◆ 不良をさらけ出す勇気を持とう
1.品質を考える:発生した不良を見えるようにして、恥さらしにする
不良は出したくないが、生産の途中に何らかの要因で不良が発生してしまうものです。それをどう扱うかで、その後の結果は大きな違いが出てくるものです。不良の多い職場だと、不良が発生しても手直しをしてしまえばよいと考えてしまい、また同じことを繰り返してしまいます。でも手直しをしている時間に、設備を稼働するための動力費や光熱費、人件費など多くのムダが発生するばかりです。
不良をそのまま不良箱に入れて、次のワークを取り出して加工していては、結局は原価を押し上げるばかりでまったく儲かりません。でも意識の薄い社員は、その職場にいれば給料はもらえると考えているので、不良の痛みを感じることはありません。彼らの意識を変えることも必要です。
これらのことは不良が見えないから、これらのムダを発生させてしまうのです。これらを是正するためにも、まず不良を見えるようにしなければなりません。発生したら不良をすぐに関係者が確認できるようにします。不良を発見した人が、その不良の発生した部位はどこか、どうして(なぜ)不良になったのかなど、発生状況を第三者に分かるように簡素に記述します。これを逆にあまり詳しく書こうとすると、面倒になってオペレータは書こうとしなくなりますので、オペレータの合意のもとにどれくらい書けばよいかを事前に整合を取っておくことも大切です。できるだけシンプルにします。
もっと大切なことは、不良が発生した時にそのオペレータを責めないことです。なんでミスをしたのか!ボケ!なんて怒鳴り声で言うと、次回からオペレータは絶対に不良を公にしなくなり、不良を良品のように扱ったり、どこかに隠したりするようになっていくのです。不良が出てもオペレータを責めるのではなく、逆に不良を発見したり、すぐに報告してくれたことに感謝するくらいの気持ちを持って接することです。
そうすることで、次に不良が発生しても...