◆ 不良の原因は自工程だけではない
1. 品質を考える:客先クレームを分析してみると
客先からのクレームが返って来てその原因を調べてみますと、自社による因子もありますが、さらに真因を追究していきますと、自社の前工程である協力工場や仕入先を含めたサプライヤにまつわる問題もかなりあることに気付かれると思います。組立工場の場合は、およそ半分近くが自社以外のものと言われますが、その逆にサプライヤにも原因があるということになります。
先日切削工場を訪問した時に、ある旋盤の下に3mほどの材料が数本置かれていたものを発見しました。それは材料が中央付近で変形していたのを、そのままマガジンに投入してしまい、マガジンが故障をしてしまったということでした。そのため証拠の現物として残しておき、サプライヤが来るのを待っていると言う状況でした。
その原因は、サプライヤもしくは輸送業者の取り扱いの問題かもしれませんが、従来からその材料で変形したものはなく、全て良品だと思ってオペレータは材料投入したと言います。もしかすると自社での取り扱いの問題で、材料に変形が発生したかもしれません。しかし、自社での取り扱いに全く問題がないと断言できれば、堂々と前工程を呼びつけて対応を求めることができます。でも自社で絶対に不良を出さないという自信がなければ、なかなか言えるものではありません。皆さんの工場では、自信を持って正々堂々と前工程やサプライヤに断言できる状態にあるでしょうか。
自社や自工程の不良が出ないように改善を行っていきますと、不良は次第に減少していき、連続して10日間発生しない→さらに20日間、・・・・50日間不良ゼロを達成などと段々と不良が出なくなってきます。このように連続して、不良を出さないようにしていくのは、相当の努力の成果であって、現場のオペレータの皆さんによる改善活動や意識付けによる効果の賜物だと思います。
自工程の不良が少なくなってくると、お客様での不良(クレーム)ももっと少なくな...