程を自社内で担当するのかによって管理の仕方は変わってきます。
 

3. 量産開始準備

 
 工場のレイアウト、必要な設備類のリスト、生産能力の算出、人員構成など4Mの必要な条件をすべてリストアップし、分担して準備を行います。QC工程図を作成し、4Mの作り込み条件、手順を決めます。必要に応じて作業手順書、検査規格書なども作成します。工程が決まったら、作業者の訓練を兼ねて、試作製造を行います。問題点の抽出と対策を繰り返しながら、量産に入れるかどうかを見極めます。量産開始後は、初期管理体制を敷いて、問題発生時の即応体制を敷きます。各種の工程データをモニタして、異常の早期検出を行います。
 

4. 生産管理、品質管理

 
 協力工場も含めた、工程の分担、物流、商流をどうするか、まず決めることが必要と思われます。その上で、生産管理方式を決めることになりますが、自社では一切生産に関与しないのであれば、最終製品を出荷するキーになる協力工場を選定ることにより、すべての管理を任せることが可能となります。逆に自社内で生産を行うのであれば、それなりの体制を組むことが必要です。管理はプロの仕事ですので、専門家のアドバイスだけでは、日々の実務は難しいと思います。品質管理も同様ですが、すべてを任せるのではなく、品質保証の体制が取られているか、4Mの変化に対応できているかなど、定期的に工...
 
 新規製品の立ち上げで、試作から量産に向けて様々な課題を解決しなければなりません。今回は、この部分を解説します。考慮するポイントは次のようです。
 
1. 工場の選定はどのように行えば良いのか・・・チェック項目や注意点などを知りたい。
2. 試作の方法はどのようなものがあるのか・・・サンプルを作る場合、金型はどうすればいいのか
3. 量産開始前の準備は何が必要か・・・ドキュメント類や設備類はどうやって準備すればいいか
4. 量産後の生産管理、品質管理はどのように行うのか・・体制やツールなどどのように整えるのか
5. 立上げの体制はどのように整えたらいいのか
 垂直立ち上げ

1. 工場選定

 
 協力工場を選定するには、当然QCDの要求を満足しなければなりません。生産設備の生産能力の余力、精度管理、生産管理、品質管理、資材管理など直接部門だけでなく間接部門を含む工場システム全般を確認し、自社の製品の生産に適しているかどうかを見極めます。更に類似の製品を製造した実績があるかどうかが大事な選定ポイントになります。それには、あらかじめ工場監査チェックシートを作成し漏れなく確認を行います。必要に応じ、財務状況やトラブルの有無なども調査を行います。生産可能と判断した段階で、取引基本契約、品質保証契約、ライセンス契約など必要な契約を取り交わします。
 

2. 試作方法

 
 生産する製品の規模にもよりますが、一般に受注、資材調達、部品加工、組立・試験、検査、最後に出荷という工程が必要と思われます。すべて協力工場へ委託するのか、あるいは、一部を協力工場へ委託し、組立試験、検査工程を含むメインの工程を自社内で担当するのかによって管理の仕方は変わってきます。
 

3. 量産開始準備

 
 工場のレイアウト、必要な設備類のリスト、生産能力の算出、人員構成など4Mの必要な条件をすべてリストアップし、分担して準備を行います。QC工程図を作成し、4Mの作り込み条件、手順を決めます。必要に応じて作業手順書、検査規格書なども作成します。工程が決まったら、作業者の訓練を兼ねて、試作製造を行います。問題点の抽出と対策を繰り返しながら、量産に入れるかどうかを見極めます。量産開始後は、初期管理体制を敷いて、問題発生時の即応体制を敷きます。各種の工程データをモニタして、異常の早期検出を行います。
 

4. 生産管理、品質管理

 
 協力工場も含めた、工程の分担、物流、商流をどうするか、まず決めることが必要と思われます。その上で、生産管理方式を決めることになりますが、自社では一切生産に関与しないのであれば、最終製品を出荷するキーになる協力工場を選定ることにより、すべての管理を任せることが可能となります。逆に自社内で生産を行うのであれば、それなりの体制を組むことが必要です。管理はプロの仕事ですので、専門家のアドバイスだけでは、日々の実務は難しいと思います。品質管理も同様ですが、すべてを任せるのではなく、品質保証の体制が取られているか、4Mの変化に対応できているかなど、定期的に工場へ出向いて確認を行います。工程監査だけでなく、完成品についても、工場へ出向き、ロットごとに立会検査を実施します。
 

5. 立上げの体制

 
 量産製造立上げは、考えておかなければならない事が多岐にわたります。新製品は、素早く生産立上げを行い、軌道に乗せることが重要であり(垂直立上)市場投入時期を逸脱すると、その分、販売チャンスを失うことになります。プロジェクト全般について課題解決を図り、日程通り進捗を管理するコーディネータの役割は重要になります。従って経験豊かなアドバイザーの選定が望まれます。
 
  

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この記事の著者

濱田 金男

製造業に従事して50年、新製品開発設計から製造技術、品質管理、海外生産まで、あらゆる業務に従事した経験を基に、現場目線で業務改革・経営改革・意識改革支援に取り組んでいます。

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